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Sunday Jul 10, 2022
平和経 第273話
Sunday Jul 10, 2022
Sunday Jul 10, 2022
16.道義世界の創建
日付:一九九五年八月二十日
場所:韓国、ソウル、奨忠(チャンチュン)体育館
行事:「世界平和青年連合」韓国大会
満場の内外貴賓の皆様、そして「世界平和青年連合」の会員の皆様と各国からお越しいただいた代表者の皆様。このような意義のある場で、私が本連合の創始者として祝辞を語ることになり、大変うれしく思う次第です。
昨年(一九九四年)七月二十六日、「世界平和青年連合」を創設して以来、本連合の発展のための会員の皆様の努力と御苦労に対し、この場をお借りして称賛の意を表します。皆様の労苦は決して無駄にはならないと私は確信いたします。今や青年連合は、世界平和と人類理想社会の建設のために先頭に立つ若者たちの、和合と統一の場となりつつあります。私は、人類の平和と統一の世界を開いていく良識のある青年たちが「世界平和青年連合」に集い、声援と支持を下さることを期待する次第です。
親愛なる「世界平和青年連合」の会員の皆様。私はきょう、「道義世界の創建」と言う主題のみ言を通して、「世界平和青年連合」の進むべき方向性について語りたいと思います。皆様も御存じのとおり、現代は重大な危機に直面しています。物質文明の高度化による人間性の喪失と道徳的堕落が極限の状況へと突き進んでいます。これは人類が本然の父母であられる神様に背いたところに起因しています。人間始祖の堕落によって、人類は神様を中心とした本心を失ってしまい、堕落した世界へと流されていっているのです。
善を指向する絶対価値と絶対中心の基準となる神様を知らずにいる人間は、闘争と憎悪と退廃と堕落の奈落にますます落ち込んでいかざるを得ませんでした。しかし、人類の父母であられる神様は、御自身に背いた人間たちを見捨てることなく、人類を救援するための摂理を続けてこられました。
数多くの預言者や聖人、そして宗教指導者たちをこの地上に送られ、人類救援の歴史を願ってこられたのです。二千年前に人類のメシヤとして来られたイエス様をはじめとして、仏教の釈迦、イスラームのムハンマド、儒教の孔子のような聖人たちは、人類を善の方向に導くために努力した人たちです。
歴史上存在してきた数多くの宗教が、根本的な面で善を指向しているのも、このような理由から理解できると言えるでしょう。しかし、数多くの宗教や思想が明滅を繰り返してきましたが、いまだに人類に真の平和や幸福を抱かせてくれる理想世界を建設できずにいます。これは、既存の宗教や思想が本質的な面で限界をもっていることを示唆するものだと言うことができます。
愛する「世界平和青年連合」の会員の皆様。このような限界状況をいかにして克服するのでしょうか。私たちは本然の理想を実現するために、神様の真の愛を中心とした心情文化運動を展開することによって、より良い世界を建設していかなければならないのです。青年時代に神様を知り、歴史の中で神様の目的を果たすために、疲れることなく、人類救援のための努力と情熱を投入してきた私は、若者である皆様がこのような神様のみ旨を相続し、真の父母に似ることを切にお願いする次第です。そして、このようなみ旨を成就するためには、まず「神主義」と「頭翼思想」で世界平和と祖国統一を指向しながら、人類の繁栄と幸福のために先頭に立たなければなりません。
私たちがあまりによく知っている統一に関する問題は、そのような面から一番先に解決すべき課題です。民族が解放されて以来五十年が過ぎましたが、韓半島は、依然として分断された姿で残っています。
最後のイデオロギーの象徴とも呼ばれているこの韓半島の分断は、今や私たち韓半島だけの問題ではなく、世界の問題に拡大しています。そうかと言って、統一を成就する力や方法を準備しないまま、スローガンだけを叫んでいてはいけません。
韓半島が南北に分かれたのは、我が民族が望んだからではなく、米ソ両国と中国と日本などの周辺強大国の影響によるものです。したがって南北統一は、アメリカ、ソ連、中国、日本などが、我が国を分断させたまま国際秩序を主導していく既存の状況を変えないことには、成し遂げられないのです。すなわち、韓半島の統一に対して周辺強大国が協力できるように韓国の主体的影響力を養わなければならないということです。これが正に一九九一年十一月末に、私が平壌を訪問した理由です。
今や南北統一は、この文総裁が築き上げた国際的な基盤と影響力を抜きにしては論議できない段階に入っています。なぜならば、北朝鮮も、このような私の活動の力量をよく知っているからです。最近では、北朝鮮当局が積極的に参与できるよう、統一に対する様々な方面にわたって信頼を築いてきています。民族に対する「神主義」と真の愛で北朝鮮の同胞を兄弟のように接し、父母の心情で彼らが必要とする経済援助のために多様なプロジェクトを推進しています。
金剛山開発計画、軽工業産業の育成支援計画、定州平和公園造成計画など、すべてが我が民族の統一のための基盤を築いていく事業です。特に定州平和公園造成計画は、私の生まれた生家を中心に造成されるのですが、北朝鮮当局は既にそこを聖地に指定し、途方もない広さの土地を貸すなど、聖域化事業に積極的に協助しています。
愛する青年連合の会員の皆様。統一とは何でしょうか。それは、真の愛を中心として、相手と条件なく一つになることです。相互間に信頼を与えることができる真の愛の実践運動を通じて、統一に向かう最も具体的な方法を提示しなければなりません。このような原則のように、我が民族の統一も、神様の絶対的真の愛を通して南と北が互いに和解し、協力して、一つになる道に進んでいかなければなりません。これは、私たちが北朝鮮に対して無条件の投入と支援を推進している理由でもあります。また、私は、中南米の数十ヵ国を訪問して各国のトップと会い、南アメリカの統合と支援を約束しました。これは、南北アメリカを統合し、旧教と新教を統一し、世界平和統一の基盤を造成するための一環として行われているのです。
今後「世界平和青年連合」は、祖国統一の成就のために先導的な位置に立って進んでいくと私は確信します。
皆様は、祖国と世界が一つになるよう、良心ある青年として先頭に立ってください。良心的で悟りのある青年だけが、歴史を変革し、人類をより善の道へと導く資格があるのです。私は、このような人間本性に一致する最も根本的な基準は良心であると思います。良心は、堕落した人類が本来の父母であられる神様を再び探し出し、より善の世界へと進んでいくための物差しです。人間は、良心の基準に従って善を指向することによって、人類理想社会を実現していくことができるのです。
歴史を振り返って見ると、数多くの預言者や聖賢たちが存在しました。しかし、彼らは外的な統一を成し遂げましたが、心と体の心身統一は成し遂げることができなかったので、根本的な限界に直面せざるを得ませんでした。しかし、今や神様の真の愛を中心として、真の父母がこの地に顕現し、真の家庭を築き、統一された理想社会を実現していきつつあり、これによって神様の救援摂理の主流圏を形成するようになりました。
真の父母様は、神様と人類を接ぎ木してくださる仲保者です。真の父母なくしては、人類が神様のもとに行くことはできません。真の父母は、人類を堕落から救援してくれる唯一の道を提示してくださる方なのです。皆様は、真の父母の意味を再度、胸に刻まなければならず、その方を迎え、その方に従って人類救援の摂理に同参する準備をしなければなりません。
愛する会員の皆様。私が「世界平和青年連合」を創設したのも、このような救世運動を繰り広げていくためです。そして、私の妻である韓鶴子総裁を立て、その陣頭に立つようにしました。韓鶴子総裁は、私の妻であり、十三人の子女をもった家庭の母としてだけではなく、「世界平和女性連合」の総裁として真の女性運動を主導しており、人類理想社会の実現のために全世界的な次元で熱心に努力しています。韓鶴子総裁は、去る一九九三年に全世界四十ヵ国巡回講演をはじめとして、国連本部、韓国、アメリカ、台湾各国での国会講演、韓国四十カ所大学講演など、数百回の講演を通して、人類の行くべき真の道を提示し、参席した人々から熱烈な支持と歓迎を受けました。
今後、「世界平和青年連合」は、創始者の意図により、韓鶴子総裁を中心として、南北統一はもちろん、暗闇の中にいる人類に真の救援の道を開くことができる真の光になると期待する次第です。そして全人類に、二十一世紀に対する新しい希望とビジョンを提示できる青年運動団体になることを希望します。人類を救援と解放に導く先駆者としての「世界平和青年連合」が発展していくためには、皆様の決意に満ちた努力が必要です。
「世界平和青年連合」の会員の皆様。真の愛とは、無限に与えてもさらに与えるものであり、与えたということさえも忘れてしまう自然な心情です。条件なく与えることが正に最も自然であり、貴いことにほかなりません。真の愛があるところに、人間の本心は反応し、真の愛があるところに、人間の良心はとどまることを望むのです。
私は、ここにいらっしゃるすべての方々が、このような真の愛の実践者となってくださることを願います。そうして全人類が「世界平和青年連合」と共に活動できるようになることもまた、心よりお祈りいたします。限りない真の愛の生命力が「世界平和青年連合」の名によって全世界に及ぶことができるよう、私もまた韓鶴子総裁と共に力強く前進していくでしょう。
既存のいかなる団体よりも、人間の本性により一層近く進んでいく真の愛と真の生命と真の血統により、道義世界の創建のために先頭に立つ若い青年たちとなってくださることを心から願ってやみません。
最後に私がお願いしたいことは、皆様が「世界平和青年連合」の真の主人であることと、青年連合を皆様自身そのもののような存在と思っていただきたいということです。このような召命と実践が一致するとき、皆様は間違いなく、「世界平和青年連合」の会員として生きてきたこの時期を大いに誇り得る日がやって来るでしょう。皆様のすべてに神様の祝福と恩寵が共にあることを願います。ありがとうございました。