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イエス様の生涯と愛 第84話
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イエス様の志操を受け継ぐべき我々
私たちがイエス様の三十年余りの生涯の人格を探ってみると、イエス様は当時に限定された一個人の人格者ではありませんでした。彼の人格は、自分の一身の人格というだけではなく、四千年の歴史に代わる天的な価値の人格であったのです。このことを皆さんは悟らなければなりません。
イエス様が主張された理念は、どのようなものだったのでしょうか。数多くの預言者や烈士たちが、歴史的に願ってきた理念であると同時に、摂理の目的を成し遂げるための創造主の理念だったのです。そのような使命を完遂するために、血の涙の出る道を歩んだイエス様の生涯でした。
したがって、不変の心でイエス様の理念と生涯を通して、彼の志操と人格を見習わなければなりません。そしてイエス様が四千年の歴史に代わって、天倫の志操を立てるために無限の闘争も意に介さず戦ってこられたように、皆さんもそのイエス様が残した使命を受け継ぎ、二千年を加えた六千年の歴史に代わって不変なる志操の心を備えた人格者として、天の前に現れなければならないのです。
もし、そのような皆さんになることができないならば、天倫に代わる理念、イエス・キリストが願われた理念、今日私たちが探し求めている理念とは、永遠に関係を結ぶことができないのです。これを肝に銘じなければなりません。
ではイエス様は、どのように生きたのでしょうか。イエス様はひたすら神様のみ旨を自分の生涯の目的として、「そのみ旨が成就するまで、全体に責任を負います」と天倫の前に誓ってからは、自分の安楽を考えず志操を守る生活をされました。
それならば神様は、どうしてイエス様を万民の救い主に立てることができたのでしょうか。四千年の歴史の過程を経てきながら、イエス様お一人だけが、神様のみ旨のために全体の生涯を捧げ、創世以後初めて神様のみ旨のために忠節と志操を守ったからです。そうしてイエス様は、永遠のメシヤとして立てられ、モーセを中心に受け継がれてきた摂理歴史が、イエス様の理念を通して新たな段階に入ったのです。
最後の審判を控え、無限の恐怖のゴルゴタの峠を越えなければならない「終わりの日」に処した今日の皆さんにおいて、皆さんの訴えを何によって終わらせることができるでしょうか。これまでこの地にあった理念ではできないでしょう。それゆえ私たちには、ふさがれている私たちの行く道を切り開いてくれる一つの中心存在が必要なのです。歴史的に見れば、神様も当時の理念としては不可能だということを御存じであったので、神様の摂理を指向する数多くの宗教を通して、摂理の中心人物を送ろうと約束してこられたのです。それがすなわち再臨思想なのです。
今や私たちは、神様に対して、あるいは被造万物に対して、相対的な価値基準に立っていてはいけません。絶対的な神様の人格と絶対的な神様の不変の理念と天的な生活の理念に代わる中心をもった者として、神様のみ旨のとおりに初めと終わりが永遠に関係を結び得る立場に立って、万物万象の前に自分の価値を表すことのできる私たちとならなければなりません。
そしてそのような人間になることができるように、導いてくれる真理を探し求めなければなりません。そのような真理を探し出すために乗り出した皆さんであるならば、何よりもイエス様の願い、イエス様が願われた理念、イエス様の生活の標準を受け継ぎ、そこに新しい理念を加えられなければなりません。さらにまた、活動舞台を自ら探し求めていかなければなりません。
そうして理念的な基準と実践的な基準を備えて、すべての面で統率できる絶対的な位置を自分たちが見つけ、「終わりの日」に天が探そうと願われる人格者、天上の全体目的に代わり得る真の人にならなければなりません。そうでなければ、自ら悔い改める心情をもつ人にならなければなりません。
今日私たちは、個人であっても個人として終わってはいけません。私たちが信じているキリスト教も、民族と国家のための宗教にのみとどまってはならず、世界と人類のための宗教にならなければなりません。また人類歴史に代わることができ、人類の歴史的な願いに責任を負えると同時に、人倫と天倫の理念に代われなければなりません。
そのような歴史と歴史的な願いと人倫と天倫の理念が、皆さんが生活する環境と因縁が結ばれていることをはっきりと感じなければならず、不変の人格者として願いの実体として、二千年前に来られたイエス様の前に恥じることなく現れて、「主よ、あなたの願いはこれではないでしょうか。私がかなえてあげましょう」と言えなければなりません。
そして私たちは、天倫の原則にのっとり、変わることのない志操をもって、天のみ旨のために責任を全うしたのちに、「天よ、お受けくださいませ」と祈られたイエス様を回顧してみなければなりません。