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Thursday Sep 01, 2022
平和経 第340話
Thursday Sep 01, 2022
Thursday Sep 01, 2022
神様の祖国光復はどこから実現されるのか
統一教会が願う国が建設されれば、統一教会の看板を外さなければなりません。そして、統一教会が願う世界が形成されれば、統一教会が立てた国はなくさなければなりません。大韓民国の韓民族を中心とした文化と人格だけのための宗教は捨てなければなりません。世界のための宗教であってこそ、これからも残る宗教になるのです。
満場の内外の貴賓、紳士淑女の皆様。神様のみ旨を受け継ごうとする人がいるならば、その人はいかなる主張をしなければならないと思いますか。この世の人々が好む、そのような方向に行きなさいという主張は絶対にできません。むしろその反対の道に行きなさいと主張しなければなりません。それに該当する代表的な標語が「愛の心をもって怨讐を愛しなさい!」というものです。「怨讐を愛せ!」というこのみ言は、誤った歴史を元に戻すことができるものとして、台風に押し流される船の錨のようなものであり、錨綱のようなものです。しかし、復帰摂理歴史を通じて「怨讐を愛せ!」というみ言を実践してきた人はいませんでした。もし、怨讐を愛する人々がいるならば、そのような人々によって一つの組織的な形態を備え、世界的な版図を確保しなければなりません。このような結論が出るので、そのような運動を神様が提示されなければならないのですが、神様によって提示されたその運動の反映体が、歴史に現れた宗教運動なのです。
今まで、神様が最も愛する人は誰でしょうか。イエス様です。イエス様は、争っているこの世界に新しい方向を提示してくれました。ローマやイスラエルのように、抑圧国家と被抑圧国家との間には、互いに怨讐視し合う高い障壁があるのですが、イエス様の哲学は、それを壊してしまわなければならないというものでした。イエス様は「ローマよ、お前は力で私を征服しようとするが、私はその反対に愛をもってお前を征服する」と考えたのです。それで、十字架にかかりながらも、怨讐のために福を祈ってあげたのです。そのような思想は、ローマの兵士たちのために「父よ、彼らをおゆるしください。彼らは何をしているのか、わからずにいるのです」(ルカ二三•三四)という驚くべき祈りとして現れているのです。イエス様がそのようにされることによって、世界のすべての国が互いを怨讐視することを乗り越えることができ、二つの国家間の国境を乗り越えることのできる一つの原型、または模範となりました。
イエス様は、個人的な怨讐がすべてではないことを知っていました。家庭的な怨讐があり、氏族的な怨讐があり、民族的な怨讐があり、国家的な怨讐があり、世界的な怨讐が四方から縛りつけていることを知っていたのです。これは、私に従い、私が行く道を行こうとする人には、数多くの怨讐が待ち受けているということなのです。そして、家庭的に行けば家庭的な怨讐が待っており、氏族的に行けば氏族の怨讐が待っていて、熾烈な闘いが予想されるのですが、そのたびに怨讐を愛しなさいという言葉なのです。このような精神をもっていれば、いつかは勝利できるのです。
それでは、神様の理想国家の実現、すなわち祖国光復はどこから実現されるのでしょうか。怨讐を愛するという思想をもった個人から出発するのです。ですから、神様がいらっしゃる限り、愛で国境を崩し、すべての環境と文化的な垣根を越えて、怨讐までも抱こうという運動を提示したキリスト教は、世界的な宗教にならざるを得ないのです。大豆を植えれば大豆ができ、小豆を植えれば小豆ができ、真っ赤な花の種からは真っ赤な花が咲きます。同じように、恨みを晴らす悪魔サタンの種を蒔けば、恨みを晴らす悪の木が育つのですが、怨讐を愛する善の種を蒔けば、怨讐を愛する善の木が育つのです。これは自然の道理なのです。
神様の祖国は、どこから、どのような道を通して訪ねてくると言ったでしょうか。それは、怨讐を愛する道、個人の怨讐を愛し、家庭の怨讐を愛し、氏族の怨讐を愛し、国家と世界の怨讐を愛する伝統を残す道を通して訪ねてくるのです。そのような道でなければ、神様の祖国は現れることができないことを、皆様は知らなければなりません。
考えてみてください。アメリカが反対し、国務省が反対し、国会が反対したので、私は、国会で勝利したという賞状を受け、国務省から勝利したという賞状を受け、アメリカで勝利したという賞状を受けることができる時が来るはずです。それで、反対する国務省の中にも友人ができ、国会の中にも友人がたくさんできています。勝利は、私に返ってくるようになっています。私は、そのような友人が一人もいなかったとしても、あらゆる反対を克服して勝利に導くことができるという確信があります。反対されれば反対されるほど、怨讐を愛するこちらの気持ちがより大きくなるので、たとえ反対が大きいからといって落胆する必要はありません。
自然の道理は、一方が低気圧ならば、もう片方は高気圧になるようになっています。一方が高気圧になれば、もう片方は低気圧になるのです。アメリカの国務省が高い所から反対するとき、私が低気庄圏を形成していれば、高気圧が低気圧に吸収されるように、アメリカの国務省は私に屈服してしまうでしょう。私は、非難されながらも闘わずに彼らを愛していったところ、彼らは私の友人になり、友人の家庭ができ、友人の氏族ができ、友人の国ができたのです。
怨讐を愛する精神をもった人々によって構成された国が現れれば、その国は、神様が願う理想郷となることができ、人類が入っていく理想郷になることができることを知らなければなりません。私、文総裁は、みすぼらしい男です。皆様は「そうではない」と言いますが、世の中の人たちは、私を愚かな人と思っています。しかし、神様は、私のことが一番お好きです。世の中が私を愚か者扱いしたとしても、神様が認めてくださるので、世の中に対して堂々とした立場で攻撃できるのです。
怨讐を愛する心をもてば、語れない言葉がありません。なぜでしょうか。神様が送った男性を美男子というならばそのような人が美男子であり、すてきな人というならばそのような人がすてきな人であり、堂々として勇ましい人というならばそのような人が堂々として勇ましい人であると考えるので、私は、それを光栄に思い、世の中に対して自信をもって攻勢をかけるのです。
私一人がその境地に浸って活動すれば、何が起こるか御存じですか。このようにすることによって、神様が喜ぶ青年男女が生まれ、神様が喜ぶ五色人種の家庭が生まれ、神様が喜ぶ民族が編成され、神様の祖国光復が可能になるのです。「怨讐を愛しなさい」とあるので、最も憎むべき人でも愛さなければなりません。一番の美男子に一番の醜女を結んであげたとしても、怨讐を愛する以上に愛さなければなりません。そのような人は、この世の怨讐を愛することにおいて、最高の王子の旗を掲げて前進する候補者です。事実そのような人がいるならば、どれほど素晴らしいか考えてみてください、そのような人は、民族の国境を越えることができるのです。愛する心さえもって暮らす日には、すべての障壁が崩れていき、復帰摂理歴史が短縮され、天国が近づいてくることを知らなければなりません。
私の哲学は簡単です。より大きなもののために犠牲となり、奉仕をすることです。私は、やってみなかったものがありません。農民にも、労働者にもなってみました。やれることはすべてやってみました。漁夫になってまぐろも釣りました。そのようにして生涯を送ってみると、一人だと思っていたのに、あとからイギリス人もついてきて、アメリカ人もついてきて、世界の数多くの人々がついてきています。ついてきてはいけないと蹴飛ばしても、またついてきて、後ろに行ったと思っても、またついてきます。
Thursday Sep 01, 2022
平和経 第339話
Thursday Sep 01, 2022
Thursday Sep 01, 2022
14.神様の王子、王女が行くべき生涯路程
日付:二〇〇〇年三月八日
場所:韓国、全羅南道、木浦室内体育館
行事:真の父母様御聖誕八十周年祝賀南北統一前進大会
南北統一を熱望する内外の貴賓、そして紳士淑女の皆様。今正に始まった新千年紀は、分裂と葛藤の前世紀の遺物が清算され、和解と統一の地球村、一つの家族の理想が実現される時です。皆様の各家庭に、新千年紀の祝福が共にあることをお祈りいたします。
初めに、私の八十歳の誕生日を祝賀してくださるために、世界と全国の各地からお越しくださった皆様に心から感謝申し上げます。何よりも、この日まで見守ってくださり、共にいてくださった神様に、このすべての栄光をお返しいたします。
私の過去の生涯を振り返ってみるとき、一時も平坦な時期がありませんでした。韓半島を取り巻く列強の狭間で、あらゆる苦難の道を歩んできた民族の受難史とともに歩んできました。私は、十六歳(数え)の少年時代に、祈祷をしている最中、突如として天のみ旨に接し、それからのち、生涯を通して神様のみ旨を成就するために、全身全霊を尽くしてきました。その中で、人間の不幸の根本原因は、人類始祖が堕落することにより、霊的無知に陥り、神様との関係が断絶された結果だったことを知りました。それによって私たち人間は、神様と人生、そして宇宙の根本問題などについて無知に陥ってしまったのです。
これまで私は、世界各地の公の場で、一万回以上のみ言を通して、「神主義」に立脚した真の人生観、世界観、歴史観を提示してきました。これは、世界十二ヵ国の言語に翻訳され、既に三百巻以上の書籍として出版されています。これは、文献による総合的な研究や、学問的な探求の結果として解明されたものではなく、有形と無形の世界を自由に行き来しながら、原理的で根本的な答えを説き明かしてきたものです。
きょう私は、この意義深い場を感謝しながら、我が民族の宿願であり、世界の冷戦の最後の決算と言える韓半島の統一問題を念頭に置いて、その方案に対する根本的な解答として「神様の王子、王女が行くべき生涯路程」という題目で、お話ししようと思います。
世界のすべての国家の起源はどこか
内外の貴賓の皆様。皆様はどの国の国民ですか。ほとんどが韓国の国民であると思います。韓国が皆様の祖国です。それでは、神様の祖国はどこになるのでしょうか。神様の祖国は、今はありません。この世界のすべての国家の起源はどこでしょうか。神様が起源になっているのでしょうか、それとも、他のところが起源になっているのでしょうか。このような国家の歴史的な起源が問題になっているのです。
この世の国々は、闘いによって分かれて生じました。ですから、ある二つの国があるとき、その二つの国の境界線は、深い恨みのこもった境界線になっている場合が多いのです。第三国、第四国との境界線よりも、隣接した境界線を中心として、より熾烈な闘いを繰り広げ、より多くの血を流した歴史的な事実があることを私たちはよく知っています。このように二つの国家間、二つの民族間の障壁が最も高いのです。
闘いは常に、何万里も離れた所に行ってするのではありません。昔から、隣接する二つの国家の境界線を中心として闘いが展開してきました。ですから皆様も、最も近い隣人と闘うようになっているのです。なぜなら、人間が堕落したからです。隣人との間で闘いが起きるのは、堕落による結果なのです。
堕落とは何でしょうか。神様と人間との間に葛藤が生じるようになったことであり、神様とサタンとの闘争が起きるようになったことであり、人間とサタンとの闘争が起きるようになったことです。人類歴史において、この地球上に数多くの国があったということは、数多くの闘争があったことを証明するものであると結論を下すことができるのです。そのようにして生じた国々はどこに行くのでしょうか。すべての国が平和の世界を追求するのですが、平和の世界に行くことができるのでしょうか。このような問題が、今、人類共通の課題として残されているのです。
平和の世界というのは結果の世界ですが、誤った出発、すなわち誤った原因から平和の世界に到達するということは、論理的な矛盾と言わざるを得ません。ですから、このような戦争の起源を克服して越えていく運動を展開することにおいてのみ、理想世界に向かう出発点を探し出すことができるのです。原因が完全なので結果が完全であり、平和で始まったので平和の過程をたどることができ、平和の目的に到達できるということは、理論的に妥当なのです。
このように見るとき、自分の国と隣接している国が歴史的な怨讐国家だからといって、憎み続けようとすれば、永遠に平和の世界には到達できないのです。それでは、いくら理想郷を慕い、理想郷に向かって前進したとしても、その目的達成は不可能です。このような闘いが始まったその動機を否定し、誤った歴史を消し去るためには、その反対方向の内容をもって主張する運動が必要なのです。
私たちが探し出さなければならない祖国とは
内外の貴賓の皆様。皆様は、国のない民と同様です。それでは、過去には国があったでしょうか。歴史上に、「私の国だ」と言うことができる形態の国があったでしょうか。そのような国の形態も、もつことができなかったのです。それは、その国を探し出すために苦労する人がいなかったからでしょうか。
そういうわけではありません。その国は、過去の歴史時代の人が考えた位置では、探し出すことができないために迎えることができなかったのです。その時代圏内において、内外を備えた基準を中心としてその国を探し出すことができなかったので、その国を迎えることができなかったのです。私たちが探し出さなければならない祖国というのは、今日、この地上に存在する、歴史と伝統をもった国ではありません。そのような国とは本質的に次元が違うのです。
私たちは、次元の違うその国を受け継ごうとするならば、そのようにできる思想的な主体性をもった国民にならなければなりません。しかし、その主体的な思想は、絶対的な創造主がいるとすれば、その創造主の思想と一致する思想でなければなりません。絶対者が願う国をつくろとするならば、その国の主権を中心として国民が一致できる国になることを願わなければなりません。そのような国民性を備え、国家の形態を備えなければなりません。
一つの国が形成されるためには、主権がなければならず、国民がいなければならず、国土がなければなりません。天の国もやはり同じです。主権に代わるものが父母であり、国民に代わるものが息子、娘であり、国土に代わるものが国なのです。このうちどれ一つとして欠くことはできません。これは鉄則です。最も重要なことは何でしょうか。世界と国のために生きることです。そのようにさえすれば滅びません。
国のために生きる基準で、実際に行動をしている中で死んでいった人々は、死んでもその国の国民になるのです。その国がなくなる時まで残されるのです。国が形成されるためには、国土がなければならず、国民がいなければならず、主権がなければならないのですが、主権とは何でしょうか。根源的な神様と関係を結ぶことです。国を統治する人は、国民が深く寝入った後に、神様と関係を結んで政治を行わなければなりません。そして、主権者は、国民と一つにならなければなりません。国民と一つになり、自分にあるすべてのものは自分のためのものではなく、国のためのものであると考えなければなりません。そのようになれば、その国は繁栄するのです。
そのような観点から、地上に天国を実現するという問題を考えてみるとき、天国の主人は誰でしょうか。主権者は誰でしょうか。間違いなく神様が主権者です。そして、国民は万民です。国土は地球星です。
地上天国は誰に似たのでしょうか。「私」に似たのです。一つの国を見れば、主権、国民、国土があります。これは人間と同じです。地上天国は「私」に似ていて、「私」という個人が集まって国になるので、「私」に心があるように、国にも主権がなければならず、人格体なので国民がいなければならず、人間に万物があるように、国土がなければならないのです。このような原則から、国土は人に統治され、国民は主権に統治されるのです。この国土、国民、主権が、国家形成の三大要素です。そのようになっています。
人を見ると、心は体を統治し、体は万物を統治するのが原則です。この原則があるために、全世界を見れば「天、地、人」であるという決定的な結論が出るのです。「天」は何でしょうか。人間の心と同じなので主権と同じです。「人」は国民であり、「地」は万物です。結局、国は誰に似ているのでしょうか。「私」に似ているのです。
いくら大きい社会、いくら大きい国家だとしても、人に似なければならないのです。それは、神様が御自身の形状に似たものを好まれるからです。それでは、人が最も好むものは何でしょうか。自らの形状に似たものです。ですから、理想的な国家とは、何に似なければならないのでしょうか。人に似なければなりません。「天地人」に似なければならないのです。
統一教会の用語で「祖国」というのは、大韓民国という一つの国ではなく、世界的な国のことをいうのです。「世界的」という言葉は、堕落した世の中でも使われるので気分が良くありません。このような「祖国」を探し求めていく主義を統一教会では「天宙主義」というのです。その祖国は、大韓民国ではありません。神様が願われる祖国は大韓民国でもなく、アメリカでもなく、共産国家でもありません。その祖国は神様が願う祖国です。ですから、私たちは、新しいその祖国の文化を成し遂げなければならず、その祖国の歴史を成し遂げなければなりません。
私たちは、新しい理想的な祖国を立てるために、新しい基準を定めて私たちの生活を変えなければなりません。その世界は、今のこの世界と全く違います。言葉も違うのです。「原理結果主管圏」や「相対基準」、「相対基台」、「復帰基台摂理」といった重要な言葉を、世の中の人々は知りません。ですから、違うのです。
Monday Aug 29, 2022
平和経 第318話
Monday Aug 29, 2022
Monday Aug 29, 2022
天命に従って歩んできた開拓の道
東洋の韓国からアメリカに渡った私が、神様のみ言を中心に積極的にアメリカを覚醒させようとしたとき、既に信仰的基盤が崩れていたために、悔い改めて従ってくるどころか、誹謗と謀略で反発する抵抗がどれほど激しかったでしょうか。私が受けた天命は、準備された基盤をもって人々を覚醒させる教育をし、できなければ、途中で勝手に放棄できる、そのような性質のものではありません。
過去十三年間、激しく迫害され、冷遇される中でも、私は、神様が理想とされる、世界を代表するために生きる個人、そのような家庭、そのような氏族の代わりにならなければなりませんでした。そして、アメリカの若者に、私が実践して手本を示すことによって、神様に従って世界を代表する、ために生きる家庭と氏族を編成しました。アメリカと全キリスト教に代わって、世界のために生きる新しい天民を育成していく作業でした。
私は天命に従って孤独な道を開拓してきました。神様の願いは、人々が神様を漠然と信じることにとどまるのではなく、自己の責任分担として実践し、成就することであることをはっきりと知る私は、そのために生涯を捧げてきました。
過去三十年間、私は第一に、神様を中心とした理想の普遍化と教育のために、全世界の学者を動員して、たゆまず努力してきた結果、既に百ヵ国以上に確固たる思想的基盤を構築しました。第二に、地上天国の理想は、霊的な要求だけで成し遂げられるのではないため、技術と真の先端科学分野の発展のための投資と努力を続け、驚異的な成果を収めました。第三に、神様のみ旨を地上に実現するための世界的な経済基盤を確保し、各種の経済活動と未来の金融秩序のための国際協力方案を模索し、研究しています。第四に、正しい言論によって社会を教導するために、世界的な言論機関を育成してきました。このほかにも多方面で創意的な活動を積極的に展開していますが、これらのすべては神様のみ旨を地上に実現するという課題と直接関係のあるものです。
皆様も御存じのように、私はアメリカで獄中の苦しみを体験したあと、この八月に出監しました。彼らは私を罪人に仕立て上げて投獄しましたが、私は獄中での十三ヵ月間、胸を痛めながら神様に祈りを捧げ、アメリカと世界の運命のために、一日たりとも心配しなかった日はありませんでした。「アメリカの罪を赦し、私の使命を全うさせてください」と祈りながら、霊的、信仰的基盤を再び覚醒させるために、数多くの行事を陣頭指揮してきました。アメリカでキリスト教の基盤を中心とした奉仕活動を展開するために、大型トラックを数百台購入して支援しました。また、ソ連帝国の滅亡を宣言する国際学術会議、宗教連合運動、新しい週刊誌「インサイト」と新しい月刊誌「ワールド•アンド•アイ」の創刊など、新たに数十ものプロジェクトを獄中から指導し、着手しました。
私は歴史的な反対を受ける場にあっても、投獄される悔しさの中においても、神様のみ旨を中心に、アメリカのいかなる個人や団体、教団以上に、アメリカのために生き、アメリカを愛しました。それだけでなく、天命を遂行する過程で、いかなる公人が歩んだもの以上に息の詰まる、血と涙ににじんだ供え物の道を、個人的に、家庭的に、教団的に歩みました。骨身を削る痛みであっても、アメリカを生かし、世界のための道であるならと考え、感謝しつつ克服しました。
天の召命を受けて立った私の道は、茨の道でした。日帝時代に、学生だった私は、独立運動をして投獄され、北朝鮮で宣教した時には、社会紊乱(びんらん)の罪を着せられ、興南の監獄で死の峠を越えました。韓国では草創期に、異端として追われ西大門の監獄で苦しみを味わいました。そして先回、アメリカでは人種の偏見と宗教迫害がきっかけとなり、獄中の苦しみを味わってきたのです。このように私の道は苦難の連続でした。しかし、私は死なずに生き残り、このように皆様の前に立っています。
反対の竜巻が起ころうと迫害の波がいかに激しくとも、敗者とならず、ために生きる天道に従って勝利の祭物をもったまま、このように帰ってきました。この勝利は私個人だけのものではなく、神様と共に成し遂げた勝利です。人々に理解されず、さらに迫害のまっただ中で、このような驚くべき基盤を築けたことは、容易なことでしょうか。皆様に、自らこのような基盤のことを話すのは、私自身を誇るためではありません。一つ一つ私を導き、役事され、守ってくださった、生きておられる神様を証し、栄光を帰すためです。
韓国は摂理の中心国家
人間の力だけでは想像もできない奇跡が、私たちの前で現実に展開しているこの瞬間、皆様全員が奇跡の目撃者になりました。歴史上、空前絶後の勝利を祝う世界的な式典に参席されたこと自体が、永遠に誇りとなるでしょう。願わくは、皆様も、きょうのこの場が奇跡に駕嘆する場にとどまるのではなく、摂理的な意義に対する確認とともに、奇跡の実体と確固とした関係を結ぶことによって、生涯の跳躍の契機とされるようお願いします。
これは個人のためにも、民族と国家のためにも、勧告せざるを得ません。韓民族が、私が歩んできた歴史的な勝利の基台に立つならば、韓国はやがては世界に飛躍するようになるでしょう。
尊敬する貴賓の皆様。神様のみ旨を中心として見るとき、韓民族は神様が選んだ民族であり、韓国は神様の願われるために生きる生活の手本を示すべき摂理の中心国家です。歴史上の数多くの事情と曲折がもつれ合った韓国は、ここに結集されている無数の摂理史の霊的条件と歴史の功罪を受け持ち、整理して清算しなければならない摂理的な使命があります。優れた天稟と文化をもった民族でありながらも、世界で類例を見ない苦難の道を歩んできたことは、このような点から理解されなければなりません。
この民族の試練はこの民族自体だけのものではなく、摂理的なものであり、神様はこの民族がこれを克服することを待ち望んでいます。世界史の総合的な遺産と呼ぶことのできる東と西、南と北の出会い、精神と物質、唯心と唯物の対決と混沌が集約された韓国で渦が巻き起こるのも、ちょうど新しい時代をはらんだ産婦の産みの苦しみのようなものです。
韓民族の民族的、国家的な苦難は、神様のみ旨と摂理を離れては解決できず、韓国単独としてではなく、世界との関連の中でのみ解決が可能であると思います。韓民族は今や天のみ旨を悟り、神様が世界の精神界を指導する目的をもって送られた方に従って、苦難を越えていかなければなりません。
私と統一教会の基盤は、徹底して天のみ旨に従って、ために生きながら築いてきた基盤です。ユダヤ教とキリスト教の迫害を貫き、東と西の無理解を跳び越えて勝利した基盤なのです。私の世界的な勝利の基盤の上で、韓民族と韓国が世界の、ために生きる生活をするようになるならば、神様はアメリカに与えた歴史的な祝福以上の祝福を韓国に下さるだろうと思います。そのようになれば、韓国は苦難を克服するだけではなく、世界の前に真と愛と平和の中心となるでしょう。神様が韓国を愛されるのは、韓国だけのためではありません。韓民族が世界のために生きるとき、初めて神様が韓国に与えてくださった祝福は結実するのです。
尊敬する内外の貴賓の皆様。私がアメリカで法廷闘争を続けているとき、私の無罪と潔白を裁判所に嘆願し、声援を送ってくださった各界の指導者の皆様に、この場をお借りして厚くお礼を申し上げます。神様の祝福が皆様の御家庭と私たちの祖国の上に永遠であることを祈りながら、私の挨拶に代えさせていただきます。ありがとうございました。
Sunday Aug 28, 2022
平和経 第317話
Sunday Aug 28, 2022
Sunday Aug 28, 2022
4.世界のために祖国が行くべき道
日付:一九八五年十二月十一日
場所:韓国、ソウル、ヒルトン•ホテル
行事:真のお父様勝利帰国歓迎晩餐会
各国からお集まりの貴賓、そして紳士淑女の皆様。今晩、私をこのように盛大に歓迎し、心情的に祝ってくださることに対し、心から感謝申し上げます。とりわけこの日のために、様々な御事情を差し置いて、私の帰国の道を輝かしいものとするために世界各地から来席された、各国の最高指導者の方々、ならびに著名な宗教界、学界、言論界、財界などの指導者の皆様に深い謝意を表します。
理想と愛と幸福の起源は相対のために生きること
昨日の朝に帰国し、慣れ親しんだ故国の山野と空を眺め、また今夜、皆様の前に立つことになった私の心は、いかなる時よりも感慨深いものがあります。皆様が、きょうこのように私を歓迎してくださるのは、レバレンド•ムーン個人に対してではなく、神様のみ旨と公義のために徹して生きてきたレバレンド•ムーンを歓迎しておられるのだと思います。思えば、きょうこの集まりは重大な歴史的事件です。私一人の進退に世界の関心が注がれており、世界の最高指導者たちが遠路はるばる韓国に駆けつけて、私の帰国を祝うというこの事実が、どうして簡単なことでしょうか。神様のみ旨を中心に、一生涯をために生きてきた私の理想と実践を見守り、感化、感動されたからではないかと思います。
宇宙の存在秩序は、ために生きることを根本としています。真の理想、真の愛、真の平和世界は、神様の創造理想であると同時に人間の希望です。ですから、理想と幸福と愛の起源は、相対のために生きるところにあるのです。宇宙を見れば、いかなる存在物も自分だけのために存在するものは一つもありません。動物界は植物界のために、鉱物界と植物界は動物界のために、またこれらすべてを合わせた万物は人間のために存在しています。それでは、人間は誰のために存在するのでしょうか。人間は神様のために存在するのです。その神様はまた万物のために、万物を存在たらしめ、成長、発展するようにされるのです。
このように、ために生きることは存在世界の基本秩序なので、いかなるものも、ために生きる存在として生まれたのであって、自分だけのために生まれたのではありません。男性が生まれたのは男性のためではなく、女性のために生まれたのです。女性の場合も同様です。いくら美しい女性でも、女性が生まれた本来の意味は、女性のためではなく、男性のためなのです。男性と女性がもつ素性と感情もすべて相対のためのものであって、自分のためのものではありません。夫婦の場合も、結婚して「ああ!私が生まれたのはあなたのため、生きるのもあなたのため、死ぬのもあなたのため」と言うようになれば、これを理想的な夫婦、幸福な夫婦というのですが、存在世界の基本秩序から見て、これは極めて当然のことだと言えるでしょう。
そこから真の愛は始まるのです。このように、真のものは、ために生きるところから起源を求めなければなりません。真の父母の愛も、真の子女の孝の道も、真の夫婦の愛も、相対のために生きるところから起源を見つけるのです。この公式を適用すれば、真の父母は子女のために存在するのであり、真の孝子は父母のために、真の国民は国のために、真の主権者は国民のために存在するのです。このすべてに真があり、幸福があります。宇宙の存在秩序がこのようになっているように、神様のいらっしゃる本然の世界、すなわち天国や楽園もために生き、ために死んでいった真の人々が入っていく所です。すべての宗教が犠牲や奉仕を教え、ために生きる愛の実践を強調する理由はここにあります。ために生きる所は自然に中心となり、尊敬される場になるのです。例えば、兄弟の中で、幼い弟がために生きる愛をもてば、家族の慈しみと羨望を独り占めにするようになるのです。
ために生きる生活は、個人的な基準の秩序で終わるのではありません。家庭的な基準において、その構成員がために生きるとき、初めて家族の真の和合と幸福の理想が実現する家庭天国が築かれるのです。さらに国家的基準で、全国民がために生きるところに国家天国が築かれ、世界的な基準で全人類がために生きるときに、全人類の真の和合と幸福の理想が実現し、世界天国が築かれるのです。
神様のみ旨に背いたアメリカ
理想世界とは、永遠、不変、絶対的な神様を父母として侍り、全人類が兄弟姉妹としてために生きながら仲むつまじく暮らす大家族の世界です。このような世界を築くために、神様の摂理を全体的に指導する方を救世主、あるいはメシヤと呼びます。真の愛の回路が塞がった世界で、ために生きる生活によって手本を示してくださるこの方は、人類の理想の動機であり、目標です。
メシヤとして来られたイエス様は、ユダヤ教とイスラエルを基盤に世界を救援するために、彼らが世界のために生きるように目覚めさせようとしましたが、その過程において、不信され、十字架にかけられるようになりました。イエス様のみ旨は「世界のためのユダヤ教とイスラエル」になることを願ったのですが、彼らは、自分たちだけのための神様や救世主であることを求めたからです。そうして復活されたイエス様は、世界のキリスト教圏を霊的に導いてこられました。
アメリカは、神様のみ旨を中心に世界救援の旗手にならなければならない、世界キリスト教の代表として選ばれた国です。アメリカは、キリスト教精神を通じて、神様のみ旨を世界的に結集させなければならない重大な使命をもつようになったのです。アメリカに下さった神様の祝福は、アメリカだけのための祝福ではなく、世界のための祝福であり、またアメリカだけのためのアメリカではなく、世界人類のためのアメリカでなければなりません。このような神様の心情と摂理を知った私は、アメリカに行かざるを得ませんでした。そして過去十三年間、アメリカを目覚めさせるために気も狂わんばかりに働いてきたのです。
アメリカは第二次世界大戦以後、その戦後問題の処理過程において、世界のために生きる使命を忘れたことがたくさんありました。世界を優先的に心配しなければならない神様の期待に背き、アメリカだけのことを心配したので、アメリカは自由世界の多くの国家を失ってしまいました。アメリカがキリスト教精神に徹することができなかったとき、国内に多くの諸問題が生じたのです。人種問題、麻薬問題、青少年の淪落と家庭の破綻、暴力と犯罪、共産主義の浸透などがそれです。様々な原因が考えられますが、これらのすべてはアメリカの精神的な枯渇によってもたらされたものです。神様はアメリカから、世界のために生きる代表的な個人が現れることを期待され、また、世界のために生きる代表的家庭が現れることを期待され、また、アメリカが世界のために生きる代表的な国家となることを期待されたのです。ところが、アメリカの現実からは、神様の願われる個人や家庭は探し出すことができず、アメリカという国も、信仰の基盤がことごとく揺れています。ですから、神様は私に、その使命を全うするように激励されたのです。
Wednesday Aug 24, 2022
平和経 第322話
Wednesday Aug 24, 2022
Wednesday Aug 24, 2022
私たちの「南北統一運動国民連合」は、この時点において何をするべきでしょうか。まず初めに、私たちは民族の和解と一致に向かう真の価値観を確立し、その価値観を中心として思想武装をしなければなりません。アメリカをはじめとした自由世界の弱点は、思想の空白が存在するという点です。物質の豊饒(ほうじょう)と自由の澎湃(ほうはい)(物事が盛んな勢いでわき起こるさま)が、価値観の混沌と世俗的な人本主義の台頭をもたらしたという事実です。自由世界は、思想的な面において繰り返し後退してきました。これは滅びゆく共産世界が、最後まで世界赤化の野望を放棄しない理由なのです。
第三次世界大戦は思想戦です。共産主義を軍事的にのみ敗北させることはできません。共産主義思想を凌駕する、より優れた思想でなければ、共産主義を敗北させることはできないのです。その思想というのは、正に真理に立脚した思想をいうのです。偽りは真によってのみ征服できるのです。その思想がほかならぬ「神主義」です。今後、自由世界は、「神主義」、すなわち「統一思想」で武装して理念的攻勢に転換しない限り、共産主義に打ち勝つことはできません。
「南北統一運動国民連合」は、汎国民的思想武装運動において先鋒に立たなければなりません。「神主義」は北朝鮮の同胞を解放するばかりでなく、全世界の共産主義を解放して余りあるものです。またこの理念は、放縦と不道徳によって腐敗していく西欧世界において、精神大覚醒運動を起こしています。
それで私は、一九七六年にアメリカの首都ワシントンDCで歴史的な「神主義」を宣布する大会を行ったのち、「次の大会はモスクワで開く」ことを宣布したのです。「神主義」は共産主義の世界を解放できるという信念があったからです。共産主義が速やかに衰退しない原因は、私たちにはっきりとした代案がなかったからです。また、より優れた思想によって武装されていなかったからです。これからは大韓民国から思想運動を起こし、共産主義克服のための汎世界的な運動を展開しましょう。私たちが思想的攻勢を取って、虚偽と欺瞞で飾られた金日成唯一主体思想を圧倒できずして、どうして統一を願うことができるのでしょうか。
また、私たちの「統一思想」、「神主義」は「頭翼思想」であることを明らかにしたいと思います。右翼でもなく左翼でもない「頭翼」です。人類の真の平和は、右翼によっても、左翼によっても成し遂げられません。その理由は、右翼も左翼も、その根本的な動機が利己主義を脱することができないからです。己を中心とし、自国の利益を中心とするとき、そこには永遠になくなることのない利害の衝突があり、そこには統一もあり得ず、平和もあり得ません。
利己主義を打破する新しい世界観が現れなければなりません。自分よりも他のために生きるという利他主義は、ただ神様の理想からしか生まれてきません。それは神様が愛の本体であられ、愛の本質は、自己を犠牲にして他を生かす利他主義だからです。したがって、「神主義」の本質は愛であり、その思想は、人の四肢五体を動かす頭に相当する中心思想です。それで「頭翼思想」というのです。
右手も左手も実は同じ体についているものです。頭がなければ、それらは互いに他人同士のように闘いますが、頭が中心に定着して入れば、右手も左手も共に頭の命令に従って、体全体のために働く一つの共同体になるのです。
ですから、南北統一も「頭翼思想」によって成し遂げなければなりません。それは北朝鮮が韓国を赤化することでもなく、韓国が北朝鮮を侵略することでもありません。共生、共栄、共義の「頭翼思想」で南と北の価値観を統一することによって、南北統一を成就するのです。
第二に、私たちは、統一を熱望する心をもたなければなりません。熱望のないところに実践は伴いません。私たち国民連合は今後、南北統一を信仰化する運動を繰り広げていかなければなりません。統一は我が民族の宿願であるのみならず、必然であり信仰です。統一を目指す私たちの湧き上がる真心があるとき、神様はこれを成し遂げてくださるでしょう。この点において、私たちは北朝鮮に負けていると言っても過言ではありません。彼らは、強制によるよらないはともかくとして、韓国の解放を熱望する心をもっています。そして、これを成し遂げるためにすべてを投入し、犠牲になろうとする姿勢をもっています。
今や、私たちの統一への熱望、自分が犠牲になってでも必ず哀れな北朝鮮の同胞たちを解放してみせるという熱望なくしては、南北統一は幻にすぎないのです。そこで私は、この国民連合の宿願事業として、休戦ラインの近くに「統一祈願殿」と「統一訓練院」を建て、私たち四千万の熱い統一への熱気を北に送る事業を計画しています。
第三に、私たちは実力を養わなければなりません。私たちの統一の方案は、平和的な統一方案であり、そのためには各方面で実力を育成しなければなりません。私たちは、金日成主席の赤化野望を放棄させ、その閉鎖された社会を開放し、究極的には彼の南侵の意図を放棄させなければなりません。金日成主席の主体思想を放棄させるためには、彼をあらゆる面において凌駕する実力がなければならず、その実力で溶かすことができなければなりません。その実力で、彼がやむなく承服し、おとなしく従うように導かなければなりません。
ここで、第一に重要な実力は価値観の確立であり、思想武装であることは既にお話しいたしました。次には我が国の国力伸張であり、国際的な地位の向上です。さらにこの実力の中で重要なものの一つは、我が祖国の先進的民主社会の建設です。真の民主主義のみが独裁に打ち勝つことができる要素なのです。個人崇拝の独裁集団に対しては、健全な民主政治の発展によって、それを無力化させることができます。「人民の、人民による、人民のための政府が、この地上から消え去ることのないようにしなければならない」と宣言したエィブラハム•リンカーンの言葉は真理です。ですから、我が祖国の民主化は、歴史の命題であり、国民良心の至上命令なのです。
最後に、私たちの南北統一のために養うべき実力の中で最も重要なものは、国際的に我が祖国統一の機運を醸成することです。言い換えると、世界的に思想武装を急がなければならず、アメリカを中心とした世界情勢、日本と中国を中心とした韓半島周辺の情勢を通して、統一の機運を盛り上げる積極的な方向に導いていかなければなりません。ソ連までも動員して、閉鎖された北朝鮮を開放させ、究極においては北朝鮮が閉鎖された現体制では存立できないことを自覚させなければなりません。
彼らをして、国際的な圧力と運勢に耐えられずに脱共産主義を宣言させ、民族大同団結の次元から考えざるを得ないという運勢を集めてこなければならないのです。虚構の基盤の上に立つ金日成体制は、一面、非常に強いもののようでありながらも、一旦崩壊し始めれば、絶壁を転がり落ちる物体のようなものです。
早くから私がアメリカに世界宣教本部を設け、自由世界の思想教育に努力してきたことは、皆様も御存じのとおりです。「ワシントン•タイムズ」をはじめ、各種の言論機関を世界の各所に設け、世界の言論人を教育し、世界の各大学の教授に方向性を提示し、世界各国の学生運動を主導し、退役将校をはじめとした在郷軍人を糾合し、南米諸国を統合する運動を起こし、世界宗教一致運動を以前から直接遂行してきました。
このように、私はこれまであらゆる力を尽くして、アメリカと日本に影響を及ぼし、ヨーロッパと南米の各国にも基盤を築き、ついには中国にまで影響を及ぼして、北朝鮮解放の国際的条件の造成に全力投球してきました。
韓国は、地政学的に極めて微妙な位置にあります。韓国を巡る四大強国、すなわちアメリカ、日本、ソ連、中国は、韓半島においてそれぞれ重要な関心と利害関係をもっています。私たちはこの四大強国に影響を及ぼして、私たちの統一の課業に有利な方向に導いていかなければなりません。そのようにしなければ、私たちの祖国統一は到来しません。そのような影響力と実力を、私は国際舞台における思想教育運動を通して、そしてその他様々な分野での成功を通して成し遂げてきたのです。
このような基台の上で出帆する「南北統一運動国民連合」は、韓国だけの単独的な団体であってはならず、アジア各国、ひいては世界各国との紐帯をもつ国際連合運動にならなければなりません。ですから、私たち国民連合は、今後「アジア国民連合」へと発展し、さらにまた「世界国民連合」へと発展していくでしょう。これが全世界人類の念願であり、また神様の念願でもあります。
皆様。私たちは今、ここで民族的であり、世界的なこの課業を受け入れなければなりません。歴史的な統一の課業は、皆様のような義人の支援を待っています。皆様は、このような歴史の召命を受けて、「南北統一運動国民連合」を結成するこの場に集まったのです。
檀君国祖の開国精神は、「敬天愛人」の思想です。今日、私たちのその崇高な開国思想が昇華されて、世界を価値観の混沌から救援する万民救世の思想、すなわち「神主義」として、この地に発祥したのです。
私は先ほど、韓国の問題は世界の問題の縮小体であり、世界の問題の解決は韓国の問題の解決と不可分の関係であると説明しました。このことは言い換えると、私たちの韓国から、世界の問題を解決する処方が生まれるという意味にもなるのです。私たちが南北統一の処方として使える「神主義」は、世界を共産主義から、さらには世俗的な人本主義から解放する処方ともなるのです。
愛国同胞の皆様。私たちは共に私たちの価値観を確立し、国民の思想武装に総決起しましょう。私たちは共に南北統一を熱望する心をもち、これを信仰化して、鉄壁も貫いていく情熱を燃やしましょう。私たちは大役事の行進の最前列に立っているのであり、「永遠の民族史の中で最も雄壮な南北統一の場を、神意によって私たちの手で成し遂げる」という自負と決意をもって、この国民連合を通じて、世界的な実践の基盤をつくりましょう。
皆様。きょうこの場所は、皆様が共に統一の働き手として召命され、任命状を受ける神聖な場所であることを心に刻み、両手のこぶしを固く握り締めて統一の誓いを立てましょう。私たちの願いである南北統一が成し遂げられる時まで、一つとなって総進軍しましょう。皆様個人と皆様の御家庭の上に、神様の祝福が共にあることを祈りながら、「南北統一運動国民連合」創設のメッセージといたします。
Wednesday Aug 24, 2022
平和経 第321話
Wednesday Aug 24, 2022
Wednesday Aug 24, 2022
6.「南北統一運動国民連合」創設のメッセージ
日付:一九八七年五月十五日
場所:韓国、ソウル、リトル•エンジェルス芸術会館
行事:「南北統一運動国民連合」創設大会
統一を熱望する愛国同胞の皆様。きょう、私たちは「南北統一運動国民連合」の結成のために、この場に集まりました。
南北統一は我が韓民族の念願であり、宿願です。私たちは倍達の同胞であり、五千年の悠久なる歴史において、燦爛(さんらん)たる文化と美しい風俗、優れた言語を駆使する平和愛好の単一民族です。このような一つの血統を引き継いだ倍達民族であり、一幅の絵のごとき三千里錦繍(クムス)江山(カンサン)!私たちは、宿命的に断ち切ろうにも断ち切ることのできない同一運命体だったのです。
しかし、人も山河も願わなかった南北分断の歴史が、既に四十二年目を迎えました。愛国の独立志士たちの血と精誠によって勝ち取られた独立の喜びも一瞬にして消え失せ、民族が南北に分断されて嗚咽して以来、四十年余りが過ぎました。この民族の悲劇はいつまで続くのでしょうか。いくら見回しても、南北統一の明るい兆しがないからといって、民族の出会いと祖国統一の希望を全く放棄すべきなのでしょうか。
皆様。私はきょうこの席で、私たちの祖国の南北統一は、必ず成就されることを宣言する次第です。また、その時が近づいています。私たちはきょう、その南北統一の機運醸成のために、ここに「南北統一運動国民連合」を創設するのです。
一九四五年の私たちの祖国光復は、いかにして成し遂げられたのでしょうか。祖国光復と私たちの独立は、二つの要因によって成就されたのです。その第一の要因として、三十六年間の日本帝国主義の弾圧にも屈しない自主精神をもって、多くの憂国の志士たちが国内外で血を流しつつ戦った独立運動の成果でした。第二の要因は、第二次世界大戦の終結と日本帝国主義の敗北という世界的運勢がもたらした結果です。正にこの二つの要因によって、私たちの祖国に解放がもたらされたのです。南北統一もまた、同じ原理によって訪れるのです。
七十年の歴史をもつ国際共産主義は、実質的にその終末期に処しており、ソ連を中心とした全共産世界の崩壊が目前に迫っています。彼らは今や、七十年間の虚構と欺瞞と失敗の歴史を、もうこれ以上隠蔽しようにもできない状況に至りました。共産主義理念の衰退は、すなわち北朝鮮の金日成主席の運命とも直結しており、これはまた、世界的に南北統一の機運を醸成する要因なのです。
このような国際情勢の推移によって、今後の私たちに必要なことは、国内外で国民の皆様が互いに力を合わせて南北統一を信仰化する運動なのです。統一を熱望する心に火をつけなければなりません。「意のある所に道あり」という言葉があります。また「誠を尽くせば天も感動する」という言葉もあります。北朝鮮の天と地が感動するほどの私たちの熱い統一への意志と情熱なくして、どうして統一を願うことができるのでしょうか。これが正に、私たちがきょう「南北統一運動国民連合」を結成する理由なのです。
今日、韓国と北朝鮮を断ち切っている怨恨の三十八度線は、ただ地理的な三十八度線でもなく、血縁的な三十八度線でもありません。相反する思想の三十八度線であり、価値観の三十八度線であることを、まず私たちは知らなければなりません。六・二五動乱のとき、私たちが互いに命を奪い合う同族の争いの原因は、血統が違うからでもなく、互いが同じ民族であることを知らなかったわけでもありません。それは譲歩できない価値観の違いから起こった戦いであり、その価値観の違いが民族を断ち切り、血縁を断ち切り、さらには父子の縁までも断ち切る恐るべき壁になってしまったのです。
それでは、その相反する価値観の基本的な違いとは何でしょうか。三十八度線でぶつかり合う最も基本的な価値観の対決とは、有神論と無神論の対決です。共産主義の思想は徹頭徹尾、神様を否認するところから出発しています。神様は存在しないと主張するので、絶対価値はあり得ず、絶対価値がないので、善悪の基準もありません。そこから「目的が手段を正当化する」という、共産革命の原理が出てくるのです。
共産主義は、科学を標榜しながら神様を否定しました。共産主義のみが科学的であるとし、科学の発達は、神様と宗教とあらゆる神話を、迷信にすぎないとして失墜させるものと信じました。そして、宗教は民衆のアヘンであると宣言したのです。
それでは、二十世紀の科学は、果たして共産主義が予言したとおりに、神様と宗教と神話をこの地球上から追い出すことができたでしょうか。できませんでした。二十世紀の科学は、それとは正反対に、科学的であることを誇っていた共産主義を十九世紀の迷信として墜落させ、かえって神様を証すものとなっていきつつあります。その一つの例を挙げてみましょう。十九世紀までの宇宙観は、「この宇宙は分けようにも分けることのできない絶対個体(究極粒子)でできている」というものでした。このような十九世紀の科学に基づいて、共産主義はその基本哲学として「宇宙の根本は物質である」という唯物論を主張したのです。
ところが、二十世紀の原子物理学は、この十九世紀の宇宙観を完全に覆すものでした。なぜならば、物質はほかならぬ無形のエネルギーからできていることが証明され、エネルギーと物質は相互変形的であり、相互交流的なものであることが、否認できない真理として明らかになったからです。さらに、二十世紀の先端を行く原子物理学においては、宇宙の形成は宇宙の中に何らかの意志がなければ成立しないことに意見が一致しつつあります。科学の因果関係の法則によって、宇宙の森羅万象が偶然の所産であるはずはなく、宇宙の中に太初から存在する第一原因の実在が次第に明白になりつつあります。
科学が究明していくところの、宇宙と人間を存在せしめる第一原因を、宗教においては「神様」と言います。その神様は、知情意を備えもつ人格的神であり、人間の創造は神様の自己表現だったのです。神様は御自分に似せて造った人間を通して、愛を与えたり受けたりしながら喜びを享受しようとしたのです。それが創造の目的です。
ですから、今日私たちが「神はいない」と言えば、まるで子女が「親はいない」と言うのと同じことです。あらゆる人間社会の価値観は、正にこの創造主を認め、その創造主との関係を正常化するところから出発するのです。その神様を地球上から抹殺しようとした共産主義は、彼らが固く信じた二十世紀の科学によって虚偽であることが明らかにされてしまい、「共産主義こそ、この地球上から消滅すべき間違った価値観である」ということが、はっきりと暴かれてしまったのです。
共産主義は、人間を単なる高等動物や、動く物質、すなわち機械のように扱います。神様を否認する共産主義としては、あまりにも当然の結論です。共産主義は、人間の起源を猿が進化したものとみなしており、猿は労働を通して道具を使用することによって言語を使い始め、言語から理性が発達して人間になったと定義しています。ですから労働は神であり、人間は高等動物であると主張しているのです。
共産主義の人間観には、根本的に問題があり、このような間違った人間観から人類に対する恐るべき犯罪が引き起こされるのです。人間が単なる高等動物であるとすれば、人間が人権を主張する何の理由もなくなるのであり、人間が単なる機械であるとすれば、その人間には、自由や愛や創造力をもち得る何の土台もなくなります。
共産主義の人間観は、ただ暴力革命の一手段にすぎないのです。彼らの主張によると人間が共産主義の目的に一致する時にだけ、人間として扱われるのであり、それ以外の人間は無価値的な存在であるとされるのは、あまりにも当然のことなのです。共産世界で人間がはえの命のように軽視される理由はここにあります。ソ連共産革命以後六十年の間に、一億五千万人の罪なき人命が、共産主義という美名のもとに虐殺されたという事実は、共産主義の人間観を知るならば、あまりにも自明な結果です。
人間の尊厳性は、人間が創造主神様の子女だというところに起因するものです。人間が神様と同じように神性をもっているという点から、人間の高貴な価値が生まれるのです。人間を害することは神様を害することであり、人間を愛することはすなわち神様を愛することになるのです。人間一人一人は神様がお造りになった個性真理体であり、人間一人一人は神様御自身を現す実体であり、人間は、神様が永遠であられるのと同じように永生するのです。
共産主義が人類に対して犯した最大の罪悪は、その思想が神様を否定するだけでなく、人間を動物視するところからくるものです。共産主義は人間を単なる高等動物や、動く物質、すなわち機械とみなします。ですから、共産主義を信奉する国々では、人権の尊厳性は、驚くべきことに体制自体によって根源的に否定されているのです。
この相反する二つの価値観の対決は、韓半島のみならず、今や世界の至る所で起こっています。今は、世界的な価値観の南北戦争の時代なのです。この価値観の対決を世界的な次元において解決しなければ、共産主義の問題は解決できず、私たちの南北統一も妄想にすぎません。ですから、世界の問題の解決なしに南北統一はあり得ず、韓国の問題の解決なしに世界の問題の解決はあり得ません。同じ方法で、世界の問題も韓国の問題も解決されるからです。
皆様。私がこの世界的な価値観の混沌を解決する鍵として提唱してきた思想が、「神主義」であり、「統一思想」です。「神主義」とは、神様の実在を明白にして、その神様から賦与される神聖不可侵の人権を明らかにして、共産世界を思想的に解放し、もう一方では、今日没落していく西欧文明を、世俗的な人本主義と退廃的な物質万能主義から解放しようとするものです。この思想をもって、私たちは北朝鮮を解放し救出できるのです。ですから、南北統一運動は、まず価値観の確立と提示から出発するという理由がここにあります。
このように、相反する価値観の対決を考える時に、私たちがまず肝に銘じるべきことは、自由統一のみが私たちの願う真の統一だということです。私たちの統一は、神様と自由と民主主義を基礎とする統一でなければなりません。その他のいかなる形態の統一であっても、それは真の統一ではありません。
自由とは、神様がすべての人間に賦与した神聖不可侵の権利です。これは私の権利であり、皆様の権利であり、北朝鮮の同胞たちの権利です。北朝鮮の同胞たちは、その権利を四十二年の間、剥奪されてきました。彼らも、私たちと同じように自由を享有できるそのような統一になってこそ、真の統一なのです。
私たちは、あのベトナムの例から大切なことを学ばなければなりません。ベトナムは統一されたのではなく、ソ連の奴隷になったのです。それは真の統一ではありません。ベトナムの赤化十二年の間に、自由を求めて脱出した数十万の人々がボート•ピーブルとなって海上で息絶え、数百万の人々が粛清されました。いわゆる統一されたという共産国ベトナムは、国民所得が百ドルにも満たない世界最悪の貧困国に転落してしまいました。誰もこれを「統一」と呼ぶ人はいないでしょう。北朝鮮の同胞に必要なのは解放です。彼らが待ち望む解放は、私たちが先頭に立って、世界の運勢を集めてくる時にのみ可能になるのです。これは、過去四十年間以上、より自由で幸福な生活を享受してきた私たちの、北朝鮮同胞に対する神聖な義務なのです。
北朝鮮の共産党は、過去四十年間、赤化統一政策を堅持し、その機会を虎視耽々と狙い続けてきました。彼らの南朝鮮解放の究極の目標とは、「韓国をアメリカ帝国主義の支配から解放することにより、祖国を統一し、韓国国民を北朝鮮人民と同じように主体思想化させること」と規定しています。韓国国民を主体思想化するということは、いわゆる「金日成唯一思想」によって武装させるということであり、それは正に金日成親子の絶対的な支配に屈するということなのです。すなわち、金日成主席のもとで奴隷化されることを意味します。
このような狂信の中で、一日も休むことなく南侵を準備し続けて四十年余り。彼らが六•二五動乱の時に失敗した苦い経験を生かして、三十年以上さらに準備してきたのですから、今や、いわゆる「呻吟する韓国人民を解放するための革命的南侵の機運」は、その絶頂に達しているのです。このような南北対峙の緊張が高まっている状態の中でも、大韓民国はこれまで経済成長と国際的地位の向上において、目覚しい発展を成し遂げてきました。
韓国と北朝鮮の国民総生産(GNP)の対照は、一九八五年末に五•五対一という格差を示しています。韓国はGNPにおいて世界の中で二十位を記録するようになり、世界で十二番目の通商国にまで発展しました。したがって、一九八八年のソウル•オリンピック以後、韓国は経済的にも軍事的にも、絶対的有利な立場に置かれることは火を見るよりも明らかな事実です。そのようになれば、北朝鮮が信仰的に信奉してきた武力赤化統一の機会が永遠に消え去ってしまうことを見通した北朝鮮は、手遅れになる前にこれを阻止する目的で、あらゆる策略をしかけてくるに違いありません。
韓国を混乱に陥れるためのありとあらゆる宣伝と策略! 韓国の政治的混乱を契機に、ソウル•オリンピックの開催を阻止するために、韓半島の不安と緊張を高めると同時に、最後の渾身の死力を尽くして軍事的冒険を選択する可能性も少なくないため、今後の十二年が決定的な時期であることを断言します。このような重大な時点に、私たちが「南北統一運動国民連合」を結成するようになったということは、実に歴史的なことなのです。
Wednesday Aug 24, 2022
平和経 第316話
Wednesday Aug 24, 2022
Wednesday Aug 24, 2022
勝共国民運動基盤の造成が急務
ここにおいて留意しなければならないことは、北朝鮮は全共産世界を代表しているので、北朝鮮の背後にはソ連をはじめとする多くの共産国家がつながっているという事実です。北朝鮮とつながったこれらの国家は、世界制覇という思想的な連帯関係をもっているために、有事の際、北朝鮮は、これらの国家、特にソ連と中国から軍事的、経済的な支援を受けることができますが、大韓民国はそうではありません。
今後、有事の際、六・二五動乱のように自由の友邦が私たちを助けてくれると期待してはいけません。なぜならば、民主世界には世界統一という思想的な内容がないからです。六•二五動乱の時とは事情が全く異なってしまいました。これは、自由の友邦が世界のための思想で一致しているわけではなく、自国の利益を追求するだけではなく、選挙による主権者の変動が可能であり、だんだんと自由化されつつあるからです。
私は、自由陣営のこのような脆弱(ぜいじゃく)点を早くから知っていたので、これまで、日本、アメリカ、ヨーロッパ、中南米などを往来しながら、世界の青年、学者、言論人、政界人などを糾合して、超国家的な「勝共思想」で彼らを覚醒し、彼らの国家に民間的な勝共基盤を造成して、歴史的、摂理的、世界的な全体共産主義との対立地である大韓民国を守護するために全力を傾けたのです。特に、アメリカと中南米には、カウサ(CAUSA:南北米統一連合)運動を通じて「勝共思想」を国民に定着させることに成功し、日本では強力な民間の勝共基盤を構築しました。
アメリカと日本において、この基盤は今後、一層急速に拡大されるでしょう。韓国もこれまで私が勝共連合に指示して、全国の里、統単位の指導者を選定し、全国民的基盤を立てるようにしました。このようにして、少なくとも、韓国と日本とアメリカにおいて、為政者のレベルではなく、民間のレベルで、思想的に強力な連帯関係を形成するようになったのであり、有事の際、迅速に支援を得られる土台がつくられたのです。
これから世界を代表するこの三国の勝共国民会員は、姉妹結縁と相互交流、教育などを通じて、団結をより強くするように指導しようと思います。北朝鮮の直接的な脅威のもとに置かれている韓国には、まだまだ勝共国民要員が大幅に足りません。一つの里、統内に、少なくとも百人以上の勝共国民会員がいなければなりません。そうすれば、約七百万の勝共国民会員となり、勝共の主体国として国際的威信をもつようになるでしょう。
したがって、一つの里、統内で、できる限り父も母も、勝共国民の働き手にならなければならず、兄も弟も姉も妹も、そして夫も妻も勝共国民会員にならなければなりません。そうなるとき、町内会は勝共国民町内会となり、民防衛隊は勝共国民民防衛隊となり、セマウル運動は、勝共国民セマウル運動となるのです。そうして初めてこの国に強力な勝共国民基盤が造成されるようになり、確固たる安保国民基盤が構築されるようになります。国の為政者がたとえ代わったとしても、この国民基盤造成は決して中断されてはいけません。
しかし、これで満足してはいけません。この国民基盤を、再び外国の勝共国民基盤と連結しなければなりません。そうして強力な国際的勝共国民連合戦線を形成しなければならないのです。国際的な勝共国民連合戦線によって、北朝鮮を含む全世界の共産主義と闘って勝利するとき、初めて北朝鮮を打倒し、北朝鮮の地を解放するのです。
国際的な勝共国民戦線の結成
私が今回、韓国に帰ってきたのは、正にこのような仕事をするためです。各国の勝共国民基盤を韓国と連結させ、強力な国際的な国民連合戦線を形成するために帰ってきたのです。
今日、ここで勝共大会を開くのも、国民の皆様に国を生かすために、早く「勝共思想」で武装してくれることを訴え、併せて国際的な勝共国民戦線を形成するためです。
私がここまで来るのに、多くの迫害を受けてきました。国家を越えて世界的に迫害を受けてきたのです。今や、国民の皆様がこれまで積み上げた実績を通じて悟る時になりました。韓国が生んだ偉大な神様の思想を受け入れなければなりません。この思想は私の思想ではなく、神様の思想であると同時に、皆様と人類の思想です。
この場には七十ヵ国の「世界平和教授アカデミー」の議長団七十人の方々も来られています。この方たちは、著名な世界的碩学者で、私の統一運動と勝共運動に賛同した方々であり、本大会を支援し、韓国と各国の勝共国民の紐帯強化を図るため、今回訪韓したのです。
こうして、この地球上から共産主義を完全に一掃するとき、初めてこの地上に、長い間、神様の希望であり、人類の夢だったユートピアの世界が建てられるようになり、我が民族の念願である祖国統一が達成されるのです。
その日のために、私たち全国民は、一致団結して共産主義と闘うことを固く決意し、全世界の国民と心を合わせて一体となり、共産主義の打倒のために総決起し、総進軍しましょう!
大韓民国と皆様の御家庭に神様の加護と祝福があることを願ってやみません。ありがとうございました。
Wednesday Aug 24, 2022
平和経 第315話
Wednesday Aug 24, 2022
Wednesday Aug 24, 2022
共産主義の党派性
統一運動が世界的に拡散していくのに、最も障害となるのが共産主義です。共産主義は弁証法的唯物論、唯物史観などの独特な哲学をもっていますが、民主主義はそれに対応する哲学をもっていません。その代わり、民主主義は「統一思想」を受け入れることができます。しかし、共産主義は、その党派性と階級性ゆえに、これを全く拒否しています。
こうして共産主義は、私の統一運動に対して、様々な手段を用いて妨害し、迫害したのです。虚偽宣伝と悪辣な謀略、各種の印刷物と集会を通じて、共産主義は、私と私のグループに対して中傷と迫害を加えてきたのです。政治家、言論人、学生、宗教人、文化芸術人、ひいては婦人たちまでも動員して統一運動を悪宣伝しました。統一運動に対する日本共産党の中傷と迫害に関する詳細な調査資料は、間もなく本として出版される予定です。
そして、彼らの迫害の方法も多様であり、襲撃、誘拐、拉致、不法監禁、暴力行為、強制的改宗の企て、洗脳、強迫、精神病院への強制収容と外部との完全な遮断、睡眠薬の投与による精神麻酔などがその例です。こうして今日に至っては、私と統一運動に反対し、迫害するいかなる団体も、いかなる個人も、その背後には必ず共産党があって、これらを直接•間接的に操っていることが綿密な調査によって明らかにされたのです。それでは、共産主義は、何の理由で私の統一運動をそれほどまでにしつこく反対するのでしょうか。それは「統一思想」が、神様を彼らにはっきりと知らせるのみならず、体恤させることによって、無神論的共産主義の虚構性が白日のもとに暴露されるからです。
悪魔が太陽の光を避けて夜にだけ暴れるように、共産主義は神様を避けて、今日まで闇の世界でのみ権勢を振るってきました。「統一思想」によって、神様の真理の光を照らすとき、悪魔の正体が暴露されるので、彼らは必死で統一運動に反対しているのです。実際に共産主義者のうちには、「統一思想」に接して共産主義が虚偽であることを悟り、転向して統一運動に加担した例が少なくありません。
しかし、共産主義の反対と迫害にもかかわらず、統一運動は弱化するどころか、かえって驚異的な速度で成長し、全世界的に拡大されてきました。なぜでしょうか。それは神様が保護してくださり、助けてくださったからです。「統一思想」は正に神様の愛であり、統一運動は正に神様の願われた運動だからです。神様はこの運動を通じてすべての矛盾と社会悪を除去し、統一された一つの真のユートピアを実現しようとしておられます。ユートピアとは、宗教的用語では地上天国のことをいうのです。
統一運動の最終目標
それでは次に、私が展開している統一運動の最終目的を具体的に明らかにしようと思います。既にお話ししたとおり、神様の真理と愛の理念である「統一思想」によって、第一に社会的、世界的なすべての問題を解決し、共産主義をこの地球上から完全に一掃し、真の自由と平和と繁栄の世界を実現することであり、第二に、新しい価値観と新しい倫理、道徳による大家族主義の世界を実現することであり、第三に、すべての抑圧と搾取と差別と社会悪が消え去った、共生共栄共義主義の大統一世界を実現することが、最終目標なのです。
一言で言えば、真のユートピアを実現することです。そして、このような社会を実現する方法も、共産主義式の暴力や闘争の方法ではなく、真理と愛による平和的、理想的精神運動によるのです。このすべては神様のみ旨であり、神様が成就しようとされる最終目的となるのです。
韓半島における善悪の対立
韓半島において、大韓民国は共産主義と闘って勝たなければならない宿命的な立場に置かれています。大韓民国は、共産主義と闘って勝利すれば、世界に雄飛するのですが、共産主義に負けるときには、跡形もなく消えてしまうのです。敗北の悲惨な運命は、ベトナムの例がよく示しています。
大韓民国は北朝鮮だけに勝つのではなく、全世界の共産主義に勝たなければなりません。北朝鮮は悪の側で、世界共産主義を代表して北の地を占有しており、大韓民国は善の側で、世界民主主義を代表した立場で北朝鮮と対峙しています。こうして休戦ラインを間において、北朝鮮と大韓民国は各々共産世界と民主世界の先端に立ち、両世界を代表して生死を懸けた運命的な歴史的対決をしているのです。
北朝鮮は悪側を代表し、大韓民国は善側を代表しています。北朝鮮はサタンが背後にあり、大韓民国は神様が共にいてくださるのです。こうして韓半島は、世界において善と悪が最も鋭く向かい合っている、世界史的な地域となっており、この地域で善が悪を打ち破って勝利したとき、世界のすべての悪は滅びるようになるのです。神様は全摂理史をかけて、このような韓国国民と全世界の自由人が一つとなって、全体的な勝利を収めることを、待ち望んでおられるのです。
最後に韓民族の決意についてお話ししようと思います。休戦ラインを中心とする南北の対決は、総力体制の対決なので、国力において大韓民国が北朝鮮を凌駕しなければならないことはもちろん、思想的な面においても北朝鮮を凌駕しなければなりません。総力戦において、最後の勝敗は思想戦にかかっています。ベトナム戦争がこれをよく示してくれています。アメリカは最強の軍事力をもってしても、思想戦に敗れたために、結局ベトナム戦争で敗退してしまったのです。
思想戦という点から見ると、大韓民国は現在、非常に不利な立場にあります。共産主義が巧妙な偽装戦術によって、宗教界と大学街に浸透しており、農村と都市には共産スパイの地下組織が根を下ろしつつあります。全国民は団結しなければなりません。教授たちは大学街を、宗教人たちは宗教界を、官僚たちは国民を、責任をもって思想教育を急がなければなりません。そして、共産主義の理論を論破する「勝共理論」によって早く武装し、共産主義の偽装浸透とスパイの地下組織網を摘発、粉砕したとき、初めて思想戦に勝利できるのです。このときになって、初めて北朝鮮の南侵を実質的に阻止できるのです。
Wednesday Aug 24, 2022
平和経 第314話
Wednesday Aug 24, 2022
Wednesday Aug 24, 2022
3.世界と韓国の決意
日付:一九八三年十二月十四日
場所:韓国、慶尚南道、馬山室内体育館
行事:全国八大都市勝共決起大会
万場の愛国市民の皆様、勝共会員、そして内外の貴賓の皆様。久し振りに、再び皆様にお目にかかれて、実にうれしく思います。
去る九月と十月のKAL(大韓航空)機撃墜事件とラングーン暗殺爆破事件のとき、どれほど驚愕と悲痛が大きかったでしょうか。私もその時、外地でその衝撃的な消息を知り、故国の皆様と共に驚きと悲痛を禁じることができず、憤怒もまた大きかったのです。
しかし国民の皆様は、その途方もない衝撃にも挫折することなく、その試練によく耐え抜かれました。その時私は、数多くの国難に不死鳥のごとく耐え抜いてきた伝統的な民族の魂を、故国の皆様に再発見し、心強さを感じたのです。きょう、私がこの場で皆様にお伝えしようとする講演の題目は、「世界と韓民族の決意」です。
危機状況に置かれた今日の世界
まず、今日の危機状況についてお話ししようと思います。今日の世界は一言で表現すれば、大混乱の世界であると言えます。東洋や西洋を問わず、世界の南北を問わず、また先進国と発展途上国との区別なしに、今日の社会はみな病にかかっており、不正、腐敗、殺人、強盗、搾取、抑圧、暴力などが絶える日がありません。そして日増しにより一層増大しています。
また、国際的には国と国との間に、民族と民族との間に、宗教と宗教との間に、紛争、衝突、反乱、戦争などが至る所で起きており、最近ではKAL機事件、ラングーン爆破事件、ベイルート爆破事件などの大量虐殺の蛮行まで続出しています。
一方、先進国の国民が豊かな生活を楽しんでいる反面、アフリカのような発展途上国の多くの国々においては、数多くの人々が飢餓線上で苦しんでおり、飢えで死んでいく群れが増えつつあるのです。このような混乱と惨状の中でも、特に嘆かわしいことは、宗教が本来の役割を果たせず、互いに闘っているという事実です。
北アイルランドにおける新教と旧教との闘い、イスラエルのユダヤ教とアラブのイスラームとの闘い、イラクとイランのイスラーム内の教派相互間の闘い、プロテスタント内部の教派争いなどがそれです。人類の精神を先導して闘いを中止させ、和解させなければならない宗教が、かえって闘いに明け暮れているのです。
こうして世界は今、無法天地と化してしまい、人類は様々な暴力と殺戮、破壊と蛮行の海の中へ落ちていきつつあります。さらに共産主義の野蛮な策動によって、混乱はより一層深化されています。こうして人類文化は今、絶望的な危機状況に置かれてしまいました。
世界の混乱の原因と問題解決の限界性
それでは、このような世界的な大混乱の根本原因は、果たして何でしょうか。それは従来の価値観が総体的に崩壊してしまったからです。どのように生きるのが正しい生き方なのか、その基準を喪失してしまったからです。何が善であり、何が真であり、何が正義であるのか判断が難しくなったからです。
価値の基準が国ごとに違い、団体ごとに違い、甚だしくは個人ごとに違います。さらに、共産主義が現れ、従来のすべての道徳観念を破壊しています。これは何を意味するのでしょうか。これは民主主義も共産主義も、そして宗教も哲学も、今や世界のすべての問題を解決し得なくなったことを意味するのです。
民主主義は、人間の権利の平等と多数決主義によって、すべての難問題を解決することを目標として出現したのですが、今日に至って、民主主義の社会であればあるほど、価値観の崩壊が一層深まりつつあり、これは民主主義が社会や世界の問題解決において、自信を失ってしまったことを意味するのです。
一方、共産主義は、革命によって社会主義社会を実現し、資本主義社会の構造的矛盾を一掃して労働者と農民を解放し、すべての社会悪を除去するという名分をもって出現しました。それにもかかわらず、今日、ソ連をはじめとするすべての共産国家は資本主義よりも、より深い構造的矛盾を露呈しており、より甚だしい社会悪をほしいままに行っています。そして、宗教は宗教なりに、人類の精神指導には全く関心をもたず、争いに明け暮れているのみならず、宗教内部にも不正、腐敗が蔓延しつつあります。また、哲学は哲学で観念化されてしまい、現実から遊離して、現実問題の解決には何ら助けにもなっていないのです。
このように見るとき、民主主義も共産主義も、宗教も哲学も、社会や世界の問題解決において、完全に限界性を露呈してしまったのです。今や人類は、世界の混乱を収拾するに当たり、そのいかなる主義や宗教や哲学にも、期待をかけることができなくなりました。これはこのまま行けば、人類文化が滅亡せざるを得ない状況になることを意味するのです。
神様の実在を前提とした解決方案
それでは、果たしてこの世界的な大混乱を収拾する真の解決方案はないのでしょうか。人類は今やすべてを諦めて、滅亡の日のみをただ待っていなければならないのでしょうか。決してそうではありません。問題の根本的な解決方案はあるのです。その解決方案とは、絶対神(神様)の実在を前提とした解決方案です。それは、絶対神が、この地上に実現しようとした世界が、正に混乱のない平和の世界だったからです。
ですから、神様の実在と神様の創造を認めなければ、今日の世界の問題の解決は不可能なのです。これを言い換えれば、人間が、このような神様の実在と創造目的を知らなかったがゆえに、今日、大混乱の世界をもたらしてしまったのです。
神様が地上に実現しようとした世界は、真のユートピアであり、それは自由と平和と幸福に満ちあふれた世界です。このようなユートピアの理想を胸に抱いて、神様は今日まで切ない心で、地上の人々を訪ねてこられたのであり、人間は人間なりに混乱の中で苦痛を受けながらも、ユートピアを求めてさまよってきたのです。与えようとして切ない心で来られた神様の理想と探し求めてさまよう人間の理想は同じなので、神様と人間が出会いさえすればユートピアは直ちに実現されるようになっているのです。それにもかかわらず、全体的な分野において、その神様と人間の出会いがなかったので、人間は長い間苦痛を受けてきたのです。
「統一思想」と統一運動
私は早くから、悲劇と苦痛の中で呻吟する人類を救出する方案を模索することに、長い間心血を注いできました。それは瞑想と苦悩と探求の道であり、凄絶な精神的闘いの茨の道でした。
千辛万苦の努力の果てに、ついに実在される神様に出会うことができたのです。神様に出会ってみると、神様は栄光の神様ではなく、ユートピアを地上に実現するために、焦り、もどかしく思われる父母としての神様であられ、またその神様は、天道を明らかにして万物を抱く真理と愛の光でした。
神様の限りなき真理と愛に接したときに悟ったのは、神様と人間と宇宙の関係を人間にはっきりと知らせるために、神様が深く抱いてこられた深奥な思想でした。この思想によって世界のすべての問題は完璧に解かれ、ユートピアが実現されることが証明されたのです。この思想が正に「統一思想」であり、私が今、世界的に展開している統一運動の基本的理念になっているのです。
神様と出会って以来、私は今日まで、神様の思想をもって神様と人類の夢であるユートピアの実現のために、生涯にわたって統一運動を展開してきたのであり、その間の経験を通じてこの「統一思想」が問題解決の鍵であり、混乱収拾の鍵であることを、より一層確認することができたのです。人生問題、社会問題、宗教問題、歴史問題など、各種の難問題のために苦悶した末に、疲れ果てた多くの青年男女たちと壮年たちが、この思想に接してからは、あたかも旱魃(かんばつ)で干からびた草木が、甘雨(かんう)によって蘇生するように、彼らは希望と喜びと活気を取り戻して立ち上がったのです。
統一運動は、いまだ既成世代によって故意の迫害を受けているにもかかわらず、彼らは世界問題の根本的な解決の道は、統一運動だけであることを確信して私のあとに従っており、この数は急速に増大しているのです。
最近では、全世界から多くの著名な碩学たちまでが、この運動に参加し始めました。このようにして、民主主義も共産主義も、そして宗教も哲学も解決し得なかった各種の難問題の正しい解決方案は、ただ「統一思想」のみであることが、漸次、一般の人たちにも認識されつつあります。
Monday Aug 22, 2022
平和経 第320話
Monday Aug 22, 2022
Monday Aug 22, 2022
韓民族は摂理史的な祭物
神様はなぜこのような摂理をされるのでしょうか。神様がこの民族に十字架を負わせたには、この民族を召命するためです。この民族は長い間、天を敬い、道義精神と平和精神をもって長い試練に打ち勝った受難の民族であり、善の民族であるがゆえに、召命されるに至ったのです。
そして終末に、人類を救うための摂理史的な祭物になったのです。数千年間、苦難の歴史を過ごしてきた韓国は、最後に人類救援の祭物となって、分断という世界史的な十字架を負い、あらゆる試練に打ち勝ちつつあるのです。
祭物として召命された民族であるがゆえに、摂理の焦点が韓国に置かれているのです。これは韓民族として、栄光であると同時に恩賜であり、恐ろしい重荷であることを理解しなければなりません。祭物である民族としての責任を果たすときは、最も光栄な祝福を受けるのですが、責任分担を果たせないときは、最も過酷な不幸に襲われるからです。二千年前のユダヤ民族は責任分担を果たせず、歴史を通じて大きな不運にさらされてきたことを私たちは知っています。
民族に担わされた摂理史的な祭物の使命を果たすためには、愛の実践とともに神様の真理を知らなければなりません。イエス様は愛を中心とした実体として、御自身を、道であり真理であり命であるとおっしゃいました。イエス様は愛と真理の実体として十字架にかけられたのです。
これは、善の側と悪の側を和解させ、怨讐を悔い改めさせるには、愛とともに真理が必要であることを意味しているのです。真理とは、世俗的な真理ではなく、神様の愛に関するみ言をいいます。神様の真理は一定の摂理的人物を通じて、啓示として地上に伝達されます。神様の真理は絶対的真理です。絶対的真理は万能の鍵のようなものであって、この真理を適用すれば、いかなる難問題も解けるようになるのです。
神主義と愛の統一
私は、長きにわたる祈りと瞑想の生活の末、ついに実在する神様と出会い、絶対真理を伝授されました。それは、宇宙と人生と歴史の背後に隠されたあらゆる秘密を明らかにする驚くべき内容でした。この内容を社会に適用すれば社会の問題が解決され、世界に適用すれば世界の問題が解決されます。
それだけでなく、宗教の未解決問題や哲学の未解決問題も解決されるのです。特にこれを共産主義理論の批判に適用したとき、共産主義のすべての虚構が白日のもとにさらされると同時に、共産主義に対する代案も立てられるものだったのです。
これは、かつてなかった新しい世界観であり、新しい宇宙観であり、新しい人生観であり、新しい摂理観であり、新しい歴史観です。また、あらゆる宗教の教理や哲学の特性を生かしながら、全体を一つに包容できる統合の原理でもあるのです。私はこれを「統一原理」または「神主義」と名づけ、世界的に統一運動と勝共運動を展開しています。この運動は現在、燎原の火のごとく広がっています。すべての対決の和解と統一のためには、神様の愛の実践と真理が必要だということを明らかにしました。
休戦ラインを境にして善の側と悪の側に分かれた韓民族は、善の側の真理をもって悪の側の思想の過ちを論しながら、愛で抱いていくならば、統一は必ず成し遂げられるでしょう。
ために生きる愛の道理は天道
ここで私は、愛についてもう少し具体的にお話をしたいと思います。愛とは相対があるところに成立します。愛は相対から来るのであり、ために生きるところに真の愛が成立します。相対がなければ愛は存在できません。自己のために生きるのではなく、先に相対のために生きるのが愛です。すべての被造物はために生きるように創造されたのであり、ために存在するのです。人間のみならず、動物、植物、鉱物も、ために存在します。原子の世界も、ために存在し、太陽と月と星の運動もすべて、ために生きる運動なのです。
また、人間の男性は肉身の構造から見て女性のために存在し、女性もまた身体構造から見て男性のために存在します。同様に、父母は子女のために存在し、子女は父母のために存在します。ために生きることの原則は、学校、職場、国家においても同様です。しかし、そのために生きる愛は、国家の枠内でとどまってはいけません。国民は国境を超えて世界を愛し、さらに進んで世界的怨讐までも愛さなければなりません。
全宇宙のすべての個体は、ために生きながら存在し運動しています。ですから、ために生きる愛の道理は天道であり、天理なのです。いくら困難な中にあっても愛の道理を実践すれば、宇宙的な力が彼を助けて、彼は決して滅びることがありません。しかし、いくら快適な中で生活しても、ために生きる道理を守らなければ、いずれは衰退していくのです。「天に順う者は存し、天に逆らう者は亡ぶ」という言葉は、この天理のことをいうのです。
このように見るとき、民族的十字架を背負つた韓民族は、統一の達成が難しくとも、真理の中心と一つになった中で、天道に逆らうことなく、ために生きる生活を、個人、家庭、社会、国家で営み、国際的に拡大していくならば、間違いなく韓半島の統一はもちろん、全世界の救援の道も早められるでしょう。
それは、韓国に焦点を置かれた神様の摂理のみ旨と一致するからです。南北統一が早められるばかりでなく、この方式が一つの公式となって、全世界も同じ公式に従っていくでしょう。そうしてこの愛と真理の運動のもとに、世界のすべての難問題は解決し、人類は長い間の不幸と混乱の悪夢から解放され、初めて永遠の幸福と平和が訪れてくるのです。歴史を通じて学んできた祖国は、神様に頼る以外に方法がありません。
世界勝共運動の先頭に立つべき
私と統一教会と勝共の同志たちは、これまで外国の地で世界的な勝利基盤の造成に全力を捧げてきたのであり、その固められた勝利の基盤を韓国に連結させ、韓国をして世界に跳躍させる契機となることを望んで、このたび帰国しました。
特に韓国の勝共指導者の皆様は、世界の勝共運動の先頭に立ってくださるようにお願いします。どうか連結された国際的基盤を強固にし、大韓民国と共に世界の手本となってくださることを願ってやみません。終わりに、皆様の御家庭と私たちの祖国と世界に、神様の祝福が共にあることをお祈りいたします。ありがとうございました。