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Friday Jun 10, 2022
平和経 第231話
Friday Jun 10, 2022
Friday Jun 10, 2022
24.二十一世紀における言論人の使命
日付:一九九二年八月二十二日
場所:韓国、ソウル、ヒルトン•ホテル
行事:第十二回「世界言論人会議」
敬愛するマッカーサー議長、尊敬する貴賓、そして言論界の重鎮の皆様。私は、皆様が第十二回「世界言論人会議」に参加するために私の祖国である大韓民国を訪ねてくださり、深い感謝の意を表する次第です。
世界平和建設のための様々な活動
今年の第十二回「世界言論人会議」は、例年とは異なり、「世界文化体育大典」という非常に大きな枠組みの中の一環として行われています。「世界文化体育大典」は、私が生涯をかけて成し遂げてきた、すべての事業と業績を一カ所に集め、神様のみ前にまとめて捧げる一大祝祭期間として設定され、開催されています。
ここには、十九年の歴史をもつ「科学の統一に関する国際会議」に参加するために来た学者たちの集まりがあり、宗派と教派を超越した世界の著名な宗教指導者たちの集まりである「世界宗教議会」があり、元大統領や国家元首、そして首相を網羅し、世界の著名な政治家たちの集まりである「世界平和のための頂上会議」があります。さらには、世界の著名な女性指導者たちは、私の妻が総裁を務めている「世界平和女性連合」のシンポジウムに集まり、世界の若者たちは、「世界大学生大会」の旗印のもとに体育大典を開き、二十一世紀の指尊者を目指す熱気あふれる討論も行われる予定です。
私が、一生を通じて渾身の努力を尽くしてきたすべての事業の究極的な目的は、世界平和の建設にあります。
一九九一年に「世界平和連合」と「世界平和宗教連合」を創設したのも、そのためです。
私は世界平和の核心を家庭に置き、これまで「理想家庭を通した世界平和」を唱えてきました。このような平和理念の具現として、三日後の八月二十五日には、空前絶後で地上最大の国際合同祝福結婚式が挙行される予定です。百三十数ヵ国から集まった善男善女が、国境と人種を超越し、創造主である神様の真の愛の中で一つとなって理想家庭を実現し、それによって世界平和の働き手になろうというこの莊厳な儀式は、真の未来世界の平和の働き手の創造を意味するのです。
皆様は言論人なので、このような地上最大のイベントを目撃することを望まれると思い、世界の言論界の重鎮である皆様を、貴賓としてその場にお招きしました。これは、皆様に報道記事の特ダネを提供するわけですから、実際は、皆様が私に大きな代価を払ってしかるべき、歴史的な空前絶後の出来事です。
しかし、皆様は、この行事を単なる地上最大のショーとして見るのではなく、真の意味での世界平和軍団の創設として御覧になり、心からお祝いしてくださることと思います。これからは、言論界と言論人全体が、先にお伝えした世界平和の大構想の中で和合し、渾然一体となって、私たちの念願である世界平和の理想を実現していかなければなりません。
皆様。私は去る五月にアメリカのワシントンで、私が創設した「ワシントン•タイムズ」創刊十周年を記念する晩餐会で講演をしました。私が一九八二年に「ワシントン•タイムズ」の創刊を発表したとき、アメリカの朝野では嘲笑の声が上がりました。ある専門家は、「レバレンド•ムーンがまともに新聞を発刊すれば、『ワシントン•タイムズ』は資金不足で六ヵ月ももたないだろう。あるいは、統一教会の宣伝紙に転落し、読者なき週刊誌のようになるのが落ちだろう」と予想しました。
しかし、十年が過ぎた今日、「ワシントン•タイムズ」は、名実共にアメリカの千七百五十の日刊紙の中で、最も影響力を行使する三大日刊紙の一つに数えられるようになり、アメリカ大統領が朝、目を覚ますと読む新聞となり、去る八月十三日には、アメリカのジョージ•ブッシュ大統領が、今この会議に出席中の「ワシントン•タイムズ」のウェズリー•ブルーデン編集局長との単独インタビューに応じ、「ワシントン•タイムズ」に特筆大書したことがあります。これは、ブッシュ大統領が初めて応じた日刊紙の単独インタビューでした。
「ワシントン•タイムズ」は、新聞のデザインにおいて毎年優秀賞を受け、去る一九八九年には、審査員十二人の満場一致で決定された最優秀賞を受けるに至り、論説面においても二年連続で論説部門最優秀賞を受けました。これは、アメリカ言論界の歴史にかつてなかったことです。
共産主義の終焉に決定的な役割を果たす
皆様。私はこのような「ワシントン•タイムズ」をつくるために、これまでの十年間、約十億ドルを投入しました。もし私が、政治的影響力や宗教的宣伝、個人的な富の追求が目的であるなら、そのように投入することはなかったでしょう。
私が「ワシントン•タイムズ」をつくつた理由は、一言で言えば、神様のみ旨を成し遂げるためでした。私は、神様がアメリカを愛しておられることを知っています。そして、アメリカは、伝統的ユダヤ教とキリスト教の本山であり、キリスト教精神の揺りかごです。ですから、神様は、このアメリカが全世界を救い出す中心的役割を担うことを願われ、薄れていく神様中心の伝統的価値観を守っていくことを望んでおられるのです。
その上、冷戦時代の絶頂にあって、神様はアメリカを先頭に立たせ、共産主義の世界制覇を防ごうとされました。このような神様のみ旨を中心として見た場合に、何よりも重要なことは、哲学と理念のある新聞として、アメリカ国民と特別にアメリカの政治指導者たちを正しく教え導くことにほかなりません。
私は、アメリカの首都ワシントンDCを、リベラルで容共的な新聞である「ワシントン•ポスト」の奴隷として放って置くことはできませんでした。十年が過ぎた今日、結果はどのようになったでしょうか。共産圏はついに、一九八九年十一月九日、ベルリンの壁の崩壊とともに、その崩れる音が聞こえたかと思いきや、一九九一年十二月二十五日のクリスマスを期して、七十四年の間、世界を恐怖のるつぼに追い込んだ、無神論に立脚した共産主義帝国が地上から完全に消滅してしまいました。
そして、私は「ワシントン•タイムズ」が、このすべてのことをやり遂げたとは言いません。これは神様の摂理歴史の中で、なければならない必然的な結果です。しかし、神様も、地上のことは人間を通してなされるのです。私は、「ワシントン•タイムズ」が共産主義の終焉をもたらす決定的な役割を果たしたと堂々と主張することに対しては、いささかの疑いもありません。
神様は、「ワシントン•タイムズ」を道具としてお使いになり、歴史上一度もなかった共産主義という独裁勢力に終止符を打ち、数千万の市民たちに自由を抱かせることに決定的な役割を担わせたのですから、十億ドルどころか、百億ドルを使ったとしても、これ以上に価値ある投資がどこにあるでしょうか。しかし、そうかと言って「ワシントン・タイムズ」の使命が終わったわけではありません。
共産主義の崩壊が自動的に平和世界をもたらすわけではないからです。神様の願う理想世界も自然と実現されるわけではありません。今日、自由世界は、勝利の祝杯を挙げるには、あまりにも緊迫した問題が心胆を寒からしめています。