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Thursday Oct 13, 2022
平和経 第369話
Thursday Oct 13, 2022
Thursday Oct 13, 2022
すべての国境地帯に平和地区建設を
世界は、今も国境線を中心とした衝突地域が増えつつあります。このような紛争地域によって、世界は途方もない人命被害を被っており、数十億ドルに達する戦争費用と平和維持費を注ぎ込んで、あまりにも多くの資源と努力を消耗しています。しかし、どれ一つとして満足に解決の進展を見せる所はありません。
私はこの場で、国家を代表する国連と超宗教の指導者たちが心を合わせ、すべての国境地帯に平和地区をつくることを提案する次第です。山や川、あるいは平原や海を問わず、国境線と紛争地域の付近一帯を緩衝地区、すなわち平和地区にするという案です。
その場所は、国連の直接的な統治と管轄下に置くようにし、全世界から平和定着のために集まってきた人々が暮らせるようにするのです。国連は、そこが国連の創立趣旨と引き継がれてきた平和宣言の内容に符合する、最も模範的な地域となるように指導しなければなりません。
このような平和地区は、平和と繁栄、そして和解のための安息所です。そして、人種や性の差別がなく、人権の侵害や戦争から解放された典型的な地域です。さらにそこは、生態学的にも環境的にも、万象にとって楽園のような場所にならなければなりません。
このような平和と自由、生態学的な調和を追求する地域を確定するためには、該当国家が国土の一部を提供しなければならないという問題があります。私は、この提案に対して陣害となる実質的な問題点を解決するために、少なからぬ努力を傾けてきました。
私は、「冷戦体制の犠牲となった韓半島の分断と戦争には、摂理的な意味がある」と教えてきました。朝鮮戦争は、平和守護のために世界十六ヵ国の若者たちが国連の旗のもとで血を流した、歴史上類例のない聖戦になりましたが、いまだに平和統一は、未解決の課題として残されています。私が、摂理観に立脚して、平和世界の実現のための国連の厳粛な使命を考えるのも、このためです。
去る六月から進展した韓国と北朝鮮の和解と協力のムードが、このまま続いていくことを切に願います。南北が対峙してきた、韓半島の百五十五マイルの軍事境界線周辺の緩衝地帯すべてを、国連の管轄下の平和地区とし、そこに、人類が教訓を得ることのできる展示館と博物館、教育の場と平和公園をつくることに、国連が先頭に立ってくださるようお願いします。
私は、現在、南米のメルコスール(南米共同市場)地域に、約百二十万へクタールに達する肥沃な土地を準備しつつあります。国連の平和地区設定によって喪失した国土の代わりに、これを補償するためです。韓半島の南北の指導者たちに、その一部を寄付すると通告もしました。
私は、このような内容を明らかにすると同時に、心ある世界の指導者たちが、私の提示した趣旨に同参してくださるよう訴えるものです。そして、私と共に、国連管轄区域となる平和地区の確保のために、自らの土地と基金を喜んで寄付してくださるよう願ってやみません。平和地区は、国連の指導下で、自然と人間が共存する理想的な道義社会として建設されるでしょう。
世界平和地区造成のための基金創設
私は、既に二年前の一九九八年十二月に、「対話を超えて実践に向かう超宗教的理想の実現」という主題で開催された国際会議の席上で、世界の宗教指導者たちが集まる中、「世界平和基金」の創設を提案したことがあります。この時に参加したすべての宗教指導者たちは、世界の宗教者がまず世界平和のための基金の募金に率先する意味で、七数に該当する寄付金を出す運動を展開することを決議しました。
各個人と国家ごとに、各々経済的な状況が違うので、ある人は七ドルを出すのも精いっぱいかもしれませんが、七百万ドルを寄付する人もいるでしょう。
この世界に生きている、すべての宗教者が心情的に一つになるならば、基金の募金に積極的に同参するでしょう。そればかりでなく、このように集められた基金によって平和地区を造成し、平和に対する理想と知恵を教えることに用いることができるでしょう。
国連は、宗教者だけでなく、すべての国々に対して、毎年、自発的に平和基金を納付するように指導できるでしょう。富裕な博愛主義者や経済界の指導者、企業人をはじめとして、各界各層の指導者や団体、そして個人たちも、国連平和地区の建設に積極的に加担し、世界的な平和ムードの造成と募金運動をする上で、先頭に立たなければなりません。
私は、国連の上院の使命を果たす超宗教的な宗教議会の基盤とするために、「世界平和超宗教超国家連合」を創設しました。各国家から超宗教的な大使が、既存の大使と共に国連に派遣され、宗教議会、すなわち国連の上院を構成するのです。
超宗教的な理解と修練や、超国家的な平和理想を指導すべき国連の上院議員たちが担当する任務は、狭い視野で特定の国家の利益のみを代弁しようとすることとは正反対になるのです。彼らは、絶対者である神様のみ旨に従って、世界と人類全体の平和理想のための任務を遂行するようになるのです。
国連の上院議員となった超宗教大使は、一旦派遣されたら、それ以降は、国連の世界的なビジョンと議題を代弁できる、全地球星的な業務を遂行しなければなりません。そのような意味で、国連の国際大使とも言えます。
このような国連国際大使は、既存の国連大使と共に、世界のどこに赴いても、平和と福祉社会の具現のための共同運動を代表するようになるでしょう。また彼らは、地球上のあらゆる国で、正義、安全、平和の高い理想を守る、良心の守護者の役割を果たすようになるでしょう。
このような措置は、世界の市民たちと青少年たちに、希望とともに、愛と平和を追求する理想的家庭の安着を、直接確認する機会を提供するでしょう。選出された超宗派超国家的な大使は、各国の後援のもとに展開されている健康、教育、福祉厚生事業などの理想的なプロジェクトが、積極的に遂行されているかどうかも点検できるでしょう。
私は、様々な団体と組織を通じ、宗派と国籍を超越して、真の愛の教育を絶えず展開してきました。このように絶えず投入し、対話と和解の努力を展開した、過去数十年の歳月を通し、人類が一つになるための最も堅固な基礎は、正に真の家庭の理想から始まる、普遍的かつ核心的な愛であることが明確なものとなりました。
国連公認記念日制定
このような内容を土台として、私は、今から国連に属するすべての機構および組織の活動を促し、三つ目の提案をしようと思います。国連を率いている上位の政策を決定する人たちが、国連で定められた規定に従って、世界的な公認の日を制定することです。
私は、国連が「児童の年」、または「平和文化の年」のような多様な宣言的な日と十年周期の記念日を制定していることを知っています。私が勧めようとするのは、意義のある国連公認記念日を制定して、世界が毎年、その日を記憶し、記念するようにしようというものです。
すなわち、「真の父母の日」を制定し、世界的な祝祭の日として記念し、同時に、「真の家庭の日」を二つ目の世界的な記念日として制定することを提案する次第です。人種と宗教、文化を超越して、誰もが愛することができ、大切にできるこのような日を、みな一緒に祝うことによって、人間としての共通した真の根を確認し、真の家庭の大切さを確認できるようになるのです。併せて「国連軍の日」を制定し、国連の正義と平和維持軍の神聖な使命を宣揚するようになることを願います。
尊敬する指導者の皆様。私たちは今、一緒に心を合わせて努力し、宗教と世の知恵の中にある高貴な内容が、緊急で深刻な問題が存在する世界で援用され、適用されるよう、体制と組織を補完していかなければなりません。
このような体制は、超宗教指導者で構成された協議体が、国連の政治指導者および外交官たちと協力し、共同の歩調を取ることで成し遂げることができるのです。「世界平和超宗教超国家連合」は、絶対者と超越の世界(霊界)、そして永生と霊魂の問題に対する正しい指導とともに、このような目標のために献身していくでしょう。さらに、平和のための国連の努力に添って進み、神様を父母として迎える人類が一兄弟となって、宇宙一家庭を形成する、そのような永遠の愛と和楽の天国、神様の祖国を成し遂げていくでしょう。
専門識見と経験、そして知恵を備えた世界の指導者と国連関係者の方々は、私の提示したこのような理想をいかに補完していくべきかについて、よく御存じであると思います。
国連をはじめとする政府機構が、これを成し遂げられないときは、NGO(非政府機構)などの民間組織を通してでも、このことを必ず成し遂げるようになるでしょう。私たちが持続的な努力によって協力していくならば、必ずや地上に平和と幸福の理想が実現されるでしょう。
神様の祝福が、皆様の携わるお仕事と国連の上に、共にあることをお祈りいたします。ありがとうございました。
Thursday Oct 13, 2022
平和経 第368話
Thursday Oct 13, 2022
Thursday Oct 13, 2022
13.世界と国連が行くべき道
日付:二〇〇〇年八月十八日
場所:アメリカ、ニューヨーク、国連本部
行事:「二〇〇〇世界平和超宗教超国家連合」総会(真のお母様)
満場の貴賓、そして高名な各界の指導者の皆様。私はきょう、このように美しく厳粛な国際連合会議場で、皆様と共に、「世界と国連の行くべき道」に対する私の情熱と所見の一端を紹介することができ、心からの感謝をお捧げいたします。
世界平和実現のための国際機構再編の必要性
過去四十年余り、私が展開してきた超宗派、超国家の組織と活動の目的は、すべて神様と人間が共に望んできた平和世界の実現でした。平和世界に対するビジョンは、超宗派運動の核心でした。
人類は、二十世紀に凄惨な世界大戦を二度も体験し、そして七十年間の無神論共産思想の横暴と冷戦時代を体験しつつ、先鋭な対決と葛藤を経験しました。冷戦時代が終息し、世界はしばし平和のための祝杯を挙げることができました。
しかし、間もなく人類は、その冷戦の終わりが自動的に平和の時代へと連結されるわけではないことに気づきました。世界の至る所で、激烈な戦争が続いており、今も様々な所で殺戮戦が繰り広げられています。これらの紛争は、主要宗教間の根深い葛藤が背景になっていることは周知の事実です。宗派間の対話と和合がいかに重要であるかを悟らせてくれる事例です。
現代において宗教的な理想実現のための活動は、しばしば世俗権力と一定の距離を置いて行われてきました。今日の一般的な認識は、これを当然なものとして受け入れています。しかし、世界平和の理想に貢献する国際組織は、世界の偉大な宗教的伝統との関係を再検討すべき時になったと思います。
いかなる国際機関よりも、国連が良い例になるでしょう。多くの人々は、国連は世界平和のための人類の理想が制度化された組織であると思っており、これに期待をかけています。国連には、世界の問題を解決し、平和と人類繁栄を促進するために、共に働く、あらゆる国の代表者たちが集まっています。
しかし、国連で国家の代表者たちが世界平和を実現しようとする努力には、相当な障害があります。国連を通じて得た実績と成果を否定してもいけませんが、国連自体が改善されるべき点も多いと思われます。世界の政治家と宗教指導者が国連を中心として、互いに協力し、尊重する関係が切実に必要とされる時となりました。
本然の人間は、心と体が神様の真の愛に感応しながら一体となって生きるようになっています。心と体が闘わず、真の統一の起源を成し遂げるのは、人が神様に似たその息子と娘だからです。神様は心と体が闘いません。絶対者である神様は、自体内に矛盾や葛藤がありません。
レバレンド•ムーンが展開してきた超宗派•超国家活動
心と体が統一体となるという人間の理想は、神様の真の愛を完全に所有するときに達成されます。「平和をつくり出す人たちは、さいわいである、彼らは神の子と呼ばれるであろう」(マタイ五•九)という聖句も、神様を中心として心身一体の理想を成し遂げたことを前提とします。
ところが、人間は堕落によって、心と体が統一調和の基準を失ってしまい、葛藤を起こしながら自己矛盾の中で生きてきました。それだけでなく、個人の中で生じる心と体の葛藤と闘争は、家庭、社会、国家と世界に拡大されてきました。兄のカインが弟のアベルを殺害した犯罪も、ここに由来しています。
歴史始まって以来、この地球上で起こったあらゆる対決と戦争は、本質的に、より悪なるカイン側とより善なるアベル側との闘いでした。このようなカイン側とアベル側との闘いは必ず終息し、原状に復帰されなければならないだけでなく、心と体の対決も終わり、調和一体となって復帰されなければならないのです。
個人の心と体が統一されなければならない、その原理を、世界的な次元に適用、実践しなければなりません。この目的のために、私は、世界平和を具現するに当たって、心の世界を代表する「世界平和宗教連合」と体の世界を代表する「世界平和連合」と「世界平和島嶼•半島•大陸国家連合」を創設したのであり、また二つの世界の調和のための「世界平和超宗教超国家連合」などを創設しました。
人間社会の諸般の問題は、根源的に、単なる政治的な問題ではないため、社会的、政治的解決だけでは常に不十分です。人間社会のほとんどは政治的に統治されていますが、その一方で、大部分の国家的、文化的アイデンティティーの根底には宗教があります。実際、ほとんどの人々は、その心の中に、宗教的な忠節のほが政治的な忠誠よりもはるかに重要であるという認識をもっています。
国連の両院制構築の提案
今や宗教が、世の中でその真の指導力を発揮する時となりました。宗教人たちは、この時代の状況と様々な不正に対して責任を感じ、まずは深い自己省察をすべきであると思います。宗教人たちは、愛の実践において模範になれませんでした。自分個人の救いや、宗派の利益にきゅうきゅうとするあまり、世の中の救いに尽力できなかったことを悔い改めるべき時です。
今こそ、信仰生活だけでなく、愛の実践生活が求められる時です。神様は、私たち指導者、特に宗教指導者を召命していらっしゃいます。世の中の不義と罪悪に挑戦し、真の愛を施すことを願っていらっしゃいます。すべての宗教人が心を合わせて、神様の人類に対する熱望を代弁し、実行しなければなりません。
体と外的な世界を代表する政治家や外交家たちの経綸と実践だけではなく、心と内的な世界を代表する超宗教指導者たちの知恵と努力が合わさってこそ、平和世界が完全に達成されるのです。そのような点から、国連を再構成する問題まで深刻に考慮すべき時です。両院制の形態をもった国連を考慮することもできるしょう。
国家の代表たちで構成された既存の国連を、各国家の利益を代弁する下院と考えることができます。一方、著名な超宗教指導者など、精神世界の指導者たちで、宗教議会、あるいは国連の上院を構成することを、深刻に考慮していただくことをお願いします。このとき、超宗派的な宗教讓会は、地域的な個々の国家の利害を越えて、地球星と人類全体の利益を代弁しなければなりません。
そして両院が相互に尊重し協力し合うことによって、平和世界の実現に大きく寄与できるはずです。世界の指導者たちの政治的な経綸は、世界の偉大な超宗教指導者たちの知恵とビジョンにより効果的に補完できるでしょう。
Saturday Oct 08, 2022
平和経 第357話
Saturday Oct 08, 2022
Saturday Oct 08, 2022
技術平準化と対中国支援
私は、早くから技術の平準化を主張してきました。技術は、その恵沢が人類全体に及ぶようにするための神様の祝福です。先進国が技術力を独占し、それを手段として開発途上国に不利益を与えることは、もう一つの搾取であり、罪悪であると言えます。
このような傾向は、紛争と不和の火種となり、世界平和を脅かすことになるので、私は世界を助けるための技術力を蓄積することに多くの財力をかけて準備してきました。例を挙げれば、ドイツにおいて世界トツプクラスの四大会社を引き継いで育成を続けているのが、自動車のライン生産を含めた機械製作会社です。
また、電子技術力確保のために、日本で先端電子開発会社を育成し続けています。ドイツと日本以外にも、いくつかの先進国で技術基盤を広げていますが、このような背景と実力の基盤がなかったとしたら、私が中国と容易に提携することはできなかったでしょう。
単純な企業の運営を越えて、今回のこの自動車工業都市造成のための投資も、北京の最高指導者たちを啓蒙し、新しいアジア太平洋時代の同伴者としてしっかりと連結し、その結果が北朝鮮の金日成主席に影響を与えるようにするためのものです。
私は、この中国のプロジェクトを、私たちの安保と救国の次元から離れて考えたことはありません。一方、私は、一九七六年、アメリカのワシントンDCでの大集会で、将来モスクワで大きな集会を開くことを宣布しました。世界の碩学たちと宗教指導者、言論界の著名人士、芸術界の代表たちを通し、既にその基盤を築いているのです。
ソ連が金日成主席の説得に乗り出すべき
今、ソウルには私の招請でソ連のノーボスチ通信社のヤコブレバ編集局長をはじめとする五人の中堅言論人が訪問しています。彼らは韓国の発展した姿に驚嘆しており、帰路には日本共産党の様子を視察し、中国を経て、彼らが行きたくないと思っている平壌に必ず寄ってほしいと言いました。
韓国の発展した姿と鮮明な印象を北朝鮮の指導者たちにしっかりと伝えさせることによって、北朝鮮の指導者たちの誤解を防ぐのに一助とならしめるためです。彼らの一行には、韓国を紹介する一時間の記録映画を製作するチームがあり、ソ連に帰れば全国に放映することになっています。
そして、今度の十一月二十六日には、ソ連国営放送の会長、ノーボスチ通信社の会長など六人の代表的な言論人が、同じく私の招請でアメリカを訪問することになっています。今月の初めには、世界トップクラスのキーロフ•バレエ団のオレグ•ヴィノグラードフ団長がソウルを訪問し、私が設立したワシントンDCのユニバーサル•バレエ•アカデミーの学長を兼任することを確約しただけではなく、ソ連内で神様のみ旨のために多大な援助をすることを約束して帰っていきました。
また、十月二十七日から、ロシア正教本部と私が創設した国際宗教財団の共同主催によりモスクワで開催される、教会一致のための会議に、二十人の宗教学者と代表たちを派遣するつもりです。そして、遠からずモスクワで「世界言論人大会」を開催し、ソ連の改革と開放を側面から支援する予定です。
今回、始めた中国恵州の工業都市造成は、これから引き続き造成していく、アジア太平洋時代に備えた多目的工業都市四地区中の第一地区にすぎません。中国の大連•安東(丹東)地区、ソ連のハバロフスクと中国のハルビンを連結する地区、そしてソ連のウラジオストク地区が、残りの三地区です。
大連•安東地区は、新義州を通して北朝鮮にその恵沢が及ぶようにし、ウラジオストク地区は、北朝鮮の雄基(ウンキ)(羅先-ラソン)側と中国の延辺側にも恵沢が及ぶようにする計画です。
このような一連の事業と活動を通し、中国の指導部とソ連の指導部が韓国を正しく理解し、北朝鮮に直接的にも間接的にも大きな影響を及ぼすようにしてこそ、私たちの望む自由と民主の統一理想が実現するのです。
アジア太平洋時代の主役
満場の貴賓の皆様。私たちは、この先十年後には、新しい世紀を迎えます。分断と対決で綴られた二十世紀を終え、高い道徳と価値が尊ばれる和解の時代を迎えなければなりません。ソ連とアメリカの二つの軸が世界を管掌していた西欧中心の時代は過ぎ去っていくのです。
今、アジア太平洋時代が開かれつつあります。私が先ほど皆様にお話ししたように、この時代に備えた四つの工業地区の造成がいくら重要だとしても、政府主導や一国の主管だけで簡単に成就できるような事業ではありません。この事業は、世界的な基盤と多国的企業の特性を生かすことができます。また、基本的に平和世界のための愛の実践という宗教理念に基づいて世界の力を結集することは、私だけができることであると思います。
そこに犠牲や損失があったとしても、私は継続して推進していくつもりです。各界の指導者である皆様が、一つの教会やグループの次元ではないこの計画に対して、韓国が主体的な立場を守っていくことができるよう、挙国的な声援と参加をしてくださり、その成果が南北統一と世界平和として結実し、韓国が太平洋時代の主役となるよう助けてくださることをお願いします。
そして、これらの事業は、どの強大国の指導者も、韓半島やアジアの重要性と役割から見て、簡単に無視することができず、部分的にでも同参(一緒に参加すること)、あるいは支援をせざるを得ない、平和の基地造成事業となるでしょう。したがって私は、このような歴史意識によって、太平洋圏に推進してきた多角的な計画とともに、既にアメリカ、中国、ソ連の基盤を通して、東西首脳会談を推進しています。
ソウルの漢南洞国際研修院で、東西四ヵ国の首脳会談を開催することによって、世界に平和のムードを醸成し、その基盤と余韻をもって、金日成主席が真の平和の道へと乗り出せるようにするのです。
新時代の指導理念は神主義
満場の内外の貴賓の皆様。私たち人類は、思想的な葛藤を克服し、道徳性を回復した基台の上に、国際協力を通した愛の地球村家族の理想を実現しなければならない課題を抱えています。長い歴史を通し、人類の精神文化を創出してきたアジアから、新しい時代を指導する理念が現れなければなりませんが、それこそが正に私が主唱し、世界的に教育している「神主義」です。
そして、迫りくるアジア太平洋時代は、一つの隣同士のように近くなった地球村で、全人類が皮膚の色と文化の背景を超えて、共に調和して暮らしていかざるを得ない世界です。今、世界は、個々人の自己の存立のためにも、怨讐を想定できない和合の時代へと向かうように天運が追い立てています。
私たち韓民族は、神様を中心とした堅固な思想的基盤と正しい価値観のもとで生活することによって、新時代の導き手にならなければなりません。私たちは、小さな利害関係を超えて、国際関係に対する冷徹な認識のもとで、全民族的に団結した力を発揮して、アジア太平洋時代の主役にならなければなりません。
改めて、参席してくださった内外の貴賓の皆様に感謝を申し上げ、皆様の御家庭と皆様の携わる仕事に神様の祝福があることを祈りながら、これをもって御挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。
Saturday Oct 08, 2022
平和経 第356話
Saturday Oct 08, 2022
Saturday Oct 08, 2022
7.アジア太平洋時代の主役になろう
日付:一九八九年十月十二日
場所:韓国、ソウル、新羅ホテル
行事:中国パンダ自動車工業都市造成説明会
今晩、公私共にお忙しい中であるにもかかわらず、このように会場を埋め尽くしてくださった内外の貴賓の皆様に深い謝意を表し、中国の大規模自動車工業都市造成に関する説明に先立ち、これまで私が抱いてきた所信の一端をお話ししようと思います。
大転換期と韓国
皆様もよく御存じのように、今日、世界はアメリカとソ連を両極として維持されてきた東西冷戦時代は、これ以上存続できない状況となってきています。ソ連の開放政策、中国の改革と民主化の葛藤、そしてハンガリー、ポーランドをはじめとする東ヨーロッパ圏に起きている一大改革など、「革命」という言葉で表現されるにふさわしいもろもろの変化は、共産主義とその体制の限界と合わせ、従来の両極のイデオロギー対立の構造が崩れつつあることを証明しています。
国際経済の面でも、ヨーロッパ共同体が一九九二年まで単一市場として統合されるなど、世界経済は多元化、ブロック化の趨勢へと移行される転換期的状況を示しています。
このような変化と転換の時代に、韓国はいかに対処し、どの方向へと進んでいくべきでしょうか。韓国は、地政学的に非常に微妙な位置にあり、昔から強大国の勢力拡大のための要地となって、歴史的な犠牲を払ってきました。東西両極時代に代表的な苦難を経た我が祖国は、多元化と和解の時代を迎えたからといって、国益が保障され、民族的な問題が解決されたわけではありません。韓国を中心とした四つの強大国、すなわちアメリカ、日本、ソ連、中国は、韓半島にそれぞれ重要な関心と利害関係をもって互いに絡み合っています。
私は、このような韓国の状況を、神様の摂理的観点から世界と歴史の縮小体として見つめています。ですから、すべての歴史的関係と世界的問題が、直接的、間接的に、ここ韓半島に連結しており、したがって韓国は世界問題の縮小体であり、世界問題の解決は韓国問題の解決と不可分の関係にあります。
神様の平和理想のための特別精誠
満場の貴賓の皆様。私は早くから天の召命を受け、神様のみ旨を地上に実現するために生涯を捧げてきました。韓民族が神様の摂理の中心民族であることをよく知っている私は、歴史を通じたこの民族の受難の意味を人とは異なる解釈をしながら、分断韓国を統一祖国へと転換させることが、正に平和世界の実現と直結することを確信しています。共産主義とその体制が黄昏(たそがれ)時を迎えたからといって、現今の自由世界が、その思想的な代案を提示できると思いますか。
自由民主主義を信奉する西欧社会の矛盾性を、何によって克服していくのでしょうか。私は「八•一五光復」と「六・二五動乱」を通した分断民族の悲惨な運命を直視しながら、南北統一時代に備えた思想を確立し、国際的基盤を築くことに私の生涯をかけると天に誓約し、これまで四十年間以上、努力してきました。
韓半島の周辺、特にアメリカ、日本、ソ連、中国に対して、私たちが主体的な力量を発揮しながら彼らを動かし、南北統一の支援勢力として動員し、確固たる自由民主の思想的基盤の上に平和統一を成し遂げることが簡単なことでしょうか。もし、ソ連と中国が北朝鮮を支援しないよう積極的な対策が練られるとすれば、どれほど幸運なことでしょうか。
この説明会の場は、一つの企業体の中国進出について説明する単純な集会ではありません。財力に基づく利潤追求を目的としたプロジェクトでもありません。私は、神様の平和理想を中心として、中国大陸のために三十年以上も前から特別祈祷の精誠を捧げてきました。一次的には、彼らの開放を助け、技術支援を通じて近代化を助けながら、私たちと善隣の関係を結ばなければなりません。
国際平和高速道路と日韓トンネル
私は一九八一年、第十回「科学の統一に関する国際会議」において国際平和高速道路計画を発表し、その事実を世界百二十ヵ国の元首に公文で知らせたことがあります。日本の東京から日韓の海峡をトンネルで連結し、ソウルと平壌を経て中国の北京に至り、モスクワ方面と中東方面との二つに分かれ、ヨーロッパの各所、そしてロンドンに至る記録的な大土木工事となる国際高速道路計画です。
一九八二年から、日本で千五百人余りの学者と実業家たちがトンネルに関する研究会を組織し、政治、経済、技術、地質調奄など四つの環境分科に分かれ、活発な研究と予備探査を終え、佐賀県の名護屋で、既にパイロットトンネルが掘られています。中国政府も非常な関心をもち、既に安東•北京間の約千キロに対する路線を決定するために、専門家との協議が進行中です。
私は、中国との交流が困難だったころから、何度も人を送り、彼らへの近代化援助を協議するとともに、延辺(えんべん)大学に工科大学を建ててあげ、毎年五十万ドル相当の実験機器を支援し、交換教授、留学生の派遣などを助けています。
私が設立した国際救護親善財団を通して様々な支援をする一方、アメリカのコーチたちを派遣し、体育の発展を助けています。そして、中国の学者たちに「統一思想」を研究できる機会を設け、彼らが思想的な混乱を克服できるよう支援しています。
尊敬する貴賓の皆様。中国はいまだに共産主義に固執している国です。六四天安門事件が起こったとき、ほとんどの自由世界の経済人たちは中国から撤収してしまいました。
そのような中で、私は自動車工業を推進している実務者に、少しも動揺せず、より一層積極的に推進するよう指示し、六月二十七日、広東省恵州の現地で大々的な起工式を行いました。
困難な事情に追い込まれた中国の指導者たちに、大きな恵沢を与えることによって、深い心情的関係を結び、共に大局について議論し、太平洋時代に共助できるようにするためです。先にも述べましたが、中国に進出する私の動機は、目前の利益を追求するためのものではなく、天のみ旨に従うところにあるのです。
Saturday Oct 08, 2022
平和経 第348話
Saturday Oct 08, 2022
Saturday Oct 08, 2022
1.ウォーターゲート宣言文
日付:一九七三年十一月三十日
内容:米紙「ニューヨーク•タイムズ」全面広告
私は十六歳(数え)の時以来、絶えず神様の啓示を体験してきました。そのため、私は今まで世界に対し数多くの奥妙な神様の啓示を宣布するようになりました。
神様の啓示でアメリカに来る
一九七二年一月一日、神様は、私の祈っているときに再び現れて、「アメリカに渡り、アメリカの人々に希望と団結をテーマに叫びなさい」という厳粛な啓示を与えてくださいました。神様の召命に従って、私は、「希望の日」講演会を全米で開催することになりました。そして現在、進行中であるアメリカの全国巡回講演は、「希望と団結」というテーマのもとに、一九七三年十月一日、ニューヨークのカーネギー•ホールを皮切りに、二十一ヵ都市を巡回する予定です。
ニューヨークでの講演に続き、ボルティモア、フィラデルフィア、ボストン、ワシントンDC、ニューオリンズ、ダラス、タンパ、ならびにアトランタなど、合わせて九ヵ都市で既に講演を終えました。これらのアメリカの各都市では、とても温かくて親切な歓迎を受け、私は深く感動しております。とりわけ、ボルティモア、ワシントンDC、ニューオリンズ、ダラス、タンパ、アトランタの市長、そしてジョージア州知事の方々が、私のささやかな努力に大いに賛同し、「希望と団結の日」を宣布してくださったことに対して、心から感謝申し上げます。
私は今回のアメリカ巡回ツアーの中で、深刻な悩みの中で呻吟するアメリカを発見しました。アメリカの道徳的、精神的没落は、実に悲しく衝撃的なことでした。アメリカ国民は、精神的にも、心霊的にも、致命的な傷を負っており、ウォーターゲート事件によって、抜け出すことのできない悲劇の中で身もだえしている姿をはっきりと見せつけられました。恐らくこれはアメリカ史上、空前の危機と言っても過言ではないでしょう。今日、アメリカが直面しているこのような事態は深刻なものです。それは政治的、経済的、社会的な問題だけではなく、人間の心の危機なのです。この悩みはホワイトハウスの一人に限定された悩みではなく、私たち全体の悩みであり危機であると私は思います。
一九七三年十一月十日、私は四ヵ月間の「希望の日」の巡回講演の途中、二週間を割いて、韓国に一時帰国し、深刻な祈りと瞑想の中で、アメリカの難局をいかに打開し、どこから新たな希望を見いだせるか、ということについて身もだえする時を過ごしました。今日私たちは、アメリカの煩悶について、あまりに多くの声を聞いています。何が間違っているのか、誰が悪いのか、これはこうしなければならない、それはそのようにはできないなど、人それぞれが叫ぶ世論の声を聞きます。悪辣な非難は、今やアメリカ人の茶飯事となりつつあり、痛烈な憎悪は、アメリカ人の霊魂を枯らしつつあります。
「大統領を弾劾せよ」という多くの人たちの怒りのこもった声が次第に高まりつつあります。世論は無数に分裂し、人々の心は荒れすさぶばかりです。アメリカの大統領をその職にそのままとどまらせるべきか、それとも辞職させるべきか、という深刻な問題は、暗澹たる現実的問題となっているのです。
アメリカの危機は神様の危機
私たちは一九六三年に、アメリカのケネディ大統領が、同じアメリカ人の凶弾に倒れたのを目撃しています。しかし、今日、アメリカ国民は、知らず知らずの間に、もう一人の大統領を徐々に死へと追いやりつつあるという恐るべき事実を、どれだけ認識しているでしょうか。ケネディ大統領を貫いた弾丸!その弾丸は、たとえ悲劇を招いたものだとしても、アメリカ国民の思いを悲しみと懺悔によって一つに団結せしめたのです。しかし、今日、もう一人の大統領を死に追いやりつつある悪という弾丸は、大統領を破壊させるばかりではなく、その巻き添えに国までも破壊する恐るべき弾丸なのです。
悪と不信の争いに、勝者はいません。心あるアメリカの人々は今、アメリカの将来について深刻に心配していることと思います。アメリカは、今やこの致命的な一撃を被ったために、再起不能になってしまうのでしょうか。
アメリカのこの真っ暗で暗澹たる歴史的瞬間に、どうしたことか、誰一人としてその解答を神様に求める声が聞こえてきません。アメリカのこの受難の時期に、「果たして神様のみ旨は何か」と問う人の声を聞くことができないのです。アメリカが本当に「神様のもとでの一つの国家」であるならば、この難局に対する解答は、必ず神様からやって来るというのが鉄則ではないでしょうか。
私は、アメリカの脈拍に耳を傾け、鼓動の音を聞いているのです。しかし、みな大変なことになったと言いながらも、神様にその進路を尋ねる人がいません。アメリカが引き続き混沌の中で、あれこれとあげつらい、騷々しく騒ぎ立てている間に、国は一歩一歩と奥深く火の中に陥りつつあるのです。
今こそアメリカは、「我々は神を信ず」という精神を発揮する時ではないでしょうか。その精神こそがアメリカの建国精神でした。正にその精神ゆえに、神様はこの国を祝福されたのです。その上、アメリカは神様の世界摂理史において、今その重大な使命を遂行しているのです。
神様にとって、今日のアメリカはとても重要です。アメリカの危機は、取りも直さず神様の危機なのです。ですから、アメリカの問題に対する解答は、神様から来なければなりません。神様だけがその解答を知っておられるのです。それで私は神様に祈ってみました。神様がその解答を下さるよう、神様に談判する祈りの時間をもったのです。やはり神様は答えを下さいました。神様が語られた最初の言葉は「赦しなさい」というものでした。
アメリカは赦さなければなりません。誤りがいかなるものであれ、過ちがいかばかり大きなものであれ、アメリカは赦しの美徳を行わなければなりません。ウォーターゲート事件は大きな過ちです。しかし、それは、ある特定の一人の人の過ちではなく、アメリカ全体の過ちであり、アメリカ国民全体の過ちなのです。これはアメリカが共同で責任を負わなければならないことなのです。
主の祈りにはこうあります。「我らに負債のある者を我らがゆるしたるごとく我らの負債をもゆるしたまえ」と。今日、アメリカが、神様に赦してもらうことを望むならば、まずは私たちが互いの罪を赦し合わなければなりません。ウォーターゲートは、アメリカ大統領一人の試練ではありません。アメリカ人全体の信仰の強さの試練なのです。
この国は果たして致命的な危機に直面しても、神様に対する信仰を堅持していくことができるのか。この国は果たして、二百年前の建国当時の美しいキリスト教の精神と伝統を今も維持していくことができるのか。この国は果たして、寛大さと互いに赦し合う愛の精神を発揮できるのか。
これはまさしくアメリカ国民全体の試練なのです。昔、ニューイングランドに上陸したアメリカの最初の移住民たちも、その当時、多くの致命的な過ちを犯しました。しかし、彼らは、神様に対する一つの共通した信仰と精神ゆえに、彼ら自らの過ちを克服しただけではなく、この国を繁栄へと導いてきたのです。
聖書を見ると、律法学者やパリサイ人が、姦淫の女性をイエス様のところに連れてきて、イエス様を試みた話があります。律法によれば、姦淫の女性は石で打たれなければなりませんでした。しかし、イエス様が、この女性を通して教えてくださった教訓は「赦し」でした。「あなたがたの中で罪のない者が、まずこの女に石を投げるがよい」とイエス様は叫ばれたのです。
今は赦しと愛の必要な時
その言葉を聞いた群衆は、年寄りから始まって、一人一人静かに去っていきました。ついに群れのすべての人がいなくなって、イエス様と女性だけが残りました。イエス様はその女性に「女よ、みんなはどこにいるか。あなたを罰する者はなかったのか」(ヨハネ八•一〇)とお尋ねになるとその女性は「主よ、だれもございません」(ヨハネ八•一一)と答えました。
するとイエス様はその女性を起こして、「わたしもあなたを罰しない。お帰りなさい。今後はもう罪を犯さないように」(ヨハネ八•一一)とおっしゃいました。誰もあえてその女性に石を投げる者がいなかったのです。今は、誰一人として罰する石を投げる時ではありません。今は皆様がお互いに罪を審判する石を投げ合っている時ではありません。本当にやむを得ず石を投げなければならないのなら、自ら自分を審判する石を投げてください。そうすれば神様は赦してくださるでしょう。イエス様はその女性をそのまま帰らせたように、ウォーターゲートをそのまま帰らせてください。そして二度とウォーターゲートを繰り返さなければよいのです。
私はまた、ニクソン大統領のために多くの祈りを捧げました。私は、「ニクソン氏という人に対して、私たちはどうしたらよいのでしょうか」と率直に神様に尋ねてみました。すると神様は、「愛しなさい!あなたの義務は愛することである」と答えてくださいました。私たちは、リチャード•ニクソン大統領を愛さなければなりません。イエス•キリストは自分の敵さえも愛しました。皆様は、自分の大統領を愛することができないのでしょうか。皆様の家族の中で一人が事故を起こしたら、皆様はどうしますか。彼をけなし、非難し、突いて投げ出しますか。もちろん、そうはしないでしょう。皆様はその家族を助けるでしょう。愛するでしょう。無条件に慰め、愛するのです。皆様は、ニクソン氏を皆様の兄弟の一人として愛さなければなりません。皆様は、アメリカの家長を愛さなければなりません。皆様は、自分たちの大統領を愛さなければならないのです。この国は神様の国です。ですから、アメリカ大統領は、天が与えてくださった聖職です。神様は民意を通じてアメリカの大統領を任命されるのです。
アメリカの大統領は、手を聖書の上に置き、神様のみ前に誓いを立てて、初めて大統領になります。歴史の現時点においては、神様はニクソン氏を選び、アメリカの大統領にお立てになったのです。ですから、ただ神様だけが彼を解任する権限をもっておられるのです。私たちの唯一の義務は、ひたすら大統領の聖職を支援することだけです。もし神様が自らお選びになった人が不適切であると認定されるのであれば、神様はニクソン大統領の良心を通して、そのみ旨を彼に現されるでしょう。私はそのような能力をもっていらっしゃる神様を信じます。
最後に、神様から受けた戒めは、「団結せよ!アメリカは団結しなければならない」というみ言でした。アメリカは赦しの精神で団結しなければなりません。アメリカは愛の精神で団結しなければなりません。愛は団結の原動力です。アメリカは過去において団結するすべを知る国民だったのであり、団結することによって偉大な国を地上に建設した伝統があります。アメリカは五色人種と数多くの国籍の人々と数多くの宗教が合わさって調和を形成した美しい国です。その調和の原動力は、神様を中心とした信仰であり、相互信頼の精神なのです。
アメリカの危機は世界の運命と直結
アメリカの今日の危機は克服することができます。私たちは今正に、神様に対する信仰を回復し、愛で団結することによって危機を克服しなければなりません。アメリカの運命は世界の運命と直結しています。アメリカが成功するか失敗するかが、神様の計画に影響を与えるのです。神様の現代の摂理において、アメリカは選ばれた勇士です。アメリカの建国二百周年記念を数年後に控え、神様はアメリカをウォーターゲート事件によって試しておられるのです。アメリカは当然、赦しと愛によってこの試験に合格しなければなりません。
信仰を復活させましょう。神様に対する信仰は、アメリカの繁栄の原動力ではなかったでしょうか。アメリカは現代のダビデとして、悪なる現代のゴリアテに勝利すべき宿命的な使命があると私は思います。アメリカは神様のみ旨に従わなければなりません。それ以外に、アメリカの生きる道はありません。
アメリカの人々にこのような話をする私は誰でしょうか。私はアメリカ市民ではありません。私は韓国人であり、アメリカに来た客です。しかし、私は誰よりもアメリカを愛するからこそ、このような話をするのです。私はアメリカを自分の国のように愛しております。神様はアメリカを愛していらっしゃいます。また私は神様を愛していますし、神様は私の父であられます。父の国はすなわち息子の国ではないでしょうか。アメリカは、アメリカを最も愛する人のものです。私は、アメリカの出来事が、自分のことのように心配になります。正にこのような思いから、私はあえてウォーターゲート問題に対し、僭越ながら言及する勇気をもつに至ったのです。その上、私は長い間、待ちました。長い間、待ちに待っておりました。私でなくても、誰か偉大なアメリカの精神的指導者たちが、アメリカを精神的に引っ張り、この暗澹たる状態から、ウォーターゲートを越え、神様に対する信仰によってアメリカを一つにする運動を始めることを心待ちにしておりました。
しかし、残念なことに、誰一人としてアメリカの精神的指導者たちが勇気をもって立ち上がり、赦しと団結を叫ぶその声を聞くことができませんでした。荒野のように荒れ果てて、荒涼とした今日のアメリカを団結へと導いていく「荒野で呼ばわる者の声」を耳にすることはできませんでした。そうこうしている中で、神様は再び私に現れて、「恐れるな!ニネベの町を悔い改めさせたヨナを思い起こせ。信ずるところを叫べ!」とおっしゃいました。私は神様の命ずるままに動いたにすぎません。
私たちはアメリカのために祈る
世界の統一教会の創立者である私は、ここに、十二月一日から、私たち教会員によって千日断食祈祷を実施することを厳粛に宣言いたします。このことを通じて私たちは、アメリカの伝統的キリスト教の信仰に立脚した愛と赦しの精神で、ウォーターゲート事件によって引き起こされた危機を克服する一大覚醒運動を起こすのです。私たちは「希望と団結の日」のための一大精神革新運動を、挙国的な次元で出発するのです。
今は本当にアメリカにとって、道徳的危機であり、意気消沈の日です。しかし、この日はまた、アメリカ人たちがこの国の偉大さと信仰と勇気を誇示できる、いまだかつてない機会でもあります。歴史を通して、偉大な国民は、その国民性の偉大さを、平時においてではなく、危機の状況のもとで常に証明してきました。今は正に神様を信じる偉大な国民であるアメリカ人たちが、偉大な国民らしく行動すべき時です。そうなれば、この日は新しい希望の日となり、団結の日となるでしょう。「我々は神を信ず」というこの言葉に、アメリカの興亡の鍵があります。アメリカは神様のみ旨を目指さなければなりません。そして、アメリカの歴史におけるこの時点において、アメリカに対する神様の啓示は、「赦せ、愛せ、団結せよ」という三つの言葉なのです。
Wednesday Oct 05, 2022
平和経 第364話
Wednesday Oct 05, 2022
Wednesday Oct 05, 2022
私たちは、海に囲まれた半島国家が歴史的に貴重な文明を花開かせたことを知っています。偉大な宗教理念や思想の多くが半島国家で発生し、人類の精神世界を指導してきました。バルカン半島で発生したギリシャ哲学、イタリア半島で花開いたキリスト教文化、インドのヒンドゥー教文化と哲学、アラビア半島のイスラーム文化、東南アジア半島で結実した仏教文化、イベリア半島での航海術、スカンジナビア半島でのノルマン文化などがそうです。このように、半島国家は世界文化史に最も大きな影響を及ぼしました。
人類歴史において文明が発展していく流れを見ると、河川流域から発生した古代大陸文明は、ギリシャ、ローマ、イベリアなどの半島文明に移動していきました。その半島文明は、イギリスを中心とした島嶼文明に移り、その島嶼文明は再びアメリカを中心とした大陸文明を経て、日本の島嶼文明に戻ってきました。今この文明の巡礼は、韓国において半島文明として結実しなければならないと見るのが摂理観です。
別の方面から見ると、ナイル川とチグリス川など河川沿岸の古代文明が、ギリシャ、ローマ、スペインなどの地中海を中心とした文明へと移りました。その文明は再び、イギリスとアメリカに続く大西洋文明へと移り、この文明はまた、アメリカ、日本、韓国をつなぐ太平洋文明として結実するようになります。イタリア半島で結実して世界化されることがメシヤのみ旨だったので、イエス様の再臨、すなわち真の父母の再臨によって摂理の中心にならなければならない所は、半島国家である韓国であるとみるのです。
地球は陸地と海洋から成り立っています。海は、最も単純な生命が誕生して以来、母の役割を果たしてきました。このように、海は、養育し、抱いてくれるので、女性を象徴し、陸地は男性を象徴すると考えることができます。したがって、海洋に位置する島嶼国家は女性を表す国家であり、大陸国家および大陸に連なっている半島国家は男性を表す国家だと言うことができます。
特に半島国家の国民には、大陸と海の両面からの敵に備える生活から生まれた強靭さと勇猛さがあります。また、開拓し、探険する進取の気質に富んでいるので、きらびやかな文化を花咲かせ、またそれを世界に伝播するようになったのです。新たに千年を迎えなければならない時点において、半島国家は、摂理的に貴重な使命を果たさなければならない国々です。これらの国は、これまで世界文化に寄与した功労と共通した経験を半島国家連合として結集し、平和世界を実現するために先導的役割を果たさなければなりません。
尊敬する指導者の皆様。今まで私は、人類が平和世界で幸せに暮らすことのできる道を教えてきただけではありません。困難な開拓を行い、平和世界を実現するための様々な組織を創設しながら、多大な支援によって育成しています。「世界平和連合」、「世界平和宗教連合」、「世界平和女性連合」、「世界平和青年連合」、「世界平和学生連合」、「世界平和教授アカデミー」、「世界平和島嶼国家連合」などは、すべてこのような目的のために創設された組織です。今回、「世界平和半島国家連合」を創設するのも同じ目的です。
人類の幸福と平和理想を実現するには、多くの障害があります。政治的、経済的利害関係の衝突をはじめ、様々な否定的要因が数多くあります。その要因の中で最も根本的なものは、人間が自己の中で心と体が衝突を起こし矛盾していることです。長い人類歴史を通して、この心と体の葛藤は、完全に解決されたことはありませんでした。人間始祖の堕落の結果が、このように深刻で悲惨なのです。
自らの内に矛盾と葛藤をもった人たちが家庭を形成しているので、その家庭が完全に和合一体を完成することができるでしょうか。特に、真の愛による心情の完成的な体恤もなしに、愛の責任性も忘却したまま、倫理、道徳の完全な基準を立てられないとき、家庭は揺れ、破壊されるのです。家庭が壊れるのに、平和な社会、国家、世界を期待できるでしょうか。
私は、去る七月三十日から八月一日まで、アメリカの首都ワシントンDCで「世界平和家庭連合」創設大会を開きました。ジェラルド•フォード、ジョージ•ブッシュの二人の元アメリカ大統領をはじめ、四十ヵ国の元•現職国家元首および首相と世界の百二十ヵ国以上の代表が一堂に会し、歴史的な世界大会を開催したのです。これは、これまで私が、真の愛の平和世界実現のために生涯を捧げて築いた世界的な組織と基盤の上に創設した、最も貴い機構です。
今日、人類は、神様の真の愛の中で心と体の調和、一体を完成することによって、本然の人間性を回復しなければなりません。人類は純潔運動と真の家庭実践運動を通じて、永遠の幸福の基盤を築かなければなりません。そのためにこの機構をつくったのです。
神様の経綸と歴史の帰趨を見ると人類は、国境と人種を超越し、神様を真の父母として侍って生きていく巨大な一つの家族です。一つの世界家族として、一つの囲いの中で調和して協力すべき運命共同体なのです。これ以上、隣人と他国の困難が私と無関係ではあり得ない時代が来ました。
私たちは、人類が戦争と犯罪、麻薬と暴力、環境汚染と生態系の破壊、倫理の退廃とエイズなどに巻き込まれ、落ちていくのを傍観することはできません。これから私たちは、神様と歴史の前に応えなければなりません。大きく和合して一つにならなければならない人類が、何をもって、どのように現実を克服し、迫りくる新千年紀を希望の中で迎えることができるでしょうか。
そして、個体や自国の利益を超えてために生き、信頼しながら生きる平和世界を形成し、またこれを支える新しい価値観をどのようにして確立するのでしょうか。科学技術の燦爛たる楼閣の上で、人本主義の眼鏡をかけて偶像崇拝に誘惑されるのではなく、本心の扉を開けて謙虚に答えを探さなければならないのです。地上で見いだせなければ、天から来る声を通して解決しなければなりません。
今回の皆様の討議が、平和世界の夢を実現するために、大変有益で意義のある会議となることを願います。皆様と皆様の御家庭に神様の御加護がいつも共にあることを祈ります。
Wednesday Oct 05, 2022
平和経 第363話
Wednesday Oct 05, 2022
Wednesday Oct 05, 2022
10.二十一世紀における半島国家の役割
日付:一九九六年八月二十日
場所:韓国、ソウル、シェラトン•ウォーカーヒル•ホテル
行事:「世界平和半島国家連合」創設大会
尊敬する議長、全世界からお越しの貴賓、韓国各界の代表、ならびに紳士淑女の皆様。人類の福祉と平和世界の実現のための皆様の労苦に称賛の意を表します。また、私の祖国である韓国の地を訪ねてくださった皆様を歓迎いたします。二十一世紀まで四年を残した現時点において開催される今回の会議が、人類に平和世界に対する確実な希望を与えてくれる意義深い討論の場となることを願いながら、人類の究極的な理想と世界平和実現に対する私の考えを表明することにいたします。
私は、世界の主要強大諸国が、理念と資源をめぐる戦争を起こすことによって、多大な苦痛を受けた韓半島で育ちました。私は幼いときから人生と宇宙の根本的な疑問に対する答えを探そうと尽力してきました。生きておられる神様を体恤によって知り、また、その神様が歴史の中で人類と共に歩んでこられた真の愛の主人であられることを知りました。罪と矛盾と闘争に満ちあふれたこのような世界を、神様が計画し、創造したとは、私には信じられませんでした。
今ここで青少年期の経験を長々とお話しする時間はありません。ただ、私の青少年時代は、真理の探究のために没頭し、身もだえする生活だったことを申し上げておきたいと思います。私が究明した、統一教会の教理解説書である『原理講論』は、平凡に得られたものではありません。「原理」の根本は、胸の痛む祈祷の中で、イエス様をはじめとする霊界の聖賢たちとの交流はもちろんのこと、神様との深い交流によって探し出したものです。妨害するサタンとの血闘戦で得た勝利の結実です。私は、この「原理」の教育と実践によって人類を指導するために、緊張の中で生涯の一瞬一瞬を捧げています。「原理」は世界百八十四ヵ国に伝播され、人をして、生きた神様と生命ある関係を結ばせ、その人生を変化させています。
私たち人間は、神様によって創造されたので、神様と関連した夢と理想世界に向かうことを熱望する心をもって生まれました。いかなる悲惨な環境の中でも、人間は理想的な平和世界に向かう希望を捨てません。「理想世界」というときの「理想」とは、原因者であられる神様に由来したものです。神様は、権力や栄光、または富のために世界をお造りになったのではありません。神様には、権力、栄光、富に対する欲望はありません。絶対、唯一、不変、永遠であられ、万有の原因者であられる神様は、これらすべてを、既にもっておられるからです。
しかし、神様がいかなる欲望ももっておられないと考えるのは正しくありません。神様は真の愛の本体としていらっしゃいます。神様も愛を体恤されるためには相対が必要です。愛とは、主体と対象の関係、すなわち相対と関係を結んでこそ可能な経験であり、喜びだからです。いかなる存在も、一人孤立して愛を感じることはできないのです。神様も例外ではありません。神様の創造の動機は、真の愛とその対象である真の人です。神様は、御自身と自由に愛を与え合うことのできる存在として人間を創造されました。人間は神様の完全な愛の対象体として造られたのです。人間は、神様の息子と娘です。創造主である神様は、人間の真の父母であられます。
神様は、アダムとエバが真の愛を中心として純粋に成長し、真の人になることを願われました。神様は、彼らの外的で生物的な成長のための足場として、美しく繊細に準備した環境である万物世界を創造されました。このような環境の中で、人間は成長して大人になり、発展します。
神様は、人間の内的性稟と愛の人格に、より深い関心をもっていました。彼らは、真の愛の経験を通して神様の真の愛に似て完成するのです。愛の力は、内的で非物質的な力の中で最も強力なものとして創造されました。人間はそのような愛の力を、神様の愛と神様の法度の中で体恤することによって、父母であられる神様に似るのです。
人間が無限な真の愛の主人になるためには、責任性を遵守しなければなりません。人間は、真の愛によって神様と一体となって神様に似るとき、初めて愛の完成体、完全な人格を所有するようになるのです。神様の愛が、人間の幸福と生命と理想の源泉となる理由もここにあります。アダムとエバは、神様の真の愛の中で真の男性と真の女性となったのちに、互いが真の愛によって真の夫婦となり、その次に子女をもって真の父母となるようになっていました。
人間は、成長期間を通じて神様の真の愛を段階的に体得していきます。人間は生活の中で父母の愛を通して子女の心情を感じ、兄弟の愛を通して兄弟の心情を感じ、夫や妻の愛を通して夫婦の心情を感じ、子女を通して父母の心情を体恤するようになっているのです。この四つの愛と心情がとどまる基台が家庭です。
ですから、家庭は人間の愛と幸福と生命と血統の基地になるのです。家庭以外には、いかなる所でも四つの愛と心情を学び、体恤することはできません。愛は経験を通して感じ、知るものだからです。人間個々人や家庭、社会、国家や環境の完成は、家庭の中における真の愛の具現を根拠としています。
世界の現実はどうでしょうか。人類は、技術の発展によって生活が便利になったにもかかわらず、人間性を喪失するなど深刻な危機を迎えています。戦争と葛藤、暴力と犯罪、そして麻薬など、ありとあらゆる病弊が人類を不安にさせています。さらに深刻なことは、若者たちの性道徳が急激に崩れ、離婚率が急増し、幼い未婚の母の問題と家庭破壊が人類社会の根底を崩しています。
人々は、様々な面において平和と幸福を追求し続けてきましたが、満足できる成果を得ることはできませんでした。第一次、第二次世界大戦が終わり、戦争を防止するために創設された国際連盟と国際連合の二大機構が、全世界的な活動を展開してきたにもかかわらず、いまだに平和世界は訪れていません。
宗教団体の努力でも幸福な世界は実現しませんでした。また、国際共産主義の理想やファシズムの夢でも理想世界の実現は失敗しました。高度の技術も、政治的な努力も、人類に平和と幸福をもたらすことはできませんでした。これは、人間の不幸と苦痛の根源が、神様に背いた堕落に由来しているのに、その根源から問題を解こうとしなかったからです。
アダムとエバは、性関係を結ぶことによって神様の原理から離れるようになり、真の愛の中で自ら成長する前に子女をもつようになりました。アダムとエバは、神様を不信し、結果的にサタンに従って偽りの夫婦、偽りの父母となることによって、人類歴史が出発したのです。彼らの子孫が、神様の創造理想とは関係のない、罪と戦争と苦痛の中で生きることになるという結果を招来したのです。神様の心情は、どれほど悲しみに打ちひしがれたことでしょうか。
神様は何としても、本来計画された真の愛と平和の理想を回復されなければなりません。神様の救援摂理は、原状復帰の摂理、すなわち復帰摂理です。このような復帰摂理のために宗教を立てられ、善の版図を広げてこられました。
神様が送られるメシヤは、この復帰摂理を完結させる全責任を負って来られる方です。したがって、メシヤは真の父母として来られ、根本から正して回復しなければなりません。メシヤとして来られたイエス様は、真の父母の使命をもってこられました。彼は地上において、人類を真の愛で重生させ、真の人、真の夫婦として回復させ、真の父母となるようにするために来られたのです。不幸にも、彼は地上の不信によってみ旨を完全には果たすことができずに、逝かれながら再臨を約束されました。真の父母として再び来られ、神様の創造理想を完全に回復しなければならないからです。
イエス様はユダヤの地にお生まれになりましたが、ユダヤだけのためのイエス様ではありませんでした。メシヤであり、真の父母の立場で来られたイエス様のみ旨は、地上に神様の理想、すなわち真の愛の平和世界を実現することでした。当時、ユダヤはローマ帝国の属国でした。イエス様のみ旨がユダヤを基盤として成就され、さらにローマを経て世界まで成就されることを願われる神様の摂理があったのです。
Wednesday Oct 05, 2022
平和経 第360話
Wednesday Oct 05, 2022
Wednesday Oct 05, 2022
皆様。今、創設される「世界平和連合」は、過去の「国際連盟」や「国際連合」とは異なり、真の本然の平和理想と真の父母の理想をもって、最終的に世界平和を達成しようと雄大な新しい出発をしました。人間同士だけで平和を謳歌しようとするのではなく、神様の中で、神様と共に平和を謳歌しなければならないという斬新な覚醒がなければなりません。世界平和の中心は神様であられ、その原動力は真の愛なのです。
世界平和を熱望する貴賓の皆様。きょうこの殿堂には世界各国の政界、学界、各宗教の代表者たちが一つの屋根の下に集まりました。そして、特に最近まで東西に分かれて冷戦を続けていたその両陣営の代表者たちが、東西という障壁の意識をもつことなく、ただただ和解と協調の精神で参席しました。
一九八九年十一月九日に、ベルリンの壁が崩れた時から、世界は正に改革と変遷、和解と親善へと駆け上がっています。世界平和の道が、今や大きく開かれました。
今、私たちは、きょう宣布される平和獲得の大原則に立脚して、真の平和を成し遂げる時であり、発展途上国の貧困を解放し、強大国は犠牲を払ってでも、発展途上にある新しい民主主義国家を手助けしなければなりません。各国家における政策が利己主義を克服する、それ自体が大革命です。その方法は、私たちすべてが父母の位置に上がっていって見つめることです。そうすれば、すべての国家が兄弟にならざるを得ません。一組の父母のもとに一つの兄弟、社会、国家を形成することのできる歴史的な機会に直面しています。
来たる九月の国連総会に、韓国と北朝鮮が共同で加盟することになっています。これは、私たちが平和世界を指向するまた一つの画期的発展です。そうなれば、「国際連合」の総加盟国は、今や百六十三ヵ国になります。それでは、今百六十三ヵ国がすべきこととは何でしょうか。無慈悲な植民地政策によって、弱小国を搾取する時代は過ぎ去りました。
今や弱肉強食は旧時代の残骸になりました。超強大国が武力競争で、世界を恐怖の中に追い込んだ時代も過ぎ去りました。人類は、今、核兵器の恐怖から解放されなければなりません。今は正に聖書にあるように、「そのつるぎを打ちかえて、すきとし、そのやりを打ちかえて、かまとし、国は国にむかって、つるぎをあげず、彼らはもはや戦いのことを学ばない」(イザヤ書二•四)時です。
相互信頼と道義の時代が明けてきつつあります。「国際連合」のすべての加盟国は、今、互いに尊敬し、愛し合いながら、私たち人類の共同の敵に宣戦布告をしなければなりません。私たち人類の共同の敵は、貧困と無知と疾病と罪悪です。今や人類は、貧困と無知と疾病と罪悪から解放されるべき時が来ました。これからは「私の国」という定義は発展的でなければなりません。もちろん私が生まれて暮らしている国が、まず「私の国」であることに違いありませんが、より大きな見地から見るならば、私の父であられる神様がつくられた世界は、すべて「私の国」なのです。
このように見たとき、先進国が先端技術を独占し、発展途上国に先端技術を分け与えないことは、大きな罪と言わざるを得ません。国家間に良いものがあるならば、早く分け合わなければなりません。新しいものを発見すれば、直ちにその恵沢を互いに分け合わなければなりません。人類に手助けになることであるならば、ためらわずに国境を越え、これを実践しなければなりません。私は世界の技術の平準化のために、長い間全力投球してきた人です。
皆様。皆様は、神様によって平和の働き手として選ばれ、この場に送られた方々です。今後、九年で西暦二〇〇〇年が訪れます。二〇〇〇年というこの峠が、私たちの生きている時に偶然に訪れるのではありません。これは、歴史の新しい転換点です。新しい歴史が胎動しているのです。平和の二十一世紀が近づいてきています。しかし、その平和はただで来るのではなく、神様と人間が協力し、与えられた責任分担を果たす時にのみ可能なのです。そうであるならば、私たちは残り九年間に、平和を阻害するすべての要素を除去する作業を終えなければなりません。
新しい時代、二十一世紀は共義の時代です。新しい時代、二十一世紀は物質が支配することのない、精神と霊性の時代です。新しい時代、二十一世紀は、神人一体になって生きる時代です。新しい時代、二十一世紀は、他のために生きることが、自分のために生きるよりも永遠の価値があることを悟って生きる時代です。利己主義は色あせ、共生共栄共義の利他主義がついに凱歌をあげる時代、それが正しく明けてくる二十一世紀なのです。
それは平和の時代です。それを名実共に「天国」と言うのです。このような希望と光明の二十一世紀には、私たちがきょう創設する「世界平和連合」がその理念を提供し、世界人類を教育し、摂理に従って今後訪れる平和世界の牽引車の役割を果たさなければなりません。同連合は、また世界の道徳性を明るくする灯台にならなければならないのです。
平和の使徒、貴賓皆様。光明な新しい日が私たちを待っています。きょう、私たちは、使命感に燃えなければなりません。今、私たちの最後の一滴の汗と涙と血までも注いで、人類共同の目的を果たさなければならない歴史的使命が、私たちを呼び求めています。その最初の仕事が、神様を私たち個人、家庭、社会、国家、世界に迎えてさしあげることです。天が共にいらっしゃるとき、これに敵対する人がいるでしょうか。
尊敬する同志であり、兄弟であられる皆様。人類の前に置かれた最後の崇高な課業、恒久的世界平和定着の使命の前に立ち上がり、光明な世界に向かって共に前進いたしましょう。神様をお迎えして、世界の真の平和を成し遂げましょう!ありがとうございました。
Wednesday Oct 05, 2022
平和経 第359話
Wednesday Oct 05, 2022
Wednesday Oct 05, 2022
私たちはこのような世界の基本理念を「神主義」、または「頭翼思想」と称します。ために生きる愛、互いにために生きるところに平和があるのは当然のことであり、そのような世界を宗教的に表現すれば、「地上天国」といいます。少なくとも全知全能であられる神様の作品であるならば、このような平和と幸福の世界をつくられたはずであり、そうでないとすれば、そのような神様はいらっしゃらないのです。これが創造本然の真の平和の理想だったのです。
ところが、このように神様の美しい理想世界を実現しようとする人類歴史の最初に、エデンの園で、人類の始祖は神様を失ってしまいました。言い換えると、人類の始祖である一男一女が神様のみ前に罪を犯し、神様の国から追放されたのです。その瞬間、人間は神様の聖殿になれず、悪魔の巣窟となってしまったのです。そして、その悪魔は利己主義の本山です。
人類の始祖からこのようになったので、その子孫、すなわち今日の人類は、神様が自分たちの父であられることや自分たちが真の兄弟姉妹であることを忘れてしまったのです。そして、人間は怨讐同士の関係になってしまいました。本来は他人の命を奪えば、それは取りも直さず自分の命を奪うことになるのですが、霊性が鈍くなった人間は、兄弟の命を奪っても心の痛みが感じられなくなっているのです。
そこにおける人間は、自分だけがいて全体がないので、利己主義が個人から家庭、社会、国家、世界に広がるようになりました。そうなれば、自分と利益がぶつかる場合には、互いに争い合うようになります。戦争を起こします。それが戦争の起きる原因なのです。
それでは、創造主であられる神様は、この堕落した世界をどのようにしようとされるのでしょうか。神様は厳然として生きていらっしゃいます。神様は、今も全知全能であられます。また、その神様は、愛の神様であるといいます。その神様は真の平和の世界を再び見いだそうとするのです。言い換えると創造本然の世界を復帰、または再創造しようとしていらっしゃいます。ここから私たち人類は、真の平和に対する希望をもつことができるのです。神様は、人間一人一人から邪心を追い出し、御自身が住まわれる聖殿に復帰させようとされるのです。
ですから世界平和は、一個人の完成から始まるのです。個人個人が神様の聖殿として完成した人間にならなければ、世界平和は芽生えません。世界平和の出発点は、正しく皆様一人一人なのです。
皆様。皆様は、私たち一人一人の体の中で、常に戦争が続いていることを御存じでしょうか。それは、個々人の体の中における心と体の熾烈な闘いです。本来、心と体は切り離そうにも切り離すことのできない、一つのものでした。人間の心は神様の心であり、人間の体はその心を入れる器でした。ところが、人間の堕落は人間の体を悪魔に引き渡したのです。その時から人間の体は悪魔の僕になりました。
人間の良心は、神様を代表する心です。良心は自分のために存在しません。天の義のために存在します。良心は常に善に向かって走ろうとします。それに対して体は反抗します。体は自分だけが安らかであろうとし、利己的であり、本能的欲求に従って肉欲のままに行おうとします。良心はこの体を叱責し、心に従わせようとします。ここに常に血の出るような葛藤と闘争が、一つの体の内で起こるようになるのです。
ですから、昔から歴史を通じて、すべての宗教は自分の体を打つ道を教えてきました。宗教とは、肉欲を制御し、体を心に屈服させる道場なのです。人間を創造本然の人間へと引っ張っていく道場です。
しかし、神様を自分の内に迎えることができなければ、誰一人として自分の体を征服できる人はいません。ひたすら神様の真の愛と真理の力を中心としてこそ、主体である心は対象である体を従わせ、神様と一体理想を完成するようになっているのです。これが、宗教が語る完成した人間なのです。
このように神様を中心として体を屈服させ、完成した男性と女性、すなわち、善男善女が神様の祝福を受け、夫と妻として結ばれるとき、地上に天が計画された理想的な一つの家庭が出発するのです。そしてその理想家庭は、理想的社会、国家、世界の基礎になるのです。
「家和万事成」という言葉があります。一つの家庭が平和であるならば、万事がうまくいくという言葉です。完成した家庭は平和の家庭であり、それは天国の基礎となります。家庭の原動力は真の愛です。自分よりも神様、あるいは対象を命のように愛する、純粋で美しい犠牲的な愛、それが真の愛なのです。神様はこの宇宙に、真の愛の力よりも大きい力を創造されませんでした。真の愛は神様の愛なのです。
神様は万物と人間の創造のために、すべての力を投入されました。すべてを投入し、また投入されました。他のものは投入すれば、すべて消耗しますが、真の愛だけは投入すれば投入するほど、もっと盛んになり生み出されます。真の愛は、百を投入すると百二十が返ってきます。ですから、真の愛を実践する人は、滅びるように見えても、滅びることなく永遠に栄えながら永生するのです。
このように真の愛で築かれた家庭が基礎となって社会が形成され、国家が形成され、世界が形成されます。そのような社会、国家、世界は、真の愛が原動力となる相互奉仕の社会であり、国家であり、世界です。そこには葛藤の代わりに和睦が、誤解の代わりに理解が、分裂の代わりに団結が、自分の利益の追求の代わりに全体の利益の追求がある、犠牲と奉仕が美徳になる社会、国家、世界なのです。そのような神様の理想実現が、すなわち真の世界平和の理想なのです。
聖書にある「神は自分のかたちに人を創造された」(創世記一•二七)という聖句は、見ることのできない無形の神様が、人間として実体化されたことを意味します。人間の始祖アダムとエバが神様の理想を実践していたならば、彼らによって歴史の中で最初の家庭が完成されたのであり、そこから繁殖される完成した子孫たちが、正しく理想社会、国家、世界を形成したのです。
ですから、無形の神様は、真の愛を中心とした縦的な真の父母であられ、人間始祖アダムとエバは、真の愛を中心とした横的な真の父母として、永遠に人間の歴史上に君臨したのです。
完成したアダムとエバは人類の真の父母であり、人類はこの真の父母を中心として人類大家族、同胞として兄弟主義を完成したのです。ところが人類は、この真の父母を失うことによって孤児となってしまい、兄弟がすなわち怨讐になり、国と国は反目し、敵対視する関係になってしまいました。
ですから、人類歴史の新しい出発に先立ち、神様が必ず成し遂げなければならないことは、失ってしまった人類の真の父母を探し立てられ、人間たちを孤児の状態から解放されることです。ですから、人類の真の父母の顕現は、神様の摂理の中心役事なのです。
Wednesday Oct 05, 2022
平和経 第358話
Wednesday Oct 05, 2022
Wednesday Oct 05, 2022
8.世界平和に向かう道
日付:一九九-年八月二十八日
場所:韓国、ソウル、リトル•エンジェルス芸術会館
行事:「世界平和連合」創設大会
尊敬する元•現職国家元首、各国から参加された世界の指導者の皆様、敬愛する学者、世界の宗教指導者の皆様、そして紳士淑女の皆様。きょう私は、「世界平和連合」を創設する歴史的なこの式典に、尊敬する世界の指導者の皆様がこのように大挙して参席してくださり、満場の盛況を博してくださったことに、心からの謝意を表する次第です。
人類歴史が始まって以来、平和を切望しなかった時代がなく、平和を望み求めなかった人は一人もいませんでした。しかし、人類歴史は、人類の希望とは正反対に、常に絶え間ない戦争と罪なき血で染められてきました。これはなぜでしょうか。
近代史に至っては、世界は二回にわたって世界大戦を起こしました。一九一四年、サラエボでオーストリアの皇太子が暗殺される一発の銃声によって点火された第一次世界大戦は、たちまちのうちにヨーロッパ全域を火の海にし、十六ヵ国が参戦した中で三千万人の死傷者を出す凄惨な戦争となりました。
このヨーロッパの惨状を見た世界の指導者たちは、いかなる代価を払ってでも、もう再び戦争を起こしてはならないという痛切な覚醒から、アメリカのウィルソン大統領の提唱により「国際連盟」を結成しました。しかし、「国際連盟」は四十種余りの国際紛糾を処理したものの、強大国間の紛糾の処理に失敗し、ウィルソン大統領の偉大な夢は跡形もなく消え去り、アメリカ上院の批准も得られないまま、「国際連盟」は結局、失敗で幕を下ろしてしまったのです。ここに、戦争を防ごうとする人類の渇望は挫折しました。
そして、それから二十年もたたずして、再び世界は第二次世界大戦の惨禍の中に巻き込まれていきました。第二次世界大戦は大西洋のみならず、太平洋までも火の海にしました。数千万の人類が殺傷され、ついに二発の原子爆弾の投下とともに辛うじてその終結を迎えました。世界が再びこのような生き地獄になるのを防ぐために、今度は一九四五年四月二十五日、サンフランシスコで「国際連合」、すなわち国連を創設するに至りました。「国際連合」の歴史は一九九一年現在まで、四十六年になります。
それでは、過去四十六年間、人類は戦争を知らずに平和に生きてきたでしょうか。そうではありませんでした。戦争は再び数限りなく起こりました。韓国動乱、ベトナム戦争、湾岸戦争をはじめとして、実に六十回以上も人間同士が殺し合う歴史が繰り返されたのです。
なぜ、このように平和というのは難しいのでしょうか。きょう私たちは、「世界平和連合」の創設に先立ち、平和が成し遂げられないその理由を先に究明しなければなりません。そうでなければ、今後も前轍を踏むのは火を見るより明らかだからです。
紳士淑女の皆様。これまで人間は、平和を叫んでいただけであって、その真の平和の意味を知ることができませんでした。平和の真の哲学をもてなかったのです。ですから、真の平和を成し遂げる方法が現れなかったのです。貴賓の皆様、その理由は、分かってみると簡単なことです。人間は神様を見失うことによって、平和をも失ってしまいました。また人間は、神様を差し置いて、人間同士で平和を見いだそうとしたのです。それは根本的な誤りであり、それが真の平和を得られない根本的理由なのです。
全知全能であられる神様は、愛の神様であられ、平和の神様であられます。その神様が、互いに争い、命を奪い合う世界をつくられたはずは絶対にありません。神様は、人間を神様の形状どおりに造られ、人間は正しく神様の聖なる霊が住まわれる家のような聖殿として造られたのです。
人間一人一人が神様の聖殿として、神様をお連れして暮らす家として完成したならば、どうして人間同士の闘争と殺戮があり得るでしょうか。創造本然の世界において、人間が争うということは、右腕が左腕と争うのと同じことであり、自分が自分の手で自分の目を抜いてしまうのと同じことなのです。そのような本然の世界では、戦争は起きようにも起こり得ませんし、互いに愛し合い、仲睦まじく暮らす世界であり、いかにして神様にもっと栄光を捧げるかという善意の競争だけがある世界です。
そこには葛藤があり得ず、誤解もあり得ず、美しい協調と相互協助でただただ和睦団結して、美、真、善を追求する平和の世界のみが永続するのです。その世界は神様に似た世界であり、神様の理想と本質のために生きる世界なのです。