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Friday Jun 17, 2022
平和経 第241話
Friday Jun 17, 2022
Friday Jun 17, 2022
1.アジアと世界を救う真の愛運動
日付:一九九一年九月十七日
場所:日本、千葉、東京ベイNKホール
行事:第一回「アジア平和女性連合」日本東京大会(真のお母様)
尊敬する大会委員長、「アジア平和女性連合」の会員の皆様、来賓の皆様、そして日本全国各地から集まってこられた女性指導者の皆様。今日の歴史的な大変化のただ中にあって、これまでわずか五年足らずの間に、「アジア平和女性連合」がこれほどの成長を遂げ、かくも立派な大会を開催することになり、衷心よりお祝いを申し上げます。
皆様の国、日本は、終戦の廃墟の中から立ち上がり、「現代の奇跡」と呼ばれるほどに、わずか四十年で世界一の経済大国を建設し、世界の人々の羨望の的となっています。さらに幸いに思うのは、このような驚くべき産業発展を遂げながらも、日本は東洋に受け継がれてきた伝統的価値を失うまいと努めながら、家庭と社会教育の問題に多大な関心と努力を傾けてきたことです。このような立派な成功の背後には、誰よりも女性の皆様が、細やかで犠牲的な母として、また献身的な主婦として、家庭を健全に育て守ってこられたことが、その大きな基礎となっていることを、私もやはり女性の一人として、誇りに感じています。
「アジア平和女性連合」の指導者の皆様。世界は今、歴史的な大転換期を迎えております。一九一七年のロシア革命以来、七十年近くにわたって、世界の半分以上を席巻しながら数億人もの人々の血を流し、全人類を恐怖と戦慄のるつぼに追い込んできた共産主義の宗主国ソ連が、ついにその赤い旗を降ろし、歴史の彼方へと消え去ることになりました。
これは取りも直さず、神様を否定する無神論の世界観が敗亡したことを意味し、葛藤と闘争と憎悪の哲学が、その限界を露呈し、共産党による一党独裁体制がその破滅を宣言したものです。しかし、このような共産主義の滅亡は、私たちに一つの重要な事実を悟らせてくれます。それはすなわち、共産主義の滅亡は、決して自由民主世界の勝利を意味してはいないという点です。経済的平等を主張して出発した共産主義が、かえって経済的な破綻によってその終焉を告げたように、自由の理想を唱えて立ち上がった自由民主世界もまた、その自由というものの陰で、性道徳の紊乱や暴力、麻薬中毒など、激しい価値観の混乱による社会的破綻を迎えているのです。
戦後四十数年にわたる冷戦時代は、結局のところ、左右双方が敗者となって勝者なしのゲームの幕を下ろすことになったのです。今こそ共産主義世界だけでなく、自由民主世界も新たに救済されるべきときであることを悟らせてくれているのです。
このように、西洋を出発地とした資本主義と共産主義は、いずれもそれ自体が物質的価値に基礎をおいているため、精神と肉体を兼ね備えている人間の真の欲望を満たすことができず、その限界があらわにならざるを得なかったのです。そのため、今日の世界においては、精神的価値を強調してきた東洋社会の中心的役割が、絶対的に必要な時代になりました。歴史的にも、アジア大陸は世界の精神文明の産室となってきましたが、ついに今や東洋が精神的な主体として、世界史的使命を果たす時が来ているのです。今の時代が「アジア太平洋時代」と呼ばれるのもその意味であり、これは実に、「もう一つの歴史的大転換期」と呼ばれるようになるのです。
尊敬する女性指導者の皆様。過去半世紀にわたり、日本が産業を発展させ経済的に豊かになりながらも、日本社会がその歴史的価値を立派に守ることができたのは、女性たちが自発的に、献身的、犠牲的に家庭を守ってきたからであると私は思っております。事実、歴史的価値の中で最も重要なものは、家庭を中心とした価値観であると思います。
昔の諺に「家和万事成」という言葉があります。これはすなわち、家庭こそが平和の根本であるという意味です。
そして、このような家庭を築く上で最も重要な要素が真の愛です。真の愛とは、愛の中でも神様を中心とした絶対愛のことをいいます。すなわち、愛せないものまでも愛するのが真の愛なので、真の愛によれば怨讐までも愛さざるを得なくなるのです。さらに相手のために生命までも捧げる犠牲的な愛が真の愛です。そのため、真の愛のもとでは、個人はもちろん、社会や国家間の対立や葛藤さえも完全に超越し、溶かされて、真の平和が成就するのです。
この真の愛は、創造と繁殖と発展の原動力となります。つまり、すべてのものは投入すれば消耗し、終わってしまいますが、真の愛は投入すればするほど大きくなり、さらに増加して返ってくるのです。そのため、このような真の愛の中でのみ「永生」という言葉が可能となり、真の愛を実践する家庭と社会は永遠に滅びることなく発展するのです。
このような点から見ますと、私の夫である文鮮明牧師が教えてきた「ために生きる」という言葉は、平和な世界を建設する基本的な指針となるものです。このような真の愛の起源は、神様にあります。そして神様は、このような真の愛を実現するために人間を創造されたのです。