Episodes
Thursday Mar 09, 2023
真の父母経 第71話
Thursday Mar 09, 2023
Thursday Mar 09, 2023
2 統一教会が韓国政府に登録された当時、大きな争いが起きました。その時が一九六三年です。お父様はこのような日が来ることを知っていたので、これに備えた天的な基準を立てなければならないと考えました。それで、海外宣教を準備したのです。それは、アベルが拘束されれば、カインを立てて蕩減復帰できるように準備するためでした。昔は、カインがアベルを殺害しましたが、今や外国を中心にカインの祭壇を形成してアベルの祭壇を敬うようにすることができ、アベルの祭壇を救うことができるのです。そのような世界的な関係を結ぶために、追われに追われながらも外国に宣教師を送ったのです。冒険をしながら、アメリカに三人、日本に一人を送りました。
私たちは、反対する自由党の政権下で成長してきました。自由党政権は、統一教会がなくなるものとばかり思い、このように発展するとは思わなかったでしょう。このように成長するまでには、血のにじむ歴史と、皆さんには想像もできない内容があります。このような時であるほど、必ず国家的な弾圧があるので、それに備えるための内的な準備をしなければなりませんでした。このような責任を感じて、アメリカと日本に宣教師を送り、ドイツにも送ったのです。
3 私たちは、世界の前に作戦が必要です。もつれ合った世界を、真の父母を中心として立て直すことができなければなりません。世界的な蕩減復帰路程を越えていくべきときには、五パーセントの責任があります。私たちは、国家的基準を立てて世界の様々な国に宣教師を派遣しました。イエス様当時のイスラエルのような韓国で定着し、世界の中心だったローマのようなアメリカで定着しました。ですから、ユダヤ教とイスラエル民族に追われ、迫害され、悲しみに暮れたイエス様の事情とは違います。皆さんは、過去数年間にお父様が語ったことが、今になってどうなったかを知っています。私たちが億万のサタンと闘って死んでも、その亡骸がカナンの地に埋められさえするのであれば、それは栄光にならざるを得ないのです。
4 私たちは、韓国に対する使命だけではなく、世界に対する使命も果たさなければなりません。統一教会を発展させるために、お父様は自由党政権の迫害を受けながら、日本とアメリカに宣教師を派遣しなければなりませんでした。今とは違い、当時は韓国政府が迫害し、反対しました。ですから、宣教師を密航船に乗せて日本に送ったのです。しかし、お父様は神様の摂理から見ていました。もしそのようにしていなければ、今日のこのような勝利基盤は、絶対につくることができなかったでしょう。
5 大韓民国が生き残り、さらに、日本を生かし、世界を生かすためには、強力な宗教理念と思想をもって、日本国民を中心とした文化的中心都市、あるいは中心基盤の上にいかに定着化するかが問題でした。日本に行って糾弾されるのではなく、日本の人たちを教化して、いかに私たちが主体的な立場で定着化できるか、それだけが、未来において韓国が生き、日本が生きる道だと考えたのです。
日本に宣教に行ったその青年は、日本で身を潜める立場で統一教会を開拓しそれこそ新しい基盤を形成するようになりました。そうして、私たちは、国民的な運動よりも、何としてでも日本の為政者たちへの道を突破しようとしました。韓国を日本とアメリカに、何としてでも連結させなければなりません。こうして日本に影響を与えるために、統一教会は活動を始めたのです。
日本に宣教師派遣
真のお父様は、一九五八年五月三十日の早朝、忠南の鶏龍山・甲寺の裏庭にある松林で、崔奉春(日本名、西川勝)に二時間近くみ言を語られたのち、日本宣教師として派遣することを決定された。誰よりも日本を愛する心で、ただ日本を救うために、そのようにされたのだった。崔宣教師は、抑え切れない胸の高鳴りと感慨を抱いて、一九五八年七月十五日、釜山を出発し、いくつかの場所を経て広島の呉港に向かう航海の途中で、日本の当局に不法入国者として捕らえられ、収容所への拘束、病院への入院、病院脱出ののちに東京に到着し、その後、み言を伝えた。そうして、一九五九年十月二日、新宿区戸塚町二丁目八五番地で行われた最初の礼拝をもって、日本教会が出発したのである。
6 日本とお父様は、一対一で見れば怨讐です。日本統治下で、たくさんの拷問を受けました。しかし、神様は怨讐を打てとは命令されません。怨讐に着る物がなく、食べる物がなければ、「その人のために施しなさい」と言われるのです。ですから、お父様は、日本に崔奉春を宣教師として送りました。日本全体が反対し、韓国自体が反対することを知っていました。しかし、お父様は、数十年後にはそれが韓国のためになり、日本のためになることを知っていました。両国の国民が手を合わせて感謝する日が必ず来ることを知っていたので、いかなることがあっても日本に宣教師を送ったのです。
統一教会に対する弾圧が絶頂にある時、日本宣教師の派遣を決定しました。一人の人手も惜しいその時に、涙をこらえて日本に人を送ることには、誰も知り得ない苦悩があったのです。死を覚悟して成し遂げた業績は、日本の歴史上において消し去ることができない事実です。
今になって韓国は、お父様に対して感謝しています。神様は日本を愛しています。お父様も、日本の歴史上、誰よりも日本を愛しました。日本人以上に日本を愛するのです。神様が愛する日本であれば、日本人以上の心情で日本を愛さなければなりません。
7 日本は私にとって怨讐ですが、私が日本をどの国よりも愛することによって、今後、アジアで神様のみ旨を展開できる相対的基準になり得るのです。そのようにしなければ、主体国の前に、相対的国家を探し出すことはできません。日本には歴史的にそのような使命があるので、誰よりも愛する心をもち、日本を救うために借金しながら宣教師を送ったのです。それは、日本のためでした。
8 私たちが日本の宣教事業を開拓した時が一九五八年です。その時は自由党の政権下にあり、韓国と日本の国交正常化に激しく反対していた頃でした。そのような状況で、大韓民国が生き残るためには、どのようにしなければならないのでしょうか。
北朝鮮は、金日成主席を中心としてソ連と中国が後援する立場にあることは間違いないので、この難局を解決する一つの突破口を開くためには、日本を通していかなければならないと考えました。ですから、日本に宣教師を派遣して活動させたのです。その当時は日韓の間に外交関係がなかったので、大韓民国の統治下にある一国民として、日本に宣教師を派遣することは困難な時代でした。
9 私たちのみ旨が世界的なみ旨ならば、隣国の日本にもみ旨を展開すべき責任があり、世界の各国にもみ旨を展開すべき責任があります。ですから、私たちは受難の道を経ながらも世界に宣教師たちを送らなければなりません。世界的な責任を果たすにおいても、食べて余ったり、使って余ったりするからするのではありません。厳しい中でするのです。私たちが日本を開拓する時もそうでした。当時、借金をして宣教師を日本に送りました。なぜなら、日本を誰よりも愛したという条件を立てなければならないことを知っていたからです
宣教師を送り出す時、「あなたは滅びたとしても、日本を救わなければならない」と言いながら送りました。「死んでも行かなければならない」とせき立てたのが、ついきのうのことのようです。足もとに火がついて、自分の生活も厳しいのに、借金をしてそのようなことをするので、理解ができないというのです。このように、み旨の道は、良い時に平坦な歩みをするのではありません。
10 お父様は、日本に出発する宣教師に、「あなたが無事に到着するまで、眠らずにあなたのために祈り、あなたのために精誠を尽くすつもりだ。死んでも任務を果たすまでは戻ってきてはいけない」と言いました。
彼は、釜山を通って日本に着くなり捕まって、広島の吉浦拘置所に拘留されました。その後、いくつかの収容所を転々とさせられ、韓国に送還される身となりました。しかし、お父様から切符をもらい、命を懸けて行った男として、たとえ死ぬようなことがあったとしても、帰ることはできません。送還のために下関に向かう途中、列車から飛び降りようとしたのですが、速度が速く、トンネルも多かったので、それはできませんでした。そうして下関に着いて、送還されるのを待つだけという状況になりました。送還されればすべてが崩れてしまうのです。ですから、知恵を絞って、断食をしました。
一週間、十日間と断食をするので、熱病のようなものにかかって、医者から心臓病と診断されたのです。そうして治療するために病院に入院しているときに、逃げ出してしまいました。その後、伝道をして、日本統一教会の勇士たちをつくり上げたのです。
11 お父様は、日本に宣教師を送りました。天運は、人間がつくった制度と法を超越したところから訪れるのです。私は天運を知っているので、そこに備えようとするため、常に死が交錯し、苦痛が交錯し、迫害が交錯するところを歩んできました。人が望むままにしていれば、何の迫害があるでしょうか。そのようなときは相いれません。遮る時には遮るのです。ですから、統一教会員たちは、このような道を行くのです。
12 日本に最初の宣教師を送る時、私が頼んだことは、「誰よりも日本の人を愛しなさい。涙を流しながらも、追われながらも愛しなさい。追い回されながらも愛したということを、その人たちが証できる事実を残しなさい」というものでした。
他国の人として、日本民族がその国のために忠誠を尽くした基準を突破して越えていくようになるときは、その民族は頭を下げなければならないというのです。これが鉄則です。そのような立場で、収容所に引っ張られていっても、逃げ出して伝道を始めました。そのことを、現在の制度のもとでは悪く思うかもしれませんが、日本民族はいつまでも記憶にとどめるでしょう。当時は反対する立場で批判し、条件を挙げて反駁したかもしれませんが、歴史が過ぎるに従って、残した事情は、今後生まれてくる数多くの子孫たちを、涙とともに抱き得る動機の源泉になるのです。
アメリカに宣教師派遣
真のお父様は、一九五九年一月二日、食口たちと汝矣島(ヨイド)の臨時飛行機で、最初のアメリカ宣教師として派遣される金永雲を歓送された。金宣教師は、梨花女子大学の教職者として在職中の一九五五年三月、統一教会の信仰を理由に退職処分となっていたが、アメリカ宣教の使命を受けたのである。金宣教師は、アメリカに到着し、オレゴン大学に研究員として就職したが、学校をやめ、天の密使のような立場で伝道活動を行った。英語の原理教材を制作し、新しい真理と霊的体験を渇望する人々が集まる所を訪ねていき、原理を伝えた。真の父母様の精誠と金宣教師の活動により、アメリカ教会は、一九六二年九月十八日、カリフオルニア州政府に「世界基督教統一神霊協会」を法人団体として登録し、続く一九六三年四月には、アメリカ連邦政府から認可を受けた。
13 歴史は、同時性の時代を形成していくので、霊的理念を中心とした第二イスラエルが存在するようになります。今のキリスト教は、二千年前のユダヤ教の立場です。民主主義は、キリスト教を中心とした世界をつくらなければなりません。韓国はユダヤの国と同じ立場であり、アメリカはローマと同じ立場です。韓国のキリスト教は、内的イスラエルを代表する内的ユダヤ教の立場で、世界のキリスト教の縮小型であり、韓国は内的イスラエル国家の立場です。イスラエルがローマの属国だったように、韓国はアメリカから経済と文化の影響を受けています。
統一教会と韓国民族と韓国のキリスト教が一つになっていれば、イエス様当時のイエス様とユダヤ教が一つになれなかったことを蕩減できたでしょう。しかし、彼らが不信することによって、統一教会はイエス様のようにゴルゴタの道を歩むようになりました。それでも、私たちはここにおいて勝利しました。私たちの教会が、反対するキリスト教と闘って勝利した形として、登録許可が下りたのです。アメリカでも登録されたので、今や四位基台を中心として本然の家庭を取り戻すことができるようになりました。
14 私たちは、世界的な宣教事業を早急にしなければなりませんが、まずアメリカを中心とした宣教を早くしなければなりません。世界を見回すと、今はアメリカが世界の中心にならざるを得ません。経済的な面から見ても、政治的な面、軍事的な面など、すべての面でアメリカが中心になっています。
もちろん、ヨーロッパが西欧文明を築くのに開拓的な使命を果たしましたが、今は先導的な役割をアメリカに譲りつつあります。イギリスに行き、若い人たちを引き止めて尋ねれば、アメリカに相当憧れていることが分かります。イギリス人たちは、保守的な国民性をもっていて、自分の国について何かしら誇っていますが、彼らもまた、新たな立場で発展しているアメリカを羨ましく思いながら、アメリカに行きたいと思っています。それは、ドイツもそうであり、フランスもまた同じです。
このような観点から、すべての階層の人たちもそうですが、特に一般の青年たちは、いかにアメリカに追いつくか、ということに関心が高まっています。このように西欧のすべての国家の人々がアメリカに憧れているのを見れば、アメリカが先導的な役割を果たしていることが、実証的な結論として現れているのです。この先導的な役割をアメリカがどのように遂行していくのかが問題です。
15 アメリカに宣教に行った金永雲氏は、伝道をするとき、霊能者を訪ねていきました。「さあ、この本がどのような本か祈ってみてください」と言いながら伝道したのです。本当に高次元の伝道方法です。そして、「私が誰か祈ってみてください」と言ったというのです。彼らが祈ってみると、雷が落ちるようになります。「その方が門を開けて入ってくれば、姿勢を正し、敬拝を捧げてお迎えしなさい。その方にはお金がないから、支援してあげなさい」と教えてくれたというのです。統一教会は、アメリカでそのようにして出発しました。
16 お父様はアメリカに宣教師を、東部と西部、西北部に配置しました。東部には男性、西部には女性、西北部には男性を配置しました。東部の男性宣教師はアダム型であり、西部の女性宣教師はエバ型であり、西北部の男性宣教師は天使長型です。アメリカには、エバが先に来ました。エバが先に来てアダムの道を築き、天使長の道を築いて、三人を一つにする使命を果たさなければなりませんでした。お父様はそのように考えました。原理観がそうなのです。
彼らが一つにならなければなりません。三人がばらばらになれば、天使長国家の運命を左右することはできません。このような摂理のみ旨があるので、一九六〇年の患難時代にこのような作戦のもと、アメリカに宣教師を送ったのです。
17 今、アメリカが新たに覚醒する時が来たと考えます。アメリカの地に新しい夜明けが訪れなければなりません。皆さんは、アメリカにある全体の州に責任をもたなければならないのです。この州から他の州まで、皆さんの活動が拡張されなければなりません。たとえ皆さんの数が制限されているとしても、皆さん各個人がこの責任を完遂しなければなりません。もし皆さんがこの責任をやり遂げられなければ、どのようなことが起きるか分かりません。
皆さんが責任を果たせなければ、アベルの立場にあるアメリカは、カインの立場にある共産主義政権を通して苦難を受けるようになるでしょう。自由陣営全体が患難を受けるようになるのです。しかし、皆さんが責任を完遂するならば、民主主義を救うことができ、自由を構築することができるでしょう。