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Wednesday Feb 07, 2024
御旨と海 第3話
Wednesday Feb 07, 2024
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先生は男性世界のあらゆる種類のスポーツを経験してきたけれども、マグロとの格闘程に興奮したスポーツは他に知りません。皆さんはそれをやりたいと思いますか。誰でもそれができるというものではないのです。生まれついてそういった性質を持たなければなりません。しかし、女性達もそれに関心を持つことができます。先生はアメリカの水産業がもう一度どうしたら繁栄できるかをいつも研究しています。だから先生は、グロースターにいる時はいつでもアメリカの若者達に関心を持たせる方法について計画を練っているのです。
マグロのシーズンはスポーツ・フィッシングのオリンピックのようなものです。だから先生は記録破りのマグロ捕り漁師になろうと決意していました。しかし、最初のマグロを釣るのに二十二日間もかかりました。その期間、何度も餌に食い付いてきたけれど、経験不足のために皆逃がしてしまいました。餌に食い付いてきた時の興奮を考える時、魚を逃がした時の失望がどういうものか、皆さんは想像できるでしょう。それから精神を建て直し、前進を決意します。太陽が一日の終わりに沈み始めると、もう少しそこに残って餌にもう一度食い付かせるために、太陽に沈まないように命令したい気持ちにかられるのです。皆さんには先生がどんな気持ちか本当には分からないでしょう。もし皆さんが何かの仕事とか、問題に取り組む時、こういった精神を持っていれば皆さんにできないことは何もありません。たとえマグロを逃がしたとしても、捕まえるまで試み続けなければなりません。それがマグロ釣りなのです。
先生が最初、マグロ釣りを始めたばかりの時、人々は新米と言って先生のことを笑いました。「三年間見てみよ。その間に何が起こるか知るだろう」と先生は考えました。この三年の間に先生が次々に記録を破り続けたのを見て、すべての本職の漁師達は驚いてしまいました。現在では彼らは自分達の世界に衝撃を与えているこの「新米」に恐れを抱いています。あらゆる名誉をとってしまうこのムーニー達をどう扱ったらいいのかと彼らは心配しています。彼らは我々があらゆる記録を打ち立てるのを見るのが我慢できないので、我々を打ち負かすために朝もっと早く起きるようになってきました。彼らは先生が朝四時半に出かけることを発見したら、さっそく三十分もっと早く出かけるように決定しました。しかし長続きはしませんでした。第一日目の後、四時にやって来たのは数人に過ぎませんでした。その間に先生は朝三時半に出発するようになりました。彼らがそれよりも早く出かけるように決意した時には、先生は二時半に出発するようにしました。
そんなに早く出かければ普通四時間待たなければなりません。マグロは、彼らの時間でいい時間通りに朝食を取りに来るからです。今では人はムーニーを打ち負かそうとするのを諦めつつあります。彼らは一貫性とハードワークの点で、我々と競争することはできないと知っているのです。面白いことに、すべての船がアンカーを降ろして漁をしていたとしても、必ず最初はニュー・ホープ号の餌に食い付きます。昨日先生が行った時には、最初のマグロが餌に食い付くまで四分しかかかりませんでした。
皆さんはこういう話に興味がありますか。女性達はどうですか。もし興味があるならば、皆さんはその世界に入るためにマグロ捕りの漁師と結婚しなければなりません。マグロ釣りの味を知らない者達は人生の味を本当には分かっていません。マグロへの関心がとても大きい時には、関係する人達の数は少なくなりますか、それとも多くなりますか。マグロ釣りの精神を味わおうという本当に男性的な性格を持った人は、海がどんなに荒れていようとも毎日出かけたいと思います。これが海の男達の基本的な態度なのです。このスリルと興奮を知れば、たとえ船酔いしてもそれでも皆さんは出かけて行きます。マグロ釣りは水産業を学ぶ最善の道なのです。
人々はより小さな船で釣りに行くようになり始めましたが、毎年より大きなものを釣って来ます。彼らは前年の最高記録を打ち負かすことを自分達の目標にしています。グロースターではマグロのシーズンが来ると興奮が膨らみ始めます。最高のチャンピオンつまりニュー・ホープ号のレバレンド・ムーンが必ず来ることを彼らは知っているからです。それは善なる競争であり、若者達はその目標と記録に挑戦したいだろうと先生は思います。もし先生が彼らのために挑戦目標を設定するならば、アメリカの水産業はある程度将来性を持つでしょう。
今日、誰もその精神を持たないから、アメリカ水産業はほとんどストップしています。アメリカの女性達は特別魚の臭いが好きなわけでも、海の生活が好きなわけでもありません。海と魚に関心を持っている女性は変わった女性です。一旦マグロとの戦いが始まれば、そこには礼儀とか挨拶といった余裕はなくなります。チームが編成されなければならないし、忙しいのです。そういう時には、漁師は自分の父親すら怒鳴り付けます。マグロとの戦いの熱狂の中で、自分の夫から蹴られても何とも思わない女性はまれです。統一教会の女性達はどうなのですか。
先生は金儲けのために釣りをしているのではないことは確かです。どの方向にでも動ける基盤を私は既に持っています。先生の目標は記録を破り、世界へ向かって海への人間の精神を示すことです。毎年先生が記録を打ち立てているので、今では、それが偶然あるいはまぐれでなされたものではないということを人々は知っています。人々はその秘密を学びたいと思っているので、先生に親切にしようとしています。他の漁師達は双眼鏡を持ってニュー・ホープ号の後を追います。そして先生の餌にマグロが食い付くと、全員の目が先生に注がれます。マグロ釣りに関心のあるグロースターの誰でもが、ニュー・ホープ号について知っています。
我々はグロースターに何か永続するものを確立したいと思っているので、最近そこにカトリック教会に属していた大きな地所を買いました。その家は今、全世界から人を迎え入れる準備をしています。もし我々のマグロ釣りに参加するようにそこに招待される人々があったとしたら、その人達はその招待を拒んだりはしないでしょう。市長は我々に対して否定的だけれども、そこに来て我々が何をしているかを彼に見てもらいたいのです。先生はその家を重要な外交上の基盤と見なしています。
グロースターは世界の主要都市であるボストンの近くにあるし、かつてはピルグリム達が上陸したプロビンス・タウンの近くでもあります。この国の精神はニューイングランド地区で生まれたのだから、そこは重要な場所です。それにアメリカの文化の中心で、また港としても有名な所です。だから、先生の精神を世界に示すための戦術的な場所でもあります。
最近我々は競売に出されていたマリーナ(波止場)を買いました。多くの人達は我々と競い合ったけれども、値段が上がり続けるので、すぐに皆競い合うのをやめてしまいました。市長までもがその波止場に関心を持ち、我々がそれを手に入れないようにと気をもんだほど立派な波止場です。数多くの会社が競ったけれども、先生はそれには注意を払わなかったのです。そして結局我々がそれを買いました。
今では我々はその波止場に加えて桟橋と地所を持っているので、グロースターはムーニー達の強い影響を受けています。その上、スポーツ・フィッシング産業全体が我々の影響を受けており、特に我々が今年行なった、十万ドルの賞金を第一位に与える世界マグロ釣りトーナメントの初めてのオープニングによって、影響を受けています。そのニュースを聞くと誰もがショックを受けました。けれども彼らはムーニー達が自分達の町にやって来るのをぜひ見たいと思うようになりました。グロースターの市民達、警察署長そして沿岸警備隊全員が興奮しているのです。十万ドルと聞いて会員の目が飛び出したほどで、急に彼らはムーニー達を余り気にしなくなりました。彼らはここ百年間のグロースターで最もエキサイトした出来事だと言っています。ボストン、グロースターそしてプロビンス・タウン全部がこのトーナメント基地になっているので、これらの町でも同様に話題になっています。一体誰が第一位の賞金を得るのだろうかと誰もが話しているけれども、先生は誰が獲得するか知っています。しかし、先生がそのトーナメントのスポンサーをするわけだから、その賞を先生が得るのはちょっとまずいのです。だから先生は名誉議長になり競争には参加するけれども、最高の成績を上げたとしても賞はもらいません。しかしムーニー達がもらえるのです。
最も重要なことは誰が第一位の賞を得るかではなく、どの船がそれを得るかです。我々食口が最も一生懸命に働いて、三つの賞金全部を得るようにと先生は決意しています。もし彼らが賞を得たとしたら、人々はどの会社が彼らの船を造ったか知りたいと思うでしょう。そして先生がそれらの船をデザインし、それを造った会社を創設したということを彼らは知るようになります。どういう種類の船がマグロにとって最も良いのか、最も詳細な点に至るまで先生が計画を練りました。昨日、先生は我々の工場へ行ってチェックし、どの部分が変更されるべきかを指摘しました。他の人々はこれらの船は先生が造ったものだということを知るようになるでしょう。