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Friday Oct 14, 2022
平和経 第365話
Friday Oct 14, 2022
Friday Oct 14, 2022
11.二十一世紀における大陸国家の役割
日付:一九九六年八月三十日
場所:アメリカ、ニュージャージー州、シコーカス•ヒルトン•ホテル
行事:「世界平和大陸国家連合」創設大会
尊敬する北アメリカの代表であられる参加者の皆様、そして紳士淑女の皆様。人類の福祉増進と平和世界の実現のための皆様の労苦に、心からの感謝をお捧げいたします。
私は、二十世紀も残すこと四年余りという現時点において、この会議が、平和世界のための私たちの希望を明快にして拡大させる、有益な討論となることを願います。私はまず、世界平和実現と究極的な人類の理想に対する私の見解を皆様と共有したいと思います。
「統一原理」の宣布と世界宣教
私は韓半島で育ちました。韓国民族は、理念と資源の問題を中心とした世界の列強たちの角逐(かくちく)により、多くの苦痛を受けました。幼年期以後、私は人生と宇宙の根本問題に対する答えを探すため、必死の努力を続けてきました。そして、神様に対する私の経験を通し、生きておられる神様を知りました。
また、神様が歴史の中で人類と共に摂理される真の愛の主人であることを知るようになりました。私は、神様が罪悪と対立、戦争がはびこる世界を計画し、創造したとは信じられませんでした。青年時代の経験について長々とお話しする時間がありませんので、きょうは簡潔に、その当時の真理追究に対する私のあふれんばかりの情熱についてお話ししたいと思います。
私は、「統一原理」として知られている統一教会の教えをこの地上に提示しました。しかし、このような教えは簡単に得られたものではありません。言うまでもなく、私は神様と霊界にいるイエス様、そして多くの聖賢たちと祈祷による十分な交流を通して原理の真髄を伝授されました。その啓示は、サタンとの決死の闘争を通して得られたものです。
私は、このような「統一原理」を教え、実践することに、自らの全生涯の一瞬一瞬を捧げてきました。そうして、「統一原理」に触れ、「統一原理」を通して生きている人たちが、今や百八十四ヵ国に広がっています。「統一原理」は、これに触れた人たちに、生きて働かれる神様と新しい関係を設定させることによって、人々の人生を変化させています。
神様の理想と人間完成
神様によって創造された私たち人間は、私たちの夢を成就し、神様との関係性の中で理想世界を実現する内的な希望をもって生まれました。それだけでなく、最も困難な条件下にあっても、人間は絶対に理想世界と平和世界のための希望を捨てません。私たちが理想世界について語るとき、私たちは、神様こそがその理想という概念の根本であることを知らなければなりません。
神様は、富と権力、名誉のために世界を創造されたのではありません。絶対、永遠、不変であられ、すべての存在の根源であられる神様は、既にそれ自体で満ち足りている存在なので、このようなものは必要ではないのです。しかし、神様は御自身の望みすべてが、既に満たされていると言うことはできません。
神様は、真の愛の本体として存在しているので、私たち人間と同様に、愛を与えたり、受けたりする対象が必要です。愛は、もっぱら主体と対象の関係があるところで経験することができます。いかなる存在も、孤立しては愛を感じることができません。
神様は、自由に愛を与え合うことのできる存在として人間を創造されました。人間は、神様の真の愛の対象となるように創造されたのです。神様は人間を御自身の息子と娘として創造したというのです。ですから、神様は私たち人間の真の父母です。神様が最初の男性であるアダムと最初の女性であるエバが、真の愛を中心として純潔なままで成長することを願われました。神様は、アダムとエバが真の人となることを望まれました。神様はこのように美しく奥妙な自然世界を、すべての生命が成長できる環境として創造されました。そして人間は、このような環境の中で成長したのです。
しかし、神様の主な関心は、人間の内的な人格の成長にありました。真の愛を経験することにおいて、神様は私たち人間が、神様の真の愛を体恤し、完全な存在に成長するよう計画されたのです。そして、神様は愛の力をいかなる力よりも強く創造されました。天の愛と法度の領域の中で、人間をして真の愛の力を経験させることによって、私たち人間が父母であられる神様にだんだんと似ていくのです。無限な真の愛を所有するために、私たちはまず責任意識を学ばなければなりません。
人間が真の愛を通して神様と一つとなったとき、人間は、神様に似た完全な人格体として、真の愛の完全な実体となることができるのです。そのような意味から、神様は人間の幸福の本質と生命であり、理想であると言うことができます。アダムとエバは、神様の愛の中で成長し、真の個人となり、真の夫と真の妻となって子女を養育することで真の父母になるようになっていました。人生の成長段階を通し、人間は徐々に神様の愛を経験します。
個人は、父母の愛を通して子女の心情を知り、兄弟姉妹の愛を通して兄弟姉妹の心情を、配偶者を通して夫と妻の心情を、そして子女に対する愛を通して父母の心情を知るようになります。
家庭は、このような四大愛と心情圏を確立する基盤になるのです。家庭は、愛と幸福、生命、そして血統の基盤です。私たちは家庭以外のいかなる所においても、このような四大愛と心情圏を経験することはできません。私たち人間は、実際的な経験を通してのみ愛を知るようになります。個人、家庭、社会、そして環境の真の完成は、家庭の中における真の愛の実現に基づいています。
世界平和と復帰摂理
今日の世界の現実はどうでしょうか。科学と技術の進歩、そして現代生活の便利さにもかかわらず、世界は人間性の喪失という深刻な危機に直面しています。無秩序とありとあらゆる種類の暴力と犯罪、麻薬の乱用、戦争などが人類を蝕んでいます。そして、離婚率の増加、若い世代の性倫理の崩壊と十代の未婚の母問題などを含めた家庭崩壊現象が、私たちの社会基盤自体を破壊しています。
私たちは多方面にわたって平和と幸福を探し求めてきましたが、私たちの中で誰一人として、自らの人生において成就した結果に対して満足できる人はいません。第一次、第二次世界大戦後に国際連盟と国際連合が、未来に発生する葛藤を解決するために創設されましたが、このような機構の国際的な努力や活動も、平和な世界を実現することはできませんでした。
各種宗教団体の努力もまた、幸福な世界を実現することに成功していません。共産主義の理念やファシストの幻想も、一つの世界を建設することには失敗しました。高度に進歩した技術や巧みな外交術もまた、私たち人類に平和と幸福の世界をもたらすことはできませんでした。これは、人類の不幸と苦痛の原因が、正に人間の堕落と神様に対する不従順に起因しているからです。ですから、このような根本原因を除去することによって、問題は解決されるのです。
アダムとエバは、彼らの成長期間の時に真の愛を蹂躙しました。彼らは、真の愛の理想の中で成熟段階に到達する前に、不倫の性関係を結び、子女たちを繁殖することによって、神様の原理から逸脱しました。アダムとエバが、彼らの愛する父母である神様を信じず、サタンに屈伏し、堕落したことによって、人類歴史は始まりました。このような行為によって、彼らは偽りの夫と妻となり、偽りの父母となりました。最初の家庭から始まり、このように相続されたものは、堕落の負の遺産であって、葛藤と苦痛を含んでいます。このような遺産は神様の創造理想とは無関係です。それをご覧になる神様はどれほどやるせない心情だったか、想像することもできません。
しかし、神様はいかなる代価を払っても、本然の真の愛と平和の理想を復帰しなければなりません。ですから、神様の救援摂理は復帰摂理なのです。このような復帰を果たすために、神様は宗教を創始し、善の版図を広げてこられました。
神様によって送られた救世主は、正にこのような復帰摂理を完成する責任をもって来られる方です。メシヤは真の父母として来られなければならず、問題の根源から始まったすべてを聖別しなければなりません。
イエス様は、真の父母の因縁をもって来られたメシヤです。イエス様は、この地の人類を復活させるために来られました。イエス様は、人類全体を真の人間として復帰し、この人類が互いに真の夫と妻となり、真の父母となることができるようにするためでした。
ところが、不幸にもイエス様は、この地の人間たちの不信によって、このような目的を完全に果たすことができなかったのです。しかし、イエス様は昇天する前に、この地上に再び来るという約束をされました。ですからイエス様は、神様の創造理想を完全に復帰するために、再び来られなければならないのです。