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Friday Nov 26, 2021
平和経 第38話
Friday Nov 26, 2021
Friday Nov 26, 2021
それで、自分の家庭が、神様のみ前に愛を中心として一体圏を形成し、天地父母の王に侍る標準的、定着的、礎石のような家庭であることを感じなければなりません。そのようにして、勝利圏を受け継いだ祝福家庭にならなければならないのです。
尊敬する指導者の皆様。人類は今や、独善と無知、そして利己心と憎悪を自ら反省し、神様のみ前に謙虚に頭を垂れ、天道に従わなければならない時に至っています。私は、いち早く神様の召命を受け、神様と人類が共に願う平和世界の実現のために生涯を捧げてきました。きょう、私はこの場において、平和に向かうための重要ないくつかの点についてお話ししようと思います。
第一に、私たちは、他のために生きる生活をしなければなりません。利己的な生活は、他人を不快にすることはもちろん、天道に逆らうものです。他のために生きることは、取りも直さず、神様の似姿になる実践なのです。
神様の真の愛を相続し、家庭と社会、国家と世界を愛することは、宇宙の基本秩序に順応することです。真の愛の実践を通してのみ、人格を完成した真の人間、真の父母、真の師、真の主人になります。そのようになってこそ平和を成し遂げる主体となるのです。
他のために生きることは、平和に向かう最初の関門になります。これと関連づけて、平和に至る道は、「神主義」と「頭翼思想」によらなければならないという結論を述べようと思います。「神主義」と「頭翼思想」とは、カインとアベルの葛藤を始原としたこの世の中にあるすべての葛藤の要因と思想とその結実を、すべて和合させ、包容できる思想であり主義です。
葛藤と憎悪の鎖を何によって断ち切るのでしょうか。憎悪に対するより一層大きな憎悪は、かえって恐ろしい憎悪と破壊を呼び起こすだけです。これは、平和に向かう道とはなり得ません。対立し、仲たがいする双方の葛藤要因は、ただ真の愛によってのみ感化され、教育され、包容されるのです。
神様を中心に立てた真の愛は、国境に阻まれることのない超国家的なものです。また、真の愛は、宗教の高い垣根も乗り越え、人種差別もない超宗教的、超人種的なものです。神様の理想を中心とした相対のために生きる真の愛の感化力、生命力によってのみ、地球星の左右、前後、上下、内外の様々な葛藤と対立の要因がすべて克服され、永遠の平和理想世界が成し遂げられるのです。
第二に、平和な世界と国家を形成する基礎単位である真の家庭を完成することです。既に言及したように、対立、葛藤の根は最初の家庭にあったのであり、したがって理想的な真の父母の家庭が生まれない限り、平和世界の起源はあり得ません。
これと連係して、私が世界的に展開している国際祝福結婚は、単純な一宗教団体の結婚儀式ではありません。神様の愛の伝統を立てる救国、救世の運動です。青少年たちに対しては婚前純潔運動を展開しています。
そして、成人すれば、神様の真の愛を中心に夫婦間の絶対信義と貞節の誓約のもとで祝福結婚をする運動です。真の愛を中心として、真の家庭と真の父母を成し遂げる神聖な運動です。このような理想のもとで教育を受け、結婚した家庭は、エイズを脅威に感じる理由がありません。彼らにとって、エイズの予防は風邪の予防よりも簡単なことです。
世界のすべての若者は、このビジョンによって教育を受けて実践すれば、エイズは完璧に予防されるのです。真の愛の家庭は、家庭の崩壊を防ぎ、国家と世界に平和の礎石を据えるのです。特に、政治的、歴史的に不和であり怨讐関係にあった国家間の人々が、その高い垣根を越えて、姻戚関係、真の愛の関係を結ぶようになれば、和解の幅は国家を超え、人種を跳び越えるものになります。
真の平和へと向かう高次元の公式は、不和と怨讐の関係にある家門、さらには怨讐国家の子女たち同士で交叉祝福結婚をし、天地が願う真の愛の真の家庭完成の祝福圏を成就させることです。ここから、神様と人間が願う永遠の平和世界が出発する、そのような始原になるのです。
第三に、超宗教的な和解と協力は、平和世界へと向かう必須条件です。私はこの五十数年間、超宗教的な和合と対話のための運動のチャンピオンとして活動してきました。常に自らの教団の発展よりもはるかに多くの予算を支援しながら、休むことなくこの運動を進めてきました。
変わることのない、このような愛の実践は、たやすいことでしょうか。決してたやすいことではありませんでした。教団問の和解と協力がない限り、世界平和は期待できません。神様の理想である平和世界への案内者には、宗教指導者と信仰者がならなければならないのです。
もし、宗教が偏狭な教派主義ばかりを強調し、宇宙的な真の愛を教えることに失敗すれば、人類は葛藤と戦争の恐怖から自由になることはできません。ですから、地球星の危機の前に、宗教指導者たちは、謙虚に神様のみ旨に従い、超宗教的に手に手を取り合って、真の愛を実践していかなければなりません。
宗教の感化力によって安らかな人格が創出され、自己主管力が養われ、歴史的な憎悪と怒りを消化するところから、真の平和と安定がもたらされます。もし、各教が教理や儀式の違いを超えて、神様の高い理想のもとで互いに愛し、協力し、奉仕し合う姿をこの世に見せてあげるならば、世界は劇的に変わるのです。
第四に、平和世界を成し遂げるための国連の正しい役割を再度強調したいと思います。国連は、代表的な世界平和機構として、これまで多大な貢献をしてきましたが、創設時とは大きく変わってしまった世界の事情を考慮し、多元化した地球星の問題解決のために、昨年、私の考えを国連に提案しました。その提案の一つは、国連内に上院のような特別機構を補強し、宗教的、霊的、道徳的、思想的次元から世界の問題を審議させるというものでした。
国連が、国家の利益に基礎を置いた政治や外交の力によって運営される次元を超えて、地球星的な理念と神様の高い理想のもとで運営される機構にならなければなりません。そうしてこそ、万人の権益を保護し、平和世界を創建していくことができるのです。
国連だけでなく、今後の世界秩序は、政治主権が道徳的、霊的価値と別個に作用しては、公益と平和を保障することが困難です。神様の理想に基づき、宇宙の公法と通じる霊的、道徳的高次元の指導力が要請されるのです。政治力やそのいかなる力も、神様と天理の上に立つことはできません。
また、国連は、非政府民間団体であるNGOの意見を多く取りまとめていかなければなりません。私が世界NGO連合である「WANGO」を創設した理由もここにあります。すべてのNGOは、より一層対話し、協力しつつ、本来の創設精神を失わないようにしなければなりません。利己的で偏狭にならないように努力しながら、世界のために正しい奉仕を続けてくださるようお願いする次第です。
尊敬する指導者の皆様。自ら実践することなくして平和を語ることは、真の指導者の道理ではありません。また、何もしないで平和を待っているだけの余裕がある世界の状況でもありません。
平和大使たちはもちろん、私たち全員が平和運動の主体になって、必ずや平和世界を創建しなければなりません。国連をはじめとするすべての国際機構が、平和大使館を中心として、歴史的宿願である世界平和理想国家の建設運動に積極的に協力、支援するようになることを祈ります。
各界各層の指導者である皆様が一心一体となり、共に他のために生きることで、真の愛の家庭理想を実践し、天運の協助を受ける平和の先駆者となりましょう。統一された祖国と平和の理想世界を建設する働き手になりましょう。神様の祝福が皆様の御家庭に共にあることを祈ります。ありがとうございました。
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Thursday Nov 25, 2021
平和経 第37話
Thursday Nov 25, 2021
Thursday Nov 25, 2021
尊敬する各界の指導者の皆様。皆様は、今日の世相を見渡すとき、また、若者たちに対するとき、何を感じるでしょうか。希望に満ちた明るい未来ばかりを感じますか。日ごとに増加する若者の犯罪率、暴力と麻薬乱用、不倫と退廃、十代の未婚の母問題と価値観の混乱など、未来社会を否定的に予測し、苦悩することが多いはずです。
なぜ若者たちが、このようになったのでしょうか。より優れた学校教育や制度と環境の改善も、部分的な解決策とはなるでしょう。しかし、根本の根はそのようなところにはありません。真の愛の最初の家庭を失った人類が、歴史の結実期を迎える中で、家庭が安定性を失って崩壊しているところに、その原因があるのです。
家庭の崩壊現象は、一つしかない愛の学校が破損したも同然なので、その否定的波及効果は、途方もなく大きいものです。社会的に様々な不安要因となることはもちろん、国家的、世界的に多くの問題を併発させます。
特に青少年には、情緒的不安を与え、人生の座標を変えさせ、脱線と放縦の生活への直接的な原因にもなります。結婚忌避の風潮や離婚率の増加など、家庭基盤が急速に崩壊していく現実の問題は、あすを憂慮する指導者が先駆けて、必ず解決しなければならない課題であると言えるでしょう。
神様の第一祝福と第二祝福を失った人類は、神聖で永遠な夫婦の愛を完成するという、真の愛の個体完成の重要性を知ることができませんでした。ほとんどの青少年たちは、婚前の純潔と真の愛の人格に対する徹底した教育を受けることができていません。喜びと幸福と理想の根本である真の愛の価値を知らないのです。夫婦間の信義と貞節が軽んじられ、結婚の神聖さが無視される風潮の中で、人類社会は途方もない悲劇と災いを内的に蓄積してきているのです。
また、男女間の愛が、刹那的で、肉欲的で、享楽的な方向にばかり走る、いわゆるフリーセックスと世俗文化の中で、真の愛は立つ場がなくなってしまいました。急速に拡大するエイズと性感染症(STD)は、人類の生存自体を脅かしています。エイズからの安全地帯はないとも言われています。
今、世界を震撼させているテロリズムよりも恐るべき脅威が、安全地帯もなく、私たち全員の間近に迫っているというのです。一度、感染すれば、幸福も理想も生命もすべて放棄しなければならないという、この途方もない地球星の災いを解決できずに、どうして私たちがこの時代の指導者だと言うことができるでしょうか。
また、「万物を主管せよ」という神様の第三祝福の前でも、人間は真の愛の管理責任を果たすことができずにいます。もし、自然が人間の虐待に対して反抗し、人間を拒否するとすれば、どのようになるでしょうか。既にそのような兆候が現れているではありませんか。生態系と自然環境が、無言のうちに人間の傲慢さに対して懲罰を与える前に、人間は、真の愛の人格を回復し、万物の前に現れなければなりません。
尊敬する各界の指導者の皆様。今日の問題をもう少し根源的に掘り下げてみるために、神様の創造理想を中心として、真の「私」と「私たち」の関係について考えてみようと思います。
人間は堕落によって、真の「私」の位置を探し出すことができなかったので、神様も「私たち」という言葉を使用してみることができませんでした。創造理想的意識圏内に立つことのできる神様御白身が「私のもの」、「私の子女」と言える関係を結ぶことができなかったのです。したがって、私たちがもっている「私」という概念は、神様の本来の創造理想とは何の関係もないものなので、私たちは自らを完全否定しなければなりません。
神様は、御自身が安心して「私たち」と呼ぶことのできる真の男性と真の女性、すなわち神様の真の息子、娘を探し求めて復帰摂理をしてこられました。言い換えると、神様は、愛の主体、生命の主体、血統の主体であられるので、永遠に一体不可分の基準に立っている真の息子、娘を探し求めてこられたのです。ですから、私たちは、まず心と体の統一によって個人完成し、その基盤の上で神様と父子間の縦的関係を樹立しなければなりません。
しかし、縦的な関係だけでは「私たち」という言葉は成立しません。そこには必ず横的な関係が共に調和しなければなりません。したがって、男性と女性が、真の祝福結婚を通して真の夫婦関係を結び、真の子女を生んで真の家庭を立て、三代を中心として四位基台を完成してこそ、天は家庭単位で「私たち」と呼ぶことができるようになるのです。
それでは、私たちは、どのようにすればそのような位置まで進むことができるのでしょうか。神様は、心と体が完全に一つになった立場で万物を創造されました。それは、絶対愛と絶対信仰を中心とした絶対投入でした。
そこには、御自身の利益や事情を考える余裕などありません。完全に一〇〇パーセント与えては、また与える、ために生きる愛の始原が正にここにあったのです。
私たちの家庭においても同様です。神様の立場にいる父母は、真の愛を中心とする「正分合」の論理から見れば、「正」の立場で完全投入、絶対投入することにより、子女を生み、養育して、縦的な「私たち」の軸を立てなければなりません。
そして、横的には、夫婦が「分」の立場で、真の愛を中心として完全一体になって横的な軸を立てるようになれば、子女たちは「合」の立場で、自動的に縦横の軸に合わせて一つになりながら、兄弟間には前後関係という、また別の軸が立てられるようになり、その時に初めて縦横と前後で完全な「私たち」の概念が実体的に展開するのです。
ですから、家庭が大切なのです。家庭こそ、天が私たちに与えてくださった最も貴い贈り物です。家庭という環境がないとすれば、私たちは、いかにしてこのような絶対的基準の「私」を探し出し、縦横や前後で完全な「私たち」というものを考えてみることができるでしょうか。家庭こそが、愛と平和と幸福の揺籃なのです。
それでは、真の「私」は、どこから探し出すことができるでしょうか。ために生きる真の愛を実践する生活においてこそ、それは可能なのです。自分を完全に否定し、家庭のために生き、国のために生き、世界人類のために、そして神様のために生きるようになれば、真の「私」は自動的に探し出されるのです。
私たちは自らを前面に立て、自分をむやみに主張してはいけません。非常に長い歴史の裏街道で、真の「私」を主張する子女を探し求めて、恨に絡み合った復帰摂理をしてこられた神様の心情を少しでも知るならば、むやみに自分を主張できないはずです。私たちは、寝ても覚めても理想家庭の完成のために生きなければなりません。神様の創造本然の世界である平和世界、神様が千年、万年待ち続けてこられた理想家庭さえ立てたとすれば、それが正に地上天国の出発地となるでしょう。そこにおいて、かわいそうな神様の恨を解くことができるようになるのです。
皆様、太陽を見つめても恥ずかしくなく、海の水を見てもやましくなく、万物の前でも一点の隠し事のない真の自分を取り戻し、神様が「私たち」と呼んでくださる家庭を立てましょう。
そのようにして、神様と人間の間に真の父母と子女の関係が成立しなければなりません。そして、人類の真の父母であり、愛と生命と血統の根源であられる神様は、人類の先祖であり、ひいては主管者であり、真の王であられます。
エデンの園における人類始祖の堕落により、神様は、そのすべての位置を失ってしまったのです。復帰摂理の進展に従って、私は海洋還元、陸地還元、天宙還元とともに、第四次アダム心情圏の還元を宣布し、その土台の上で、失われた神様の王権を取り戻してさしあげる歴史的な「神様王権即位式」を、去る一月十三日、韓国において挙行しました。
本来、アダムは、人類の始祖であり、家庭の根本です。本来は、家庭の王が、将来、国家の王の位置を受け継がなければならず、さらには天宙の王の位置を受け継がなければなりません。そうしてこそ本然の理想的天国圏が連結されるのです。今や蕩減の時代が終わり、入籍を通して本然の定着時代に入っていくことによって、国の王が連結され、さらには世界の王が連結されるのです。
それで、「世界平和統一家庭連合」では、昨年の「子女の日」に、天地父母が家庭の王として君臨するようになったことを宣布し、入籍された家庭から、初めて天の父母を王として侍っていくことができる時代に入ることを宣布しました。したがって、すべての祝福家庭は、天地の王に侍る標準的な伝統を立てなければならない家庭であることを自認しなければなりません。それで、教会時代は終わり、家庭連合の時代が開かれるのです。
宇宙全体が、一つの核を中心とした連体として連結しているのと同じように、皆様の家庭がそのような核の位置に立って万物を愛し、神様が愛で造られて存在する万物を食べて愛する、そのような主人の位置を備えなければなりません。
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Thursday Nov 25, 2021
平和経 第36話
Thursday Nov 25, 2021
Thursday Nov 25, 2021
10.神様と人類が求めていく平和の国と世界
日付二〇〇一年十月二十九日
場所:韓国、忠清南道、儒城(ユソン)、リベラ•ホテル
行事:天宙平和統一国韓国大会
尊敬する各界指導者の皆様。歴史的な大転換の時を迎え、今日の韓国の統一と世界の平和を憂慮する指導者たちが一堂に会しました。去る九月十一日、アメリカのニューヨークとワシントンDCで起こった惨劇は、全世界に驚くべき衝撃を与えました。平和と安全に対する懸念とともに、現代文明と人類の未来に対し、深刻で根本的な疑問を再び抱かせたのです。
折しも、去る十月十九日から二十二日まで、ニューヨークでは意義深い国際会議が開かれました。私が創設した「世界平和超宗教超国家連合」と世界NGO(非政府機構)連合である「WANGO」との共同主催により、世界百一ヵ国から元、現職の国家元首、ユダヤ教、キリスト教、イスラーム、仏教、儒教などの主要教団の最高指導者、学界、そして各国のNGOの代表など、四百人以上が参席し、真摯かつ深刻に、今日の世界が直面している危機と、これを平和的に解決するための方案の模索をめぐつて討論しました。
世界で唯一残っている分断国である私たちの祖国、韓半島は、中東地域とともに地球上で最も注目されている紛争地域の一つです。恒久的で根本的な平和世界の実現に対する私の構想を、開会演説において伝達し、きょうこの時間、私の所見の一端を分かち合おうと思います。きょうお話しする題目は「神様と人類が求めていく平和の国と世界」です。
人類は、歴史を通して平和世界を希求してきました。しかし、その夢は、一度も実現したことがありません。振り返ってみれば、政治的、軍事的対立が熾烈だった冷戦が終息すると、多くの人々は、高度化した科学文明の基盤の上で、人類が願ってきた平和と安定の新時代が来るものと期待しました。
ところが、葛藤と憎悪、利己的な欲望が私たちの中にそのまま残っており、またそれが、別の形態のさらに大きな災禍を生んでいることを、今になってようやく実感しているのです。無辜の人々に対する暴力が罪悪であることは自明であり、そのような行動は、必ず終息させなければなりません。
それでは、このような葛藤と闘争を根元から除去する解決策は何でしょうか。憎しみと葛藤と闘争の種は、どこに植えられて根を張っているのでしょうか。それは、人類始祖の最初の家庭の中に植えつけられたものでした。その根から代を重ね、葛藤と闘争が綿々と続いてきているのです。
そうだとすれば、葛藤と紛争を解消し、平和を実現する道はどこに求めなければならないのでしょうか。人類はこれまで、葛藤と紛争を克服し、平和を実現する道を、政治の力や外交的努力により、あるいは経済力や軍事力を通して探し出そうと試みてきました。
しかし、このような方法は、根本的な解決策となることはできませんでした。根本的で唯一の方法は、失ってしまった人間始祖の最初の家庭、すなわち神様の理想家庭を復帰することです。それは、神様を中心とする家庭、真の愛を縦横で完成した家庭のことです。
神様は、真の愛の本体として存在し、人類にとっては無形の真の父母であられます。愛は、独りでは成立しません。必ず相手を通して結実します。人間は、神様の真の愛の実体対象として造られた子女です。
神様は、人間に「生育せよ」という第一祝福を与えられたのですが、その第一祝福とは、人間が神様の真の愛の完全な相対、すなわち真の人間になりなさいという祝福でした。相対は優れていることを願ったというのです。神様は、真の愛の相対である人間に対して、投入しては忘れ、さらに投入しては忘れる、そのように無限に与えたいと思う真の父であられます。愛の出発は、無限にために生きるところから生まれてくるからです。
神様は、人間に対して「殖えよ」という第二祝福を与えられました。人間始祖は、神様の子女として成長して完成し、神様と一体となった心情圏のもとで、真の夫婦となるようになっていました。さらに彼らは、神様から相続した真の愛、真の生命、真の血統を、自分たちの子女に伝授しながら、実体の真の父母となるのです。このように神様の創造理想は、最初の家庭から縦的に真の愛を完成するようになっていたのです。神様の愛が絶対、唯一、不変、永遠であるように、その家庭も真の愛を中心として、絶対、唯一、不変、永遠の家庭となります。
ここにおいて人間は、神様と一心一体となった実体となり、完全な自由と幸福と平和の理想を完成するようになります。このとき、人間は、宇宙万象の歓迎を受ける真の愛の主管主となるのです。
これが神様の人間に対する第三祝福です。第三祝福は、人間が万物を主管しながら、幸福な生活条件を得る祝福です。またこれには、生態系と自然を、真の主人の立場で保存しなければならないという管理の責任も含まれています。
ところが、人間始祖は、神様の祝福のもとで真の愛の家庭を実現することができませんでした。真の愛を中心とした真の人、真の夫婦、真の父母になることができなかったのです。神様に背き、堕落した人間始祖が楽園から追われたのち、神様の祝福とは何の関係もない偽りの愛を中心として夫婦となり、子女を生み、今日の人類世界を築いてしまったのです。
有史以来、人類は、神様に侍った真の愛の基盤から生まれることができず、心と体が葛藤する矛盾をもったまま生きてきました。この葛藤は、人間始祖の最初の家庭内において、兄弟間の憎悪と殺人という悲劇として現れました。これが神様を離れた家庭の悲惨な実状です。
人間が中心となった家庭、人間関係のみを基礎とした家庭は、本然の理想家庭ではありません。神様と垂直的な真の愛の軸で連結された家庭が理想家庭です。真の父母の真の愛のもとで、縦的軸を共有する兄弟間においてこそ、初めて完全な平和の関係が形成されるのです。真の愛は、理想家庭の中で体得され、また結実します。家庭は、唯一の愛の学校です。真の愛は、権力や知識や力の基盤からは決して創出されません。
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Thursday Nov 25, 2021
平和経 第35話
Thursday Nov 25, 2021
Thursday Nov 25, 2021
第三に、公金を盗んではいけません。公金を勝手に使ってはいけません。以上の三つです。このすべてが、堕落したアダムの家庭から始まったものです。これらが原因になって監獄に行く人が七〇パーセント以上になります。監獄に入ってみるとそうです。人権を蹂躙し、血統を汚し、男女問題に引っ掛かっています。それからお金の問題、権力の問題です。お金と知識と権力が怨讐だったのです。これから、祝福を受けた血統は神様の血統であり、神様の真の愛と真の生命を受け継いだものである以上、これまでの堕落世界に染まった習慣的な行動によって汚してはいけません。
それを守ることができますか。夫婦であっても、あるいは配偶者がいなければ一人でもよいので、きょうという日を完全な血統を汚さないと決心して誓日にしなければなりません。天国の憲法第一条が何かといえば、血統を汚してはならない、きれいに保って、純潔な血統を永遠に守りなさいということです。第二は、人権を蹂躙してはならない。第三は、公金を略取してはならないということです。皆様が天国の王権を維持して、王権の前に民となり、父母となり、妻子となり、兄弟となるためにはこれが絶対必要です。ですから、兄を無視することはできません。弟が障害者だからといって無視することはできません。知識があるからといって、大学を出た人が、高校しか出ていない人を差別しています。そのようにすれば人権蹂躙になります。
公的な環境を破壊することも、国家財産略取と同様に恐ろしいことです。そのように暮らす人は天運が共にないので、いくら成功しようとしてもできません。負債を負う人は天下がみな嫌います。一族の中で問題を起こせば、一族から追い出されてしまうのです。
それでは、神様の公式、法度に従って生きるには、どのような環境、どのような人たちと共に暮らせば、正しい暮らしをしていることになるのでしょうか。簡単です。それも三つです。親子関係、夫婦関係、兄弟関係です。兄弟関係は父母の前には子女になります。子女関係は兄弟関係ということです。自分の家庭を中心として、父母がいて、その次に夫婦がいれば息子、娘がいます。
したがって、私には兄弟関係と同様に、父母の前に姻戚の八親等、四親等以上がすべて連結されます。それで親子関係、夫婦関係、子女関係です。これが連結されれば、兄弟は自動的に生じるのです。そのような人たちの手本になれなければ、誤った生き方をしているということになるのです。しかし、父母の前に、夫婦の前に、子女の前に手本となることができるように暮らすならば、正しい生き方をしているのです。
そのように正しい生き方をすれば、どのようになるのでしょうか。家庭のモデルは、国と天国のモデルと通じます。そのように生きた祖父母から、父母、子女の三代が四位基台の理想を備えた家庭に賞をあげるのです。ですから、兄弟関係でも子女関係でも、共同の責任のもとで和解し、影響を与えながら主体的な位置に立って生きた人になれば、誰もその人を抜きにして天国に行くことができません。
これから、この法を守って暮らせば、間違いなく天国の皇族圏になり、どこでも自由、統一、解放の家庭になります。ですから、これをきょう、新しく三千年を始める今年の標語として定めるのです。一方で、純潔血統、人権平準化、そして国家財産保護の先頭に立ち、その次に親子間、夫婦間、子女間で手本になろうというのです。町中がすべて、「あの人に従っていかなければならない」と言い、「あの人のような人になりたい、一緒に暮らしたい」と言うようになれば、その人は間違いなく天国の民となり、天国に記憶される人になります。文総裁自身もそのように生きています。
きょう、「神様王権即位式」で宣布した、最も重要な三大鉄則をお話ししました。それは、人間が公人として必ず守らなければならない、家庭に入っても、国に入っても、絶対に引っ掛からない指針です。
神様の全知全能の権能と真の愛がこの地に直接的に現れる成約時代には、天上世界についてはっきりと知らなければなりません。どうか霊界を熱心に研究して、神様を中心とした祝福を受け、真の血統の家庭を形成し、ために生きる生活を通じて永生を準備することを願います。今や人々は神様が願われた理想の地上、天上天国が到来する時であることを知って、限りある人間の能力とは比較にもならない天運のみ手を感知しようと努力しなければなりません。生きて働かれる神様のみ前で、実に温柔、謙遜な姿勢で最も貴い天の真の血統を輝かせる孝子、忠臣、聖人、聖子の道を行く人が恵まれた天国人です。
内外の貴賓の皆様。新千年紀が始まる二十一世紀は、過ぎ去った世紀の分裂と葛藤という遺物が清算され、和解と統一の地球村大家族の理想が実現される時です。私は、韓民族を選んで平和文化世界を成し遂げようとする神様のみ旨を早くから知ったために、五十数年の間、「頭翼思想」と「神主義」を中心とした理念運動を土台として、国内外に全力を尽くして統一の基盤を造成してきました。これまで私が主張してきた「神主義」は、有神論と無神論の相反した価値観の統一はもちろん、世俗的人本主義を解放できる唯一の思想として、世界各国の指導者たちと思想界で検証されました。韓民族を導き、世界に跳躍し雄飛させる使命をもった国会議員ならびに内外の貴賓の皆様。共に真の愛の「神主義」で私たちの価値観を確立し、国民思想武装に総決起しましょう。私たち自身と韓民族、そして世界平和のために、南北統一運動を信仰化しましょう。そして、心から共に暮らしたいと願う真の愛、怨讐までも愛する心で、統一運動の先頭に立つ義人と指導者になりましょう。
神様の王権時代を迎えて、私たちはみな、神様を中心として南北統一を成し遂げ、超国家的に神様の心情文化世界を共に創建する人になり、神様の故郷と神様の祖国光復を成就しましょう。神様の祝福が皆様の国と家庭にいつも共にあることを祈ります。
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Wednesday Nov 24, 2021
平和経 第34話
Wednesday Nov 24, 2021
Wednesday Nov 24, 2021
父子関係というのは、父母の血統が連結されなければなりません。その血統はただでは連結されないのです。一人では血統が連結されず、男性と女性の血統が一つにならなければなりません。人間は、性相と形状の血統が一つになったその位置で完成するというのが宇宙の根本の道理です。それで互いに喜ぶ位置、性相となる心が喜ベば形状となる体も一緒に喜べるその位置で完成するように人間を創造したのです。実体の大きな木のようなアダムの家庭を中心として、その実体的対象の家庭を繁殖して世界中に満たし、天国の民を繁殖する生産工場を増やすのです。
そうすることによって、霊界にいる神様と地上の実体の父母が地上で暮らしながら、共に天の民を生産することに協力し合い、霊界で永遠に生きることができる民を繁殖して、地上と天上に理想天国を完成するのです。
神様の王権即位式を誰がしてあげるのでしょうか。最初に誰が即位式を台無しにしたでしょうか。サタンとアダム、エバが台無しにしました。アダムとエバが真の父母になれなかったことにより、サタンが侵入し、この地上に真の父母の血統的基準を立てることができませんでした。堕落によってサタンの血統を残したので、それをすべて否定してひっくり返すことは、神様もできず、サタンもできません。サタンが今まで築いた自分の国を自ら壊してしまうことは難しいのです。誰もが、自分が精誠を込めてつくったものを改造することは嫌います。サタンも同様です。それを神様がひっくり返すことはできません。神様がひっくり返すことができるならば、エデンの園でアダムの家庭を失うこともなかったでしょう。理論的にも神様は手出しできないことは間違いありません。そのように神様が手出しできないそのことに手出しできる人物が誰かといえば、堕落せずに本性を完成したアダムです。
本然の真の愛の家庭をもつことができる家庭は、真のアダムの家庭以外にはありません。中心が問題です!復帰も中心がなければ完結されるでしょうか。祝福家庭の中心は何でしょうか。誰が祝福をしてくれるのでしょうか。真の父母がしてくれます。結婚式を誰がしてくれますか。自分の息子、娘として血統を一致させ、父母に似るようにしてあげる、その結婚式を誰がしてくれますか。堕落しなかったならば、子女を生んでくれた真の父母がしてくれるのです。
今日の結婚式は、天使長に引っ張られていったので、社会の有名な人、名のある人が主礼をします。梯子を横にして架けながら、上に上がりたいと考えているのです。最近は結婚の秩序がめちゃくちゃになりました。本来、結婚は逆の順序ですることはできません。順番にしなければならないのですが、最近は逆にもして大騷ぎです。また、それが復帰の内容と外的には一致するので、あのようにも合わせ、このようにも合わせ、逆にも合わせるのです。本来は、長子と次子がいれば、その生まれた順序のとおり、結婚しなければならないのです。
また、性的退廃は深刻な水準に至っています。近親相姦関係が現れています。親族同士で姦淫するというのです。ある国では、祖父が孫娘と暮らし、舅が嫁と暮らしています。近親相姦が起こっているのです。このような人たちは、中心が分からないので、互いに成り行きに任せて暮らしているというのです。これが地獄化しつつある世界でなくて何でしょうか。
このような状況を誰が収拾するのでしょうか。神様も、エデンの園でアダムとエバが堕落するのを干渉できなかっただけでなく、サタンと結婚することにも干渉できなかったので、「終わりの日」に干渉できる道理があるでしょうか。結局、偽りの愛、偽りの生命、偽りの父母によって、偽りの血統と結ばれてしまったので、真の父母が来て、これをもう一度、蕩減復帰しなければなりません。すなわち、これらを完全に否定して、ひっくり返し、神様のみ旨を成し遂げなければならないのです。
したがって、「死なんとする者は生きる」という言葉は、死亡世界に生きている人がたとえ死ぬ立場に行っても、蕩減できれば、生き残るということです。死ぬことを悲しみ、逃げたいと思う人は永遠に復活圏がありません。ですから、聖書には「自分の命を救おうとするものは、それを失い、それを失うものは、保つのである」(ルカ一七・三三)とあるのです。
ですから、神様も同じであり、真の父母も同じですが、天国に行く人はどうでしょうか。神様も、生きようという生命を生かしてあげるためには、その反対に、死ぬような立場に行かなければなりません。そうでなければ、生きるように支えることができません。綱を掛けて崖から落ちた人を助けるためには、死力を尽くして引き上げてこそ、人も生き、神様も生きるのです。
現代人たちは「自由」を語っています。どんなに現代の教育制度がよくできているといっても、皆様には堕落圏内における自由の観念しかありません。個人主義の観点では、そのようなことは分からないのです。氏族、民族、国家、世界、天宙の観念がないではないですか。どのようにして、それを悟らせるのでしょうか。文総裁が個人観、家庭観、社会観、国家観、世界観、宇宙観、神観を完成して、神様を解放しなければならないということを教えてあげました。
小さなことから始めて、神様を解放する最高の段階まで上がってきました。それをいかにして成し遂げるのでしょうか。心と体を統一することから始めるのです。絶対的に心と体が一つになったところから、家庭、国家、世界、神様まで進んでいくのです。どんなに人々がその位置まで行きたくても、個人主義の概念をもっている限り、行くことができません。個人主義の概念が怨讐なのです。
それが神様の怨讐であり、宗教世界の怨讐であり、良心世界、天国世界の怨讐です。すべてのものの怨讐です。それはサタン、天使長の位置に連結されるのです。フリーセックスや同性愛のようなものは、麻薬中毒とエイズ感染の近道になります。麻薬とエイズは、人類を全滅させる脅威になっています。アフリカではエイズが深刻な状況に至ったと報告されているのです。エイズウイルスの潜伏期間が八年から十二年であるとみるとき、ある地域は二代ですべて滅びるのではないかと思われます。
国連を見れば、NGO(非政府機構)も多くの問題点を抱えています。この人たちに最も難しいことをしなさいと言えば、それをする人がいるでしょうか。NGOの責任者たちは、現在の政権や社会悪を中心として、ああだこうだと指摘しますが、私のように国連の役割や共産主義と人本主義を消化する問題などについて指摘するでしょうか。そのような高い次元の内容を知ってこそ反対できるのであって、そうでなければ反対できません。青少年の淪落と家庭破鏡と麻薬問題、エイズ問題、特に純潔な血統をいかにして残すかという問題について、彼らは分かっていません。それに対する解決方法は、国家はもちろん、国連のような世界機構の指導者たちも知りません。彼らは「これはうそか、本当か」と言っているのです。
これから、「神様王権即位式」以後にできる条件をはっきりと教えようと思います。今まで問題が何だったかというと、血統が問題でした。それが最も重要です。社会団体や政府も関係ありません。学校も関係ありません。今この世に数多くの国がありますが、神様の血統と関係のあるものは一つもありません。すべてサタンに属しているのです。これからは他に方法がありません。神様に従い、真の父母様に従っていくこと以外には中心の位置がないというのです。
今日、この新千年紀の時代にするべきこととは何でしょうか。これまで神様も解放されず、真の父母様も解放されなかったのですが、これからは神様の王権定着のもとに解放された天地父母と子女になったので、恐れてはいけません。監獄に入ったとしても、恐れてはいけません。むしろ、天国に早く行きたいと思う人がいるなら、若くして行けばどれほどよいでしょうか。損をするでしょうか。天上天下の宇宙すべてが私の手の中に入って主人になるのに、なぜ否定しますか。死んでも生きても、心配することはありません。
皆様は、個人完成をどのようにするのか知っていますか。個人の心と体が一つになる道が分かりますか。堕落するとき、サタンの血統を受け継いだ愛の力が、良心の力よりも強かったのです。これが問題です。どんなことがあっても体が願うままに行動してはいけません。
これから守るべき鉄則が何かといえば、第一に、死んでも天から伝授された純潔な血統を汚してはならないということです。第二に、人事措置を誤って人権を蹂躙してはならないということです。男性も女性も、黒人も白人も平等です。人権を差別したり蹂躙したりしてはいけないのです。責任者たちは、自分の心に合わないからといって、むやみに人事措置をしてはいけません。人権を正しく指導するにおいては、真の愛、すなわちために生きる愛をもって生きる人が主流になるのです。天地創造はそこから始まりました。その主流思想を乱すことは許されません。それは罪の中の二番目の罪です。
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Wednesday Nov 24, 2021
平和経 第33話
Wednesday Nov 24, 2021
Wednesday Nov 24, 2021
9.神様の祖国光復
日付:二〇〇一年七月十三日
場所:韓国、ソウル、国会議員会館
行事:「世界平和連合」•「世界平和超宗教超国家連合」文鮮明総裁招請講演会
尊敬する内外の貴賓の皆様。公私共に御多忙中にもかかわらず、この意義深い集いに参席してくださった国会議員と著名人の皆様に深く感謝を申し上げます。特に国民を代表する民意の殿堂である国会において、神様の摂理史的な観点で、貴いみ言をお伝えする時間をもてましたことをうれしく思います。
私は新千年紀が始まる最初の年である今年の一月十三日、「神様王権即位式」を終えた基台の上に、二月二十五日から四月十七日まで五十二日間、全米五十州の五十二ヵ都市とアメリカの国会、そして国連での講演を盛況のうちに終えました。
その期間に、主にキリスト教をはじめとする十万人を超える宗教指導者たちを対象に、神様のみ旨を中心としたアメリカと人類、さらに天上世界と地上世界の行くべき道を提示してきました。それだけでなく、ウルグアイを訪問し、南米三十三ヵ国の元、現職の政府首脳、および指導者たちが集まる中、「天宙平和統一連合」南米本部を開院し、再教育と組織編成をして、平和世界の実現のために全世界百九十一ヵ国の各界指導者七万人以上を教育した後、平和大使を六大州へ派遣し、祖国の南北統一のための国際的基盤を準備して帰国しました。帰国後、今月の三日から十二日まで、韓国の十二主要都市で、「神様祖国定着大会」を開催し、神様が選択されたこの地に、神様が定着される祖国をつくるべき時が到来したことを宣布し、皆が祖国統一の働き手となることを力説しました。
私は十六歳(数え)のとき、復活節の夜明けにイエス様と出会い、神様のみ旨を成就するため、神様解放のための天意の道を出発しました。これまでの八十有余年の生涯を、あらゆる無理解と迫害を受けながらも屈せず、真の理想家庭を基盤とした平和世界の具現に全力を尽くしてきました。特に、神様の命に従い、一九七一年、アメリカに渡った私は、過去三十年間、全身全霊を尽くして、アメリカが神様から選ばれた世界的な第二イスラエル圏の使命を果たすよう説いてきました。
私は過去数年間、数百回にわたるアメリカ指導者会議を通して、政治家や宗教家たちが、政党や宗派を越えて、各地域社会とアメリカ、そして世界のために心を一つにして協力するように促してきました。併せて、今回、アメリカ五十州巡回講演を通しては、すべての聖職者たちに、教派を越えて一致団結することを強く諭してきました。実際に、「アメリカ聖職指導者連合」を中心に、連合教会運動を通して、十四万四千の教会が救世の目的のために、この運動の先頭に立っています。
一方、私が国連で既に闡明した世界平和に向けた各種の国境線撤廃運動が活発に展開されています。この運動は「世界平和超宗教超国家連合」が先頭に立ち、NGO(非政府機構)総連合団体である「WANGO(世界NGO連合)」を中心に、国連本部から急激に五大洋六大州へと拡散していっています。
皆様。今、私たちはみな、聖書歴史では七千年、イエス様以後の三千年を開いていく新千年紀の時代を迎えています。この時代は、人類歴史を通して神様が願われ、すべての宗教を通して人類が念願した平和の時代がこの地に定着する時です。神様を中心として、心と体が一つになった完全な個人、そして真の愛で一つになった完成した家庭、社会、国家、世界、天宙を形成し、神様の創造理想が実現される時を期待してきたのです。ですから、この時代は聖書に預言された旧約と新約の約束が成就され、霊界が完成することにより、天上と地上に天国が形成されなければならない成約時代の完成を意味するのです。成約というのは、本性的次元で、すべてのものが祝福結婚を受ける時代という意味です。神様がつくられたすべての被造万物は、人類始祖の堕落によって祝福圏に立つことができませんでした。
しかし、神様は救援摂理の道を通して、キリスト教をはじめとする数多くの宗教を立て、万民を教育することにより、心霊の基準を段階的に引き上げ、成約時代を迎えるようにされました。そして、私たちは、神様の救援摂理を完成した信仰の結実体として、真の「個人王」から始まり、真の「家庭王」、「氏族王」、「民族王」、「国家王」、「世界王」、そして天宙的王権の基盤を取り戻し、ついに本然の「神様王権即位式」を挙行する位置にまで来るようになったのです。「神様王権即位式」は、天と地のすべての人たちが真の家庭と国をもち、祝福を受けて、一つの血族、血統が一つになった単一民族を形成した基台の上に、初めてその式を行うことができるのです。
皆様。人間にとって最も大切な愛、生命、血統の中で、何が最も貴いでしょうか。多くの人たちは愛が最も貴いといいます。しかし、愛や生命がどんなに貴いといっても、それは横的で、一代だけで終わってしまいます。しかし、血統は縦的であり、代を継いで、永遠に相続されるのです。ですから、血統が最も貴いのです。
堕落していない本然の世界では、神様を中心として、真の家庭を築かなければなりません。真の息子、娘の家庭を築くためには、真の血統が連結されなければなりません。真の父母の子女になるためには、真の父母の血統が連結されなければなりません。「父母」や「子女」という言葉は、血統が連結されなければ絶対に成立不可能です。それは神様も分けることができません。堕落したサタンも分けることができません。
そのため、真の父母様の祝福を通した真の血統は、旧約時代と新約時代の失敗を蕩減復帰できるのです。本然の基準である神様の真の血統に接ぎ木して、野生のオリーブの畑でも、真のオリーブの木の血統にして、真の愛を中心に一体、一心、一念となり、生死圏を越えていかなければなりません。個人、家庭、民族、国家、世界的な生死圏まで、いかなる犠牲があっても越えていくという心情をもった人は、サタンが関与できません。国家基準を越えるようになれば、完成圏、直接主管圏内に入るので、サタンは関係を結ぶことができません。
イエス様も結婚していたならば、十字架の道は行かなかったのです。誰もイエス様の命を奪うことはできません。これは相対理想の直接主管圏に連結されるからです。原理で言えば、責任分担を完成した基準になっているので、直接主管圏内に入っていきます。直接主管圏は、神様の血統が連結されているので、サタンがそれを断ち切る道理がありません。この過程において、心情が一致するその位置に行けずに、そこで堕落したことが問題だったのであり、アダムとエバが夫婦となり、真の愛で愛していれば、永遠に堕落できないのです。サタンが連れ去ることはできません。しかし、この過程で、実が熟しませんでした。熟さない実は、いくら地に植えても種ができません。ですから、永遠の生命がないので、死んだ生命のようなものを処理する所が地獄です。神様と関係がないのです。
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Wednesday Nov 24, 2021
平和経 第32話
Wednesday Nov 24, 2021
Wednesday Nov 24, 2021
イエス様の寂しい三年路程
メシヤの道を自覚するようになったイエス様は、自分の孤独な事情が、神様のみ旨を成就するに当たって深刻な障害の要因であることを、独りもどかしく思いました。メシヤは真の父母であり、その使命のためには実体の新婦を迎えなければなりません。天使長が、アダムと兄妹のように育ったエバを偽りの愛で堕落させたので、イエス様はそれを根本的に復帰しなければならなかったのです。
したがって、アダムに代わって神様の息子として来られたイエス様は、天使長の立場に立った人物の妹を妻として迎えなければなりませんでした。その女性が正にザカリヤの娘であり、洗礼ヨハネの妹だったのです。
サタンの権勢が主人の役割をする世の中で、このことが成就するためには、絶対的な信仰によって形成された保護の基台がなければなりません。不幸なことに、イエス様の周辺では、そのような基台がすべて崩れてしまいました。
もしザカリヤとエリサベツが、神様の啓示と霊的な恩恵のもとで、初めにもった絶対的な信仰をもち続けていたなら、状況は違っていたでしょう。彼らが責任を果たしていたならば、マリヤは三ヵ月後にその家を出たとしても、継続して彼らと行き来し、相談したはずです。
ザカリヤの家庭は、イエス様の誕生ののちにも、地を代表し、一番の先頭に立ってメシヤを保護し侍りながら証す人たちとして、神様が選んだ家庭でした。彼らは、イエス様を神様の息子として、メシヤとして、この上ない精誠を込めて侍るだけでなく、イエス様を通して神様のみ旨を受け、絶対的に従っていたはずでした。また、イエス様のために生まれた洗礼ヨハネだったので、彼が悔い改めさせた民たちをして、イエス様を信じさせ、救いを受けさせるように導く責任を果たしたはずです。
しかし不幸なことに、ザカリヤも、エリサベツも、洗礼ヨハネも、イエス様を神様の息子として証しただけであって、侍ったことはありませんでした。尊敬される祭司のザカリヤが傍観し、洗礼ヨハネがイエス様と無関係な立場に立つことにより、かえってイエス様の道を困難なものにしてしまい、民たちが従うことができないようにしてしまいました。ましてや、彼らが信仰を失い、人間的な思いに流れたときに、イエス様が願われた、新婦を迎えることに協力するはずはなかったのです。
次に考えるべき点は、ヨセフとマリヤの関係がイエス様に及ぼした影響です。マリヤは、エバとタマルを蕩減復帰すべき立場なので、ヨセフとは婚約関係を保たなければなりませんでした。しかし、摂理的に見れば、彼らの関係は夫婦ではありません。ですから、彼らはイエス様が誕生する時まではもちろん、そののちにも夫婦関係を結んではいけないのが神様の願いでした。ヨセフはマリヤに対して、イエス様の誕生ののちにもずっと愛の心をもち続けました。マリヤは、ヨセフと別れ、イエス様を神様の息子として育てたい気持ちがあったはずです。
しかし、現実は、それを簡単には許しませんでした。本心ではいけないと思いながら、マリヤはヨセフと夫婦関係を結ぶようになり、子女をもつことによって、エバの失敗を反復した結果になってしまいました。サタンはこれを条件として、彼らに侵入するようになりました。イエス様一人を残して、皆がサタンの主管下に入っていった結果となったのです。イエス様を守るべき父親も、母親も、アベル側の兄弟も、カイン側の兄弟もすべてサタン側になってしまいました。
人がサタンの侵入を受ければ、もはや霊的に受けた恩恵と感動を失ってしまい、神様に対する確信と感謝を失うようになり、すべてのものを人間的に考えるようになります。これによりマリヤまで、イエス様が願われる結婚に協力することができず、かえって反対してしまったのです。これが、イエス様が新婦を迎えられず、そして真の父母になれず、十字架の道を行かざるを得なくなった直接的な原因になったのです。
カナの婚宴で、イエス様がマリヤに「婦人よ、あなたは、わたしと、なんの係わりがありますか」(ヨハネ二•四)と言ったのも、最も貴い摂理の要請である、イエス様の新婦を迎えることをなおざりにし、遠い親戚の婚宴を手伝おうとするマリヤを責めた心情が表出されたものです。「わたしの母とは、だれのことか。わたしの兄弟とは、だれのことか」(マタイ一二・四八)と言われたみ言も、このような基準から理解しなければなりません。
イエス様は、母マリヤからも、ザカリヤ、エリサベツからも反対され、最後に洗礼ヨハネからも反対され、肉親の保護を受けながら使命を完遂することを断念するしかありませんでした。新しく霊的基盤を探し求め、再び復帰摂理を出発しようとしたのがイエス様の出家でした。出家したイエス様は行く所がありませんでした。
「きつねには穴があり、空の鳥には巣がある。しかし、人の子にはまくらする所がない」(マタイ八・二〇)と嘆息されました。親族の基盤を失ったイエス様は、それに代わる基盤を求めて出発したのです。それがイエス様の三年路程でした。
救援摂理史の原理観
しかし、民族が不信し、弟子たちの信仰が弱くなって、サタンの侵入を受けてしまったので、イエス様の基台は崩れ、十字架の道を行かれるしかありませんでした。本来、イエス様は、メシヤとして地上に来て、弟子たちと万民を祝福され、罪のない天国を築かなければなりませんでした。ところが、不信されることによって新婦を迎えられなかったので、真の父母になれず、その使命を完遂できませんでした。
ですから、再臨することを約束されたのです。再臨主はイエス様が果たせなかった神様の復帰摂理の根本を完成するために来られます。すなわち、創造理想を完成する真の本然の赤ん坊の種として来て、神様の真の愛、真の生命、真の血統の根源となる真の父母の理想を完成するために来られます。彼は、既にイエス様の時まで神側が勝利した根本摂理の基台の上に臨在されます。すなわち、イエス様が大人になられる時までの勝利的な基盤の上にまっすぐに立たれ、彼が果たせなかった新婦を探し出し、真の父母になられ、万民を救ってくださるのです。
ですから、真の父母は、血統を伝授する新しい結婚行事を通じ、全人類を神様の真の愛、真の生命、真の血統に接ぎ木することによって真の人として救い、さらには真の家庭を完成して、地上天国を建設されるのです。ですから、再臨主は肉身をもって来られ、新しい血統関係を編成しようとするのであり、それが国際合同祝福結婚式なのです。
アダムの家庭で失われたものを、世界大家庭圏で蕩減することにより、アダムの家庭で完成しなければならなかった真の長子権、真の父母権、真の王権を取り戻し、神様が主管される地上天国へと転換し、天上天国に入籍して、神様を中心とした地上、天上王権時代に進入し、勝利と自由と幸福と統一の世界を復帰し、神様の創造理想である地上天国、天上天国を迎えるようになるのです。これが救援摂理史の原理観です。皆様も、未来に幸福な新しい祝福結婚を受けるようお願いします。
敬愛するこの国の指導者、そして内外の貴賓の皆様。今晩、「ワシントン•タイムズ財団」の創設を記念するために御出席いただいた皆様に、いま一度深く感謝を申し上げます。特に、この社会のために善の業績として「ワシントン•タイムズ財団」が賞を授与する、最初の栄光を受けられた皆様に心からお祝い申し上げます。ありがとうございました。
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Wednesday Nov 24, 2021
平和経 第31話
Wednesday Nov 24, 2021
Wednesday Nov 24, 2021
タマルを中心とした血統復帰摂理
この地に神様の愛と生命の種をもって生まれる息子のためには、先に母親がいなければなりません。母親が息子を生むにしても、ただ単に生むのではありません。必ず復帰の公式を通して生まなければならないのです。復帰摂理の中に現れた母子協助はみな、天の息子がサタンの讒訴を免れた新しい生命の種をもって着地するための準備であり、条件なのです。
母子共にサタンの攻撃を免れる条件を立てた土台の上で、サタンを代表する長子を屈服させることにより、サタンが先に占有した愛と生命と血統を復帰してこられたのです。
神様の摂理歴史を記録した聖書の中には、理解のできない記録がたくさんあります。リベカが夫のイサクと長子のエサウをだまし、次子ヤコブを助け、彼に祝福を受けさせました。神様は一見不当に見える方法を用いた、この母子の側に立たれて、彼らに祝福を与え続けられました。
アダムの家庭では、カインとアベルの兄弟が母胎の外で争い、次子のアベルが殺害されました。ヤコブは、アベル以後、善の側に立った多くの人の犠牲と蕩減条件の基台の上に立ったので、先に占有したサタンに追いついて、双子の兄であるエサウを相手にするようになったのです。結果的にヤコブは、ヤボク川で天使を屈服させる霊的勝利を収め、実体の天使長の立場であるエサウを屈服させることによって、歴史始まって以来、初めて「勝利した」という意味の「イスラエル」という祝福を受けるようになりました。しかし、その時は既に歳が四十代でした。
サタンの偽りの愛の種が、エバの胎中に蒔かれて悪の生命が生まれたので、神様は母の胎中まで入って分別しなければ、天の息子が胎中から誕生することができないのです。ですから、ヤコブの勝利によっても、依然として分別されていない妊娠から四十代までの期間も、サタンが分立されなければなりません。結果的にこの責任を担った偉大な母がタマルでした。タマルは、ユダの長男のエルと結婚しましたが、エルは神様にふさわしい人ではなかったので早く死んでしまいました。
当時の慣例に従い、ユダは次子のオナンをタマルに与え、子女を生むようにしましたが、オナンは生まれる子女が自分のものにならないことを知り、精を地に流しました。これが神様のみ前に罪となり、オナンも死んでしまいます。タマルは、ユダの三番目の息子のシラと一緒になろうとしましたが、ユダはシラをタマルに与えませんでした。タマルによって二人の息子が死んだと考えたユダは、シラまで死んで家系が途絶えることを心配したからです。
タマルは、選民の血統を継がなければならないという一念で、売春婦を装って、舅であるユダを迎えて双子を身ごもりました。赤ん坊たちが生まれるとき、先に手を突き出して出ようとした長子が再び胎に戻り、弟になるべき次子が先に生まれたのですが、それがペレズです。タマルの胎中で長子と次子が争い、サタンが分立される胎中復帰が成就したのです。
このような条件の上に選民の血族を得て、その二千年後にローマ帝国の国家基準に対峙するイスラエルの国家的な土台の上に、メシヤを身ごもることができたのです。神様の息子の種が準備された母親の胎中に、サタンの讒訴のない立場を得ることができるようになった国家的勝利の土台が造成されたのです。このような基盤の上に、聖母マリヤが摂理の主流に登場したのです。
神様の初愛を独占できるイエス様
ヨセフと婚約したマリヤは、自分の身を通してメシヤが生まれるという天使長ガブリエルの驚くべきメッセージを受けました。処女の立場で赤ん坊を身ごもれば、死ぬしかないというのが当時の規則でしたが、「わたしは主のはしためです。お言葉どおりこの身に成りますように」(ルカ一•三八)と言いながら、絶対信仰で神様のみ旨を受け止めました。
マリヤは、親族であり、尊敬される祭司ザカリヤに相談しました。ザカリヤの家庭では、その妻のエリサベツが、神様のみ業によって妊娠した洗礼ヨハネを胎中に身ごもったまま、マリヤに対して「あなたは女の中で祝福されたかた、あなたの胎の実も祝福されています。主の母上がわたしのところにきてくださるとは、なんという光栄でしょう」(ルカ一•四二、四三)とイエス様の懐胎を証しました。
このように神様は、マリヤとザカリヤとエリサベツに、メシヤの誕生を一番先に知らせました。彼らはイエス様によく侍り、神様のみ旨によく従わなければならない重大な使命をもった人たちでした。ザカリヤ夫婦はマリヤを自分たちの家に泊まらせました。ザカリヤの家庭でイエス様を懐胎したのです。
エリサベツとマリヤは母親側のいとこの関係でしたが、摂理上では、姉(カイン)と妹(アベル)の関係でした。ザカリヤの前でエリサベツの助けを受けたマリヤは、レアとラケルがヤコブの家庭で母子の一体化を果たせなかったことを、国家的基準でザカリヤの家庭を通して蕩減する条件まで立てながら、イエス様を誕生させなければなりませんでした。
歴史始まって以来初めて、神様の息子の種、真の父となるべき種が、準備された母の胎中に、サタンの讒訴条件なく着地したのです。それによって、地上に初めて、神様の初愛を独占できるひとり子が誕生するようになりました。
当時の法によっては容認されるはずもない、また、常識でも考えられないことを、マリヤは成し遂げなければなりませんでした。三人が共に霊的に感動したのであり、神様から来た啓示に従い、それが神様のみ旨であり、願いであることを無条件に信じ従わなければならなかったからなのです。
神様の息子は、たとえ着地はしたとしても、サタン世界の中で無事に育ち、み旨を成し遂げるためには、保護してくれる囲いが必要でした。神様はザカリヤの家庭の三人に、その基盤になってくれることを期待されました。三人が神様の息子を保護し、彼に侍ることにいかに専念し、どれだけ長い間一つになっていたかについては、考えるべき点がたくさんあります。
聖書には、「マリヤは、エリサベツのところに三か月ほど滞在してから、家に帰った」(ルカ一•五六)と記録されています。その後、聖書には、マリヤとエリサベツとザカリヤが互いに行き来した記録はありません。ここから、マリヤとイエス様の困難が始まったのです。ザカリヤの家庭は、最後までイエス様の囲いにならなければなりませんでした。
しばらくして、ヨセフは、マリヤが妊娠した事実を知るようになります。この時、彼の衝撃はどれほど大きかったでしょうか。愛する婚約者のマリヤが、自分とは何の関係ももたない状態で、三ヵ月間どこかに行って戻ってきた時には妊娠していたというのですから、ヨセフがマリヤに、誰の赤ん坊を身ごもっているのか、追及するのは当然のことでした。そのとき、もしマリヤが正直に話してしまっていれば、どんなことが起こっていたでしょうか。もし明らかにした場合には、一族が滅亡するのです。ですから、マリヤはただ「聖霊によって懐胎した」とだけ話したのです。
マリヤのおなかが大きくなってきて、周囲の人たちも妊娠していることが分かるようになりました。そのとき、ヨセフが「自分は関係をもたなかった」と言っていれば、どうなっていたでしょうか。しかし、ヨセフは神様の啓示を信じ、妊娠は自分の責任であると擁護した義人でした。これによってマリヤは、婚約期に妊娠したという嘲笑は浴びたとしても、石を投げられて死ぬことはなかったのです。
マリヤを愛したヨセフは、初めはこのようにマリヤを守ってあげました。しかし、ヨセフの心の底には悩みがたくさんありました。特に、生まれたイエス様を見つめるヨセフは、その父親に対する疑問につながり、心中に苦痛を頻繁に経験するようになりました。イエス様が成長するとともに、ヨセフとの心情的な関係において距離が生じるようになり、このことによって、家庭に頻繁に争いが起こったことは間違いない事実です。こうしてイエス様は、私生児の立場で、ザカリヤの家庭の保護も受けられず、またヨセフとの関係も厳しい状況下で、心情的に、言うに言えないほど寂しい立場で育ちました。
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Monday Nov 22, 2021
平和経 第30話
Monday Nov 22, 2021
Monday Nov 22, 2021
人間の完成は愛に対する責任をもつときに可能
満場の内外の貴賓の皆様。人類の堕落が、木の実を取って食べた結果でしょうか。アダムとエバの堕落は、神様の真の愛の理想に背いた不倫の犯罪でした。守るべき戒めが必要だった堕落前のアダムとエバは、未完成の段階、すなわち成長期間で堕落してしまいました。蛇で表示された天使長に誘われ、エバが霊的に堕落し、そのエバがアダムを誘って、時ならぬ時に善悪の実を取って食べる肉的な堕落をしてしまったのです。
本然の園で神様と対話しながら、楽しく遊び回って慕らしていたアダムとエバが、死ぬことまでも顧みずに犯す可能性のある犯罪は、誤った愛の犯罪しかありません。本来、人類の先祖の初愛を中心とした結合は、神様御自身の愛の完成でもあったので、当然、神様も、アダムとエバも、宇宙万象も、歴史を通して歓喜と祝福の中で酔いしれる幸福な宴の連続でなければなりませんでした。神様の愛と生命と血統が、人間の中で出発するとともに、定着する幸福な儀式でなければならなかったのです。
ところが、彼らは下半身を覆い、木の後ろに隠れて不安に震えました。天道に逆らう偽りの愛、偽りの生命、偽りの血統の根源をつくった不倫の関係を結んだからです。堕落したアダムとエバの子孫である全人類は、子々孫々、生まれながらにして原罪をもつようになりました。人類が個体の中に心と体の衝突を矛盾として感じるのも堕落に根源があり、愛の秩序が乱れた社会の中で、本心の願わない人生を生きていくのも、すべてここに由来しているのです。
愛の理想を中心として見るとき、動植物の世界の愛の関係は、すべて繁殖を前提としてのみ行われます。しかし、人間だけはその例外です。人間は、夫婦の愛の関係において自由を享受します。それが万物の霊長たる特権です。神様は、息子、娘である人間が無限の愛の喜びをもつように祝福したのです。
神様が許してくださった真の自由は、責任性を前提とします。もし責任性なしに個々人が愛の自由だけを主張して実践すれば、どれほど大きな混乱と破局がもたらされるでしょうか。至高な愛の理想を達成する人間の完成は、愛に対する責任性をもつときに可能なのです。
その責任性とは、次の三つを考えることができます。第一に、人間は愛の自由を下さった神様に感謝しながら、自己修養、自己管理によって自由な真の愛の主体となる責任です。人における愛の責任性は、法や世間体のために守られるものではなく、神様との生きた縦的な関係の中で、自己主管、自己決断によって守られるものです。
第二に、相対に対する責任性です。人間は本性的に、自分に対する相対からの愛が分けられることを願いません。夫婦問の横的な愛の関係は、父母と子女の縦的な愛の関係とは異なり、分けられれば、もはやその完全性が破壊されます。これは夫婦間では絶対的な愛の一体を形成するようになっている創造原理のためです。人には、絶対に自分の相対のために生きる愛の責任性があるのです。
第三に、子女に対する愛の責任性です。子女たちの誇りと幸福の基地は父母の愛です。子女たちは、真の愛で和合一体化した父母を通して生命が生まれ、そのような愛の中で養育されることを願います。父母の子女に対する最も貴い責任は、外的な養育だけではなく、彼らの霊性を完全にしてあげる真の愛の生きた要素を提供することです。家庭が貴い理由はそのためです。生活的な経験を通して体得する真の子女の心情、兄弟の心情、夫婦の心情、父母の心情は、真の家庭以外にいかなる所でも得ることはできません。
メシヤは神様の血統を接ぎ木してくださる真の人
アダムとエバが神様を中心とした真の愛の夫婦となれば、神様は理想どおりに、御自身の実体であるアダムの体の中に住まわれながら、エバを愛するようになるのです。さらには、アダムとエバは、神様の実体をまとった真の父母になって、善の愛、善の生命、善の血統の始原となったでしょう。
ところが、堕落によってアダムとエバはサタンの実体となり、悪の夫婦、悪の父母、悪の先祖になってしまいました。彼らの結合は、悪の愛と悪の生命と悪の血統の根になってしまったのです。人類はみな、この根に根源を置いているので、生まれたときからみな神様の怨行であり、姦夫であるサタンの子孫になり、悪の父母の血統を受け継ぐようになってしまったのです。
親愛なる紳士淑女の皆様。人類始祖の堕落によって真の愛の理想が崩れたとき、神様の苦痛はどれほど大きかったでしょうか。神様の子女になるべき人間たちが、本来の父母である御自身のことが分からず、サタンに仕えているにもかかわらず、神様は救援摂理をしてこられたのです。また、絶対的な神様の創造理想も絶対的なので、悲しい救援摂理をされるしかありませんでした。神様の救援摂理は、失った真の愛の創造目的を回復する復帰摂理です。ですから、救援摂理は再創造摂理でもあります。
このような点で、復帰摂理の根本は、いかにすれば創造理想を完成する人間の種、本然の赤ん坊の種を見いだすかにあります。神様が最も嫌う姦夫サタンの偽りの愛に由来した生命と血統を清算しなければなりません。神様の真の愛と生命と血統と一体になった救世主、真の父母を、いかにして誕生させるかということです。
人間始祖が自分の責任分担を完遂できず、不倫な血統関係を結んでサタンの主管を受けるようになったので、神様が直接進み出て原状回復させることができないのです。神様は、天使長側に回った人類を、条件なしに善の立場から取ることも、打つこともできないのです。神様は、善の天使長的中心人物を立て、先に打たれながら蕩減条件を立てさせて取り戻してくる作戦をしてこられました。しかし、サタンは先に打ち、奪われる立場になりました。第一次、第二次、第三次世界大戦はその例になります。先に打ったほうが滅びました。
復帰摂理を概観すると、母子協助の基盤が重要でした。ヤコブのとき、モーセのとき、イエス様のときも、すべてそうでした。堕落の張本人であるエバの代わりに責任を果たす母を立て、次子に母子協助をしながら、サタンの血統と生命を分立させるための摂理が行われてきたからです。
神様は、堕落によって人類を先に占有したサタンと血縁的に直結した長子に、直接相対することはできません。神様は、善の側を代表する次子を相対として条件を立たせ、悪の側を代表する長子を屈服させることで、善の血統を復帰してこられました。アダムの家庭で、神様は、次子アベルを立てて長子カインを屈服させようという摂理をされたのです。堕落したエバによって、兄弟を一つにしようとする努力があったかもしれませんが、結局、カインがアベルを殺害することによって、救援摂理は終結することができず、そこから延長が始まったのです。
ノアの時も、母子協助の基準はありましたが、本格的な母子協助の基準はリベカとヤコブのときからです。人間の堕落はアダム、エバ、天使長の三つの存在によって引き起こされました。天使長がエバを誘って霊的堕落をし、その次に堕落したエバがアダムを誘って肉的堕落をすることによって、神様を裏切ったのです。堕落した天使長がサタンになりました。救援摂理は復帰摂理であり、復帰は一八〇度反対の道を通して行われるのが原則です。
真の愛と生命の種をもったアダムを失った神様は、サタンの讒訴条件がない新しい種をもった息子を探し立てなければなりません。神様が人間を創造するとき、アダムを先につくったように、再創造摂理である復帰摂理も、堕落と無関係な息子を先に立てなければならないのです。これがメシヤ思想の根本です。
メシヤは、サタンの主管下にいる堕落した血統をもった人間たちの生命を否定し、新しい生命の種を接ぎ木してあげるために来られる真の人です。根は神様に置いているのですが、後のアダムとして来て、アダムによって引き起こされたものを清算しなければならないのが、メシヤの使命です。神様が能力だけで役事する超人を、メシヤとして送ることはできない事情がここにあるのです。
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Monday Nov 22, 2021
平和経 第29話
Monday Nov 22, 2021
Monday Nov 22, 2021
8.救援摂理史の原理観
日付:一九九六年四月十六日
場所:アメリカ、ワシントンDC、ヒルトン•ホテル
行事:「ワシントン•タイムズ財団」創設記念特別講演
尊敬する内外の貴賓、高名な紳士淑女の皆様。今日、歴史的大変革時代を迎え、レバレンド•ムーンと皆様が出会うことができ、神様に心から感謝を捧げる次第です。
宗教と救援摂理の目的
神様は、絶対者であられ、唯一、不変、永遠であられるお方です。そのみ旨も同じです。もし人間始祖アダムとエバが神様の愛で一体になっていれば、万事が完全、完成です。ですから、神様の出発、目的とその程度、そして原因と結果とその方向も絶対的なのです。
人間始祖であるアダムとエバは、堕落して、無知と混沌に陥りました。個人的な無知と混沌から、家庭、国家、世界的な無知と混沌に陥るようになりました。この堕落圏を抜け出すためのものが宗教と救援摂理の努力なのです。「終わりの日」にメシヤが来て、神側から見る絶対、唯一、不変、永遠の原因と方向と結果をはっきりと教えてあげ、無知と混沌の世界を清算し、本然の神様の懐に帰ることが神様のみ旨の完成です。
そのようにならなければ、「終わりの日」に、すべての宗教、主義、思想や国家も、みな滅びるようになるのです。今や人類は、わずか数年のちには二十一世紀を迎え、二〇〇〇年代の新しい歴史時代に差し掛かります。このような重大な時点において、私は、「救援摂理史の原理観」と題するみ言を通して、新しい時代を準備する私たちの心を確認しようと思います。
創造主と人間との真の愛を中心とした完全、完成を願う神様は、人間と一体となる条件が必要でした。それで神様は、人間始祖に与える戒めが必要だったのです。人間が成長期間を上がっていく未完成段階にいたことを御存じの神様が、子女である人間に最も貴い真の愛を相続させてあげるための条件として与えてくださったのが戒めでした。
本来、真の愛は経験を通して、体恤を通して分かるようになっていました。真の愛は、言葉や文字、あるいは一般教育を通して体得できるものではありません。生活を通してのみ、完全に体得するのです。赤ん坊として造られたアダムとエバは、成長しながら段階的に生活を通して経験し、真の子女の心情、真の兄弟の心情、真の夫婦の心情、真の父母の心情を体恤することによって完成するようになっていたのです。神様の真の愛を全体的に体得するとき、初めて創造目的を完成した理想的な人間になるのです。
人は、自分の愛する相対が、自分より何千万倍の無限大の価値ある存在として現れることを願います。このように神様も、御自身が愛する相対である人間が、無限の価値ある存在になることを願われるのです。人間は、完成すると神性をもち、天の父が完全であられるように完全で、神様と同等の価値をもつのです。
神様は絶対者であられますが、真の愛の理想は独りでは達成されません。愛の理想は必ず相対を求めるからです。私たちはここで、神様の真の愛と人間の真の愛の出発と完成が、互いにいかなる関連をもっているのかを知らなければなりません。
もし神様が、真の愛の絶対的な対象体として人間を立てずに、ほかの方法を通して御自身の真の愛の出発と完成を達成しようとされたとすれば、どのようになるでしょうか。神様と人間の真の愛を中心とした理想は、各々動機が異なるようになり、二つの愛の方向と目的も異ならざるを得なくなります。そのようになれば、神様の愛の理想は、人間よりも上位にほかの愛の対象を立てて達成しなければならず、一方で人間の愛の理想は、神様と直接的な関係をもてなくなってしまいます。
真の夫婦は神様の絶対的愛の理想を完成する
真の愛の主体者であられる神様は、その真の愛の相対者として人間を立てました。神様の愛の理想は、人間を通してのみ完成されるのです。神様の創造目的は、神人愛一体の絶対的愛の理想世界です。人間は神様の最高、最善の愛の対象として造られました。ですから、人間は創造物の中で唯一、神様の実体をまとった対象なのです。無形の神様のみ前に、見える体として生まれました。
人間は完成すれば神様の聖殿になります。神様が自由に、また安らかにいつでも入ってきて暮らすことのできる有形の実体です。神様の絶対的な真の愛の全体的な理想は、人間を通して、父母と子女の縦的関係で実現し、完成します。
神様は御自身の体としてアダムを先に造りました。アダムは神様の息子であると同時に、体をもった神様自身でもあります。その次に、アダムの相対者としてエバを造り、横的な愛、すなわち夫婦の愛の理想を完成しようとしました。エバは神様の娘であると同時に、神様の横的愛の理想を実体で完成する新婦でもあったのです。
アダムとエバが完成し、神様の祝福のもとで結婚して初愛を結んだとすれば、その場は、神様が実体の新婦を迎える場だったのです。アダムとエバの夫婦の愛の理想が横的に結実するその場に、神様の絶対愛の理想が縦的に臨在、同参することによって、神様の真の愛と人間の真の愛が一点から縦横の基点を中心として出発し、一点で結実、完成するようになっていたのです。
神様の創造は必然でした。目的のない創造は想像することができません。神様にとって創造が必要だった理由は、ただ一つ、真の愛の理想のためでした。最も簡単で低級な被造物から人間に至るまで、各々主体と対象、陽性と陰性の相対関係で展開された理由も、愛の理想のもとで相対関係を形成するためなのです。
創造物の愛の理想と神様の究極的な愛の理想は、別個のものではありません。人間世界の男性と女性の愛の完成を通して、神様の絶対愛が完成するようにされたのが、創造原理です。太初に人間をアダムとエバ、一男一女として創造された理由もここにあります。
神様の創造目的は、アダムとエバが真の愛の主体であられる神様の戒めを守って、真の人として完成することでした。さらには神様の真の愛で一つになった真の夫婦になることでした。また、彼らがその真の愛の中で息子、娘をもち、幸福で豊かに暮らすことのできる真の父母になることでした。アダムとエバが真の愛で完成していれば、それは実体を身にまとう神様の願いが成就することだったのです。そして、彼らが真の夫婦として完成していれば、それは神様の絶対的な愛の理想の完成を意味しました。
それから、アダムとエバが善の子女をもって真の父母になっていれば、それは永存する父母の位置を実体的に確定し、人間の血統を通して子々孫々を繁栄させることによって、天上天国の市民を無限にもつことを望まれた神様の理想が成就されるようになっていたのです。
ところが、人間始祖アダムとエバは堕落してしまいました。エデンの園から追われるとき、彼らは子女を連れていませんでした。神様が、追い出したアダムとエバをエデンの園の外まで訪ねていって祝福し、結婚式をしてあげたはずは絶対にありません。ですから全人類は、神様の愛と関係なく繁殖した、追い出された先祖の子孫なのです。
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