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Sunday Feb 19, 2023
真の父母経 第51話
Sunday Feb 19, 2023
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第三篇 公式路程の出発と「世界基督教統一神霊協会」の創立
真のお父様は、一九四五年八月十五日、韓国の解放とともに、復帰摂理のための公式路程を出発された。神様の解放と人類の救援、平和世界の実現に向けた大長征の始まりであった。何よりも待ち望んだ新時代が開幕したが、摂理の道には、形容し難い苦難が横たわっていた。真のお父様が新しいみ言を発表できない状況で、牧師や長老に会わなければならなかったため、彼らから摂理の新しい主人として認められるのは、ほぼ不可能なことであった。そのため、真のお父様は、神様と直接、交流できる神霊教団を訪ねていかざるを得なかった。当時、霊的なレベルが最も高い位置にいた金百文が率いる、イエス教会イスラエル修道院を訪ねていき、一九四五年十月から六ヵ月間、あらゆる精誠を尽くして奉仕活動をされたのである。金百文は、翌年の三月初めに、真のお父様について、「ソロモン王の栄光により来られた方」と証したが、その後は、侍って従わなかったため、真のお父様は、「これ以上、金百文を中心として神様のみ旨を成し遂げることはできない」と判断されそこを離れていかれた。
真のお父様は、このように韓国で摂理の基盤を築くことができなくなったため、北朝鮮の平壌に行きなさいとの啓示を受け、一九四六年六月六日、平壌に到着し、祈りによる精誠の祭壇を築かれた。平壌では、天の導きにより、篤実なキリスト教徒たちが集まり、彼らの伝道により、多数の礼拝参加者が来るようになった。しかし、教会員を真のお父様に奪われたと考えた牧師や長老たちの反対と告発により、真のお父様は、その年の八月十一日に、平壌の大同保安署に収監されることになった。そのような中でも真のお父様は、大同保安署で神霊教団の指導者と出会うことを知り、希望を抱いて入っていかれたのである。そこには、肉身再臨の啓示を受けていた腹中教の教主、許浩彬(孝彬)が捕らわれていた。
真のお父様は、許浩彬に、「私が誰か、祈ってみなさい。すべてのことを否定して出ていきなさい」と書いた紙切れを秘密裏に送ったが、彼女の不信によってその紙切れが看守たちに発覚し、共産当局の激しい拷問を受け、瀕死の状態で釈放された。結局、真のお父様は、朝鮮半島の南と北のどちらにおいても、キリスト教の指導者たちと神霊教団から反対を受けることにより、イエス様がユダヤ選民とユダヤ教の反対によって、四十日断食と三大試練を経たように、大同保安署での容赦のない拷問と、三大試練の路程を行かれるようになった。
その第一は、「主なる神の夫人」と語る朴ウルリョンを通した試練である。真のお父様は、僕の僕の位置から、神様の実体対象の位置まで上がっていく縦的八段階の蕩減復帰路程において勝利された。第二の試練は、霊界において、聖賢たちを中心とするあらゆる霊界の代表者たちを対象に、四十三日間にわたる真理闘争の路程であった。真のお父様は、血統転換、所有権転換、心情圏転換の三大主題についての熾烈な論争ののち、「文鮮明の主張が正しい」という神様の公認と御印を改めて受け、勝利された。第三の試練は、イエス様の使命継承者として再出発するため、イエス様が十二弟子を失って十字架の苦難を経たことを蕩減復帰する路程であった。真のお父様は、十字架にかけられた位置と同じ興南特別労務者収容所(興南監獄)で、十二人以上の弟子を復帰して勝利された。
特に真のお父様は、一九四八年五月二十日から二年四ヵ月と二十五日間、興南監獄で強制労働の苦役を受けることになった。興南監獄は、劣悪な食事と環境、苛酷な強制重労働により一年に囚人の四〇パーセントが死んでいくという、生き地獄だった。真のお父様は、そこで生き残らなければならず、言葉も行動も思いどおりにできない立場で、弟子たちを探して立てなければならなかった。伝道の方法は、天を感動させ、献身的な生活によって霊界を動員する道しかなかったのである。霊界にいる先祖たちが、収容所にいる子孫たちに夢のお告げや啓示を与え、多くの人々が真のお父様に侍り、従うようになった。
六・二五動乱の渦中、国連軍の上陸進撃により、興南監獄から九死に一生を得て解放された真のお父様は、昔の食口を訪ねるため、徒歩で十日間かけて平壌に向かわれた。最初に、獄中生活をする前に伝道された金元弼を訪ね、食口たちを訪問するようにされたが、彼らはみな、真のお父様の意向に従わなかった。四十日間の平壌滞在ののち、真のお父様は、金元弼と、監獄から先に出てきた足の折れた朴正華を自転車に乗せ、一九五〇年十二月四日に三人で平壌を出発し、徒歩で南下の道を歩まれた。
南下して五十五日目の一九五一年一月二十七日、釜山の草梁(チョリャン)駅に到着された真のお父様は、その年の五月十一日から一年かけて、『原理原本』を執筆された。そして一九五三年七月二十日、姜賢實を最初の開拓伝道師として大邱に送られたが、これが最初の公開原理宣布であった。
真のお父様は、一九五四年五月一日、ソウル北鶴洞の三つの門の家で、「世界基督教統一神霊協会」を創立された。協会の創立は、真のお父様が北朝鮮において蕩減路程を勝利した基盤の上で、キリスト教に代わるアベル的教団を立てたということであり、神様の復帰摂理が、協会を中心に新たに始まったことを意味する。