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Thursday Sep 01, 2022
平和経 第335話
Thursday Sep 01, 2022
Thursday Sep 01, 2022
13.世界と南北の統一は真の愛で
日付:二〇〇〇年二月十日
場所:韓国、ソウル、オリンピック公園体操競技場
行事:「二〇〇〇世界文化体育大典」開会式および真の父母様御聖誕八十周年記念式
世界と南北の統一を熱望する内外の貴賓、そして紳士淑女の皆様。今、正に始まった新千年紀は、分裂と葛藤の前世紀の遺物が清算され、和解と統一の地球村、一つの家族の理想が実現される時です。皆様の各家庭に、新千年紀の祝福が共にあることをお祈りいたします。
初めに、私の八十歳の誕生日を祝賀してくださるために、世界と全国の各地からお越しくださった皆様に心から感謝申し上げます。何よりも、この日まで見守ってくださり、共にあってくださった神様に、このすべての栄光をお返しいたします。私の過去の生涯を振り返ってみるとき、一時も平坦な時期はありませんでした。韓半島を取りまく列強の狭間で、あらゆる苦難の道を歩んできた民族の受難史とともに歩んできました。私は、十六歳(数え)の少年時代に、祈祷をしている最中、突如として天のみ旨に接し、それから生涯を通して神様のみ旨を成就するために、全身全霊を尽くしてきました。その中で、人間の不幸の根本原因は、人類始祖が堕落することによって霊的無知に陥り、神様との関係が断絶された結果だったということを知りました。それによって私たち人間は、神様と人生、そして宇宙の根本問題などについて無知に陥ってしまったのです。
これまで私は、世界各地の公式の場で、一万回以上にわたり、み言を通して「神主義」に立脚した真の人生観、世界観、歴史観を提示してきました。これは、世界十二ヵ国の言語に翻訳され、既に三百巻以上の書籍として出版されています。これは、文献による総合的な研究や、学問的な探求の結果として解明されたものではなく、有形と無形の世界を自由に行き来しながら、原理的で根本的な答えを説き明かしてきたものです。きょう私は、この意義深い場を感謝しながら、我が民族の宿願であり、世界の冷戦の最後の決算と言える韓半島の統一問題を念頭に置いて、その方案に対する根本的な解答として「世界と南北の統一は真の愛で」という題目で、お話ししようと思います。
人類歴史は蕩減復帰摂理歴史
我が国の統一は、単に国土の統一だけでなく、これは、堕落によって分かれた人間の心と体の統一問題から始まり、東西の二大世界に分かれた全世界の統一のためのモデル的路程です。したがって、この問題は、神様の救援摂理史的な側面から理解しなければならない事案であり、したがって、摂理的な次元で解いていかなければならないのです。人類歴史は、人間始祖が堕落によって失ってしまった本然の世界を、再び取り戻すための蕩減復帰の摂理歴史です。ですから、歴史は、神様の創造理想の実現を目標とした、サタン側と天側との間で起こる善悪闘争の歴史なのです。
歴史の背後ではいつも、善の側には善霊が協助し、悪の側には悪霊が協助してきました。人間の堕落によって始まった分裂の歴史は、家庭、氏族、民族、国家、世界へと範囲を拡大しながら、結果的に人本主義と神本主義の根幹となった無神論と有神論の対決として現れたのです。
二千年前、ユダヤ民族がイエス様を受け入れていれば、イエス様はユダヤ教を基盤として、ユダヤの氏族と民族を統一し、十二支派の子孫たちが住んでいたアラブ圏を統一していたでしょう。さらに、イエス様の思想が中東地域とインド地域を経て極東にまで伝播され、一方では、ローマ帝国と全ヨーロッパを掌握し、イエス様の時代に統一された一つの世界が成し遂げられていたでしょう。最終的には、イエス様を中心として一つの新しい宗教文化圏を形成し、万王の王にならなければならなかったのです。しかし、イエス様が十字架にかけられたのち、外的な肉身を中心とした文化圏である人本主義のへレニズムが先に発達し、ローマの中心文化を形成しました。
一方、内的な心の文化圏である神本主義のヘブライズムを代表するキリスト教は、四百年の間、ローマからあらゆる迫害を受けたのです。
人間始祖の堕落によって分かれた善と悪の闘争歴史の背後で、サタンは今、何を狙っているのでしょうか。神様をはっきりと狙っています。永遠、不変、絶対、唯一であられる神様が、太初に理想とされた基準も、永遠、不変、絶対、唯一でなければなりません。サタンはそのような神様の絶対的なみ旨を破壊しようとするのです。
神様にお尋ねしてみれば、神様は、その事実を認められるでしょう。サタンが神様に、「神様!最初に、私を天使長として立てられたときには、一時的な愛で立てられましたか。それとも、永遠の愛のために立てられましたか」と質問するならば、神様はどのように答えられるでしょうか。神様は、「永遠に愛するために立てた」と語られるでしょう。一時的な愛で立てたとするならば、一時的な愛の神様となります。永遠に愛するという基準をもたなければ、いつかは、サタンの前に神様の権限を行使できなくなるのです。ですから、神様は、サタンがどんなに反対しても、彼を愛したという条件を立てざるを得ないというのです。
サタンを自然屈伏させるための神様の戦法
それで、神様は悪に対しては「無抵抗主義者」なのです。それはどうしてでしょうか。神様は、この地球上に天国理想の世界を成就する時まで、いかなる環境の中でも、堕落してサタンになった天使長を愛さなければなりません。神様は、サタンがいくら暴れ回ったとしても、罰したり、打ったりすることができないのです。いかなる状況でも愛したという条件と基準を立て、サタン自身が「ああ、本当に神様は神様であられます。降服します」と告白しない限りは、神様は、完全な勝利を果たすことができません。それが問題なのです。神様がそのようにサタンを愛することによって屈服させることが、復帰原理的な道であるならば、神様の子女である私たちも、その道を歩まなければなりません。世界的に迫害を受けても、世界的な怨讐圏に立っても、彼らを愛したという条件を立てなければなりません。このような側面から、悪を自然屈伏させようとする神様の戦法は「怨讐を愛せよ!」というものでした。言葉は簡単ですが、今までこれが神様とサタンの間で勝敗を分ける境界線となってきたことを誰も知りませんでした。
神様がサタンを敵や怨讐とみなし、彼に対して復讐しようという思想をもったとすれば、絶対に勝利の絶頂を占有することはできません。反対に神様は、「怨讐を愛せよ!」と言って、愛の作戦を展開してきました。神様のひとり子であるイエス様は、サタンが役事(働き)して自分の命を奪おうとする怨讐に対して、「彼らを赦し給え」と祈ったことは偉大なことです。もしイエス様が十字架で死んでいかれながら、怨讐に対して敵愾心を抱いたならば、摂理は逆転していたでしょう。福を祈る、愛する心をもって死を克服したので、サタンが自然屈伏したのです。
永遠に、神様の子女として残ることができる資格が、そこで生じたのです。サタンもこれを是認し、「あなたは、本当に神様の息子である」とサインするのです。ですから皆様も、神様のみ前で、「サタンよ、私は神様の息子であることに間違いないだろう」と問えば、「はい、間違いありません」と答え、それだけではなく、「神様の息子として相対圏を拡大していくであろう。個人から家庭、氏族、民族、国家、世界圏に拡大するのに異議はないだろう」と言えば、「はい、それは原理と原則なので、仕方がありません」と答えるように行動しなければならないのです。
神様は、このような条件に従って、キリスト教文化圏を中心として摂理を推進してきました。犠牲の道、殉教の場、血まみれの境地においても、神様を愛し、怨讐までも愛する運動を展開してきたのです。私たちは、家庭、社会、国家、世界においても、この運動を展開しなければなりません。キリスト教の愛の精神によって、激しく迫害を加えてきたローマ帝国が屈服しました。キリスト教は、そのようにして世界的な宗教になりました。これまで、クリスチャンは、個人的な怨讐だけを考えてきたのですが、そうではありません。怨讐国家や、さらには怨讐世界も愛さなければなりません。
怨讐国家の中心に天国の出発点があるので、そこに真の愛の伝統基盤をつくって出発しなければ、地上天国は成し遂げられません。このようにして、伝統が立てられれば、これ以上の思想、これ以上の消化すべき主義は生じません。韓国が日本帝国主義治下にあったとき、韓国を含めた日本、ドイツ、アメリカの主要摂理四大国家は、互いが怨讐の関係でした。その当時の状況では、日本と韓国が怨讐同士であり、日本とアメリカが怨讐同士であり、アメリカとドイツが怨讐同士だったのです。
私は、このような怨讐関係にあった日本人とドイツ人をアメリカに連れていき、「アメリカが神様を無視して失ってしまえば、滅びて死んでしまうので、アメリカを活かさなければならない」と言って、真の愛の道理を実践しました。日本人やドイツ人に、「敵対関係のアメリカを、自分の祖国を愛する以上に愛する伝統を立てなければ、天の願う新しい世界理念を立てることができない」と強調し、真の愛の伝統を教えたのです。
怨讐の関係である国家を、自分の祖国以上に愛する基盤と伝統を築かない限り、この地上に天国は顕現できません。このような歴史的伝統の樹立は、神様の真の愛の中でのみ可能なのです。
私は、アメリカ連邦政府から屈辱を受けながら、罪なく法廷に立ったとき、アメリカの未来を心配しながら保守紙「ワシントン•タイムズ」を発行したり、放送局を設立させたりするなど、むしろアメリカのために、あらゆる努力を尽くしたのです。近来では、共産主義の没落以降、ロシアと中国の未来を心配し、数十種類に及ぶ各種の教材を出版して、青少年を中心とした倫理教育に多くの支援をしています。