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Sunday May 08, 2022
平和経 第202話
Sunday May 08, 2022
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病気と宇宙力の保護
この広大無辺な大宇宙は、主体と対象の共同目的体なので、それ自体を保護する宇宙力をもっており、同時に主体と対象が完全に一つとなった存在を保護し、育成します。その一方で、主体と対象が一つになれない存在や、一つになったものを侵害する存在があるときには、これを排斥する作用をするのです。
ですから、存在の永続性が可能なのです。このように助ける力を相応作用といい、反対の力を相克作用と言うことができます。あるいは作用、反作用とも言うことができます。
これは物質世界においても人間世界においても同じです。私たちの心と体が一つになっているときは、これを助ける宇宙力の保護を受けているので喜びを感じるようになりますが、心と体が一つにならないときは苦痛を感じて反発するようになります。
病気によって受ける苦痛も同じです。体内で主体的な要素と相対的な要素が調和統一されない場合、宇宙的な保護力を喪失する一方、その反作用によって苦痛を感じるのですが、それが大きな病苦となるのです。このとき、早く主体と対象が調和統一する道を開いてあげるためのものが、医者の診断による投薬です。これは個人でも家庭でも同じです。
結婚前は、男性は男性同士、女性は女性同士で一緒にいることを好んでいたとしても、結婚後には、夫婦となった二人の間に誰かが介入してくることを喜ばないのも同じ道理です。結婚後の家庭は、主体と対象が完全一体化して、宇宙的保護力に力を与えられて、幸福と満足を感じるようになるのですが、そこに第二の女性や第二の男性が介入してくると夫婦が一つになる力が破壊される恐れがあるので、反発作用を起こすようになるのです。
その反発作用というのは、必ずしも悪いというわけではなく、このような刺激によってその人もその夫婦のように、早く出ていって主体あるいは対象を迎え、一体を成し遂げることによって、宇宙力の保護を受けて永続するように促進する、そのような力になるのです。すなわち、完成を促進させる力になるのです。
すべての存在物は第一原因に似て繁殖する
電気作用も、主体であるプラスと対象であるマイナスが一つになれば、円満に作用しますが、プラスとプラス、マイナスとマイナスの間では反発するようになっています。いかなる存在であれ、このように主体と対象を探し求めて関係を形成すれば、同じ法則によって安定と喜びを感じるようになるのです。
以上のような論理により、ある主体と対象が授受作用によって一つになれば、宇宙的な保護圏に入っていくようになるのです。私たちが見る宇宙の中のいかなる作用も、第一原因的存在に由来する結果的作用なので、その中心となる原因的作用体としての存在があるということは当然の理論です。子女が父母に似るように、結果は原因に似るので、万物を見てその原因的存在を究明することができるのです。
すべての植物の種を見れば、その内部は相対的に二片になっていますが、それが完全一体となったまま一つの皮の中で胚子を通じて授受作用をすることによってのみ、生命を繁殖するのです。卵を見ても、黄身と白身の間に胚子があるのですが、一つの殻で包まれて一体になっているのです。人間の胎児も同じです。
すべての生物は、主体と対象が授受作用によって一体化すれば、人間なら人間、植物なら植物は、その原因に似て繁殖し、結局根本に還元するのです。これらすべてが究極の第一原因に似ているとすれば、その第一原因的存在も主体と対象が完全に一体化した基本形態をもっており、すべての存在に対して主体格の立場にあるという結論になります。
宇宙万物の段階的生成の目的
それでは、宇宙万物のこのような段階的生成の目的は何でしょうか。人間という存在のために形成され始めたと見るのです。すなわち人間は、すべての存在世界の実であり、縮小体であると同時に、モデルと言えるので、鉱物と植物、動物のあらゆる要素をすべて合わせもっている最も高次元の存在なのです。しかし、人間もあくまでも結果的存在なので、ある第一原因的存在があり、それに似て生じたという結論が成立するのです。
すなわち、人間を対象とする絶対主体的存在が必ずあるのですが、私たち人間が人格的存在であるならば、その主体も明らかに人格的存在に違いないのです。その第一原因的絶対者のことを、哲学では原存在と言い、宗教では神様と呼ぶのです。
今日、進化論や唯物弁証法、認識論、唯心論、唯物論などにより、世界の思想界は矛盾と混乱に陥っているので、これを再検討し、絶対真理を樹立してこそ絶対的価値の世界の形成が可能です。絶対価値的な存在は永遠、不変、唯一の存在です。それでは、宇宙の中で、永遠、不変、絶対の原理とは何でしょうか。それは原因と結果、主体と対象の関係であるという結論になります。
これを人間社会に適用すれば、親子関係と夫婦関係がその核心になるのですが、一つは縦的な主体と対象の関係であり、一つは横的な主体と対象の関係です。両者は次元の高い主体と対象の関係にありながら、縦的に合わさったものが新しい主体となり、横的に合わさったものが新しい対象となり、円満な授受作用を通して、渾然一体となって立体化し、調和した球形運動をするのです。
それが愛を中心とした力の作用であり、人間社会の基本単位である理想的家庭のモデルです。そのような意味で、愛を最も価値的なものと認めざるを得ません。
絶対価値の永遠の幸福が約束される世界
愛の究極的な根源は、私たち人間から始まったのではなく、絶対不変の原因的主体から始まったので、それを中心とした愛の家庭が、人間社会の理想を具現する基本単位となるのです。ここで初めて絶対価値の理想実現のための愛の家庭から、国家、世界へと拡大し、愛を完成した統一圏の世界、それこそ絶対価値の永遠の幸福が約束される理想世界が必ず訪れるのです。
私は今回の大会が、今日直面する人類社会の諸般の問題を解決して、今後の進路を正し、「絶対価値の探求」という共同目標を達成するために、学問が調和、協力することによって、人類の平和と幸福と愛を成し遂げた理想世界を建設することに大いに貢献することを願いながら、お話しいたしました。ありがとうございました。