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Sunday Feb 04, 2024
御旨と海 第2話
Sunday Feb 04, 2024
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マグロの道
1980年 7月13日 ベルベディア
統一教会はアベルの役割を理解しているという意味で、極めて特別です。私がマグロ釣りをするために海の上でいつも過ごしているなどとは、この世は想像だにしないでしょう。だから、主題に入る前にマグロについて少し話してみたいと思います。もし皆さんがある魚を美しいと思うならば、マグロはすべての魚の中で美の女王だと考えなければならないでしょう。皆さんの中でマグロを見たことがある人は何人いますか。ほとんどの人達は見たことがないので、先生が話していることが分からないかも知れません。
マグロは速く泳ぐために完全な流線型になっており、速く泳ぐ時はすべてのひれを体にピタッと付けることができる唯一の魚です。それはコンコルドの概念と同じです。つまり離陸の際には翼を広げていますが、巡航速度の時には翼は後方へ閉じられます。マグロの腹びれはスピードを上げている時には完全に見えなくなり、表面は完全に滑らかになります。マグロは九十ノットの速さで泳ぐことができ、海の飛行機のようなものです。水の抵抗は空気抵抗よりも大きく、飛行機のデザイナーはもっと効率的な飛行機を考え出したいと思うならば、マグロを研究しなければならないでしょう。
マグロは一カ所にだけ住むのではなく、五大洋すべてを泳ぎます。もし海が幾つかの主権に分割されるようになれば、ビザが必要になってマグロは困ることになるでしょう。しかしマグロは世界の五大洋のすべての海を泳いでいます。さらにマグロは食料として良い、しまった体をしています。将来はマグロが世界の食料を供給するでしょう。
マグロ釣りは興奮とスリルが大きいのでスポーツ・フィッシングの王です。マグロ釣りは本当に漁師にとっての究極的な目標です。先生はマグロ釣りの技術を完成させることによって、このスポーツの極致に世界的レベルの関心を引きつけたいと考えています。マグロはとても賢い魚だから、それを捕まえるためには皆さんの方がもっと賢くなければなりません。海洋に大きな関心を抱いている人達だけが、この種類のスポーツ・フィッシングに意識を集中させることができます。こういうわけで、余裕のある人達はいつでもマグロに焦点を合わせています。この世の女性達はいつもダイヤモンドを持つことを夢見ていますが、スポーツの好きな人達はいつもマグロ釣りを夢見ています。マグロ釣りには、単なるスポーツとか趣味以上のものがあります。本当にそれは戦いです。だから先生は好きなのです。皆さんはその目標を追及し、勝利を勝ち取る準備ができていなければなりません。
大きなマグロは千ポンド以上もあり、普通の人の六、七倍の重さ、そして十三フィートから十四フィートの長さがあります。大きなマグロをニュー・ホープ号の船上に引き上げると、それは対角線上に一方の舷から他方の舷まで船一杯になってしまいます。マグロは釣り針と長い釣り糸で捕えられ、その戦いに勝つためには優れた技術と知識が要求されます。長い長い待ち時間の後、マグロが食い付いて来ます。その瞬間、皆さんは他のことはすべて忘れてしまうでしょう。グロースターにはマグロのシーズンが来ると、三百から五百の船が集まって来ます。人々は西海岸からパナマ運河を通り、何カ月もの間、航海してマグロ釣りのためにグロースターに集まって来ます。ある船は南アメリカからやって来ます。シーズンには最も裕福な人達と、最も有名な船がグロースターに集まって来ます。
漁師達は、女性達が最高の宝石を誇りにする以上に、自分達の船を誇りにしています。これらの船には四人の乗組員が必要です。皆さんにも、金持ちでなければそのようなゆとりがないことが想像できるでしょう。彼らはマグロ釣りの興奮を求め、そういった金と時間を費やしてそこにやって来るのです。五百隻のボートの船は、一日に五万ドル相当の餌を用います。マグロのシーズンは普通七十日間続き、餌だけでも三百五十万ドルかかります。もし一隻の船に三人の乗組員が乗るとして、一つの地域で千五百人となります。もし一隻の船が毎日五百ドル使うとすれば、七十日間でそれは千七百五十万ドルになります。これは毎年政府が認めているマグロの割当量の一部を得る機会を持つための投資ですね。
もし政府が千八百のマグロを割り当て、皆さんが千ドルで一本のマグロを売るとすれば、それでもたった百八十万ドルですね。言い換えると、マグロ釣りは金儲けの投資ではありません。マグロ釣りで何も損をしないというのは普通は無いのです。ほとんど不可能です。これらの人達がマグロ釣りに示す熱狂を見る時に先生が考えることは、もし彼らが魚釣りを愛するようにアメリカを愛するならば、ずっと前にアメリカは天国になっていただろうということです。もしアメリカがそういった心と魂を持っていたならば、どうして天国建設のためにそれを利用しないわけがあろうか、と先生はいつでも思っています。
マグロが餌に食い付いてくるまでの退屈な待ち時間の間、人々は不平を言い、争ったりするかもしれません。しかし一旦、マグロが噛みつくと彼らは瞬く間に一つになります。先生はまだそういった一瞬の内の一体化というものを、他に見たことがありません。それこそ先生が推し進めようとしている統一精神です。だからただそれについて話す代わりに、統一食口が全世界からやって来て、それを味わってほしいと先生は思っています。
男達が経験できないものとして子供を産む苦痛があります。女性達だけが体験を通して知っています。しかし、マグロ釣りは普通男性の世界の出来事で、女性がそれを理解することは難しいのです。危険で乱暴なマグロの世界はメーキャップとかマニキュアとか、宝石のような世界とは余りにもかけ離れています。漁師達は普通腰から上には何も身に着けていないし、真っ黒に日焼けしています。