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Monday Jul 18, 2022
平和経 第280話
Monday Jul 18, 2022
Monday Jul 18, 2022
心情文化世界の創建のために
日付:一九九四年五月一日
場所:韓国、ソウル、オリンピック公園体操競技場
行事:「世界基督教統一神霊協会」創立四十周年記念式
尊敬する内外の貴賓、紳士淑女、そして世界の食口の皆様。私はきょう、協会創立四十周年を迎え、深い感慨を抱いてこの壇上に立ちました。一九五四年、数人の人たちとソウル北鶴洞(プッカクトン)の小さな家に「世界基督教統一神霊協会」の看板を掛けて、公式的な出発をしたのがきのうのことのようですが、四十年もの歳月がたちました。
協会創立四十周年の感懐
私がこの協会を創立したのは、ある個人的な目的を達成するためではありませんでした。ただ神様のみ旨を地上に成就するためでした。考えてみれば、迫害も多く、様々な形の受難の道を歩んできました。親も兄弟も親戚も理解できなかった道であり、さらには社会と国家から追われた生々しい記憶もあります。
最も胸が痛むことは、神様が準備されたキリスト教徒たちからの迫害であり、今でも一部では道理に合わない批判をしています。実に多くの障害物を越えてきました。
このすべての苦難の過程において、背後から守り、導いてくださった神様の深い愛に感謝を捧げます。それでは、神様の救世のための聖人の道理とは何でしょうか。神様が聖人を立てられた目的はどこにあるのでしょうか。神様が求められる聖人は、彼が死んだのちに次の歴史の中で賛美される、そのような聖人ではありません。神様は、この悪の世界を救うことのできる聖人、この時代を神様の善のみ旨で消化できる聖人を求めておられるのです。
この地上の罪悪歴史を清奠するために、悲惨な罪悪の中に入ってそれを撃破して整理する聖人、神様が最も心苦しく思われる問題に一人責任をもち、解決しようと堂々とこの世の悪と対決しながら、勝利の行軍をすることのできる聖人を求められるでしょう。したがって、聖人の行く道は平坦ではあり得ず、無理解と迫害が必然的について回るのです。
私は生きてこのみ旨を成し遂げてさしあげると神様に誓い、寝ても覚めてもその思いに没頭しました。千万回誓いながら、決意を固め、監獄のどん底でもこの誓いを立て、残酷な拷問により死境をさまよう時にもこの誓いを立てました。
神様の人間創造の動機は真の愛
神様のみ旨は、信じる人だけのものではありません。万民万象が神様のみ旨のもとにあります。神様のみ旨は漠然としたものではありません。太初に神様の中心にあった創造理想、すなわち創造目的が神様のみ旨です。字宙万象と人間は、すべてその創造目的のもとに造られたのです。
永遠で絶対の神様になぜ創造が必要だったのでしょうか。神様にとって絶対に必要なものとは何でしょうか。物質や知識、または権力でしょうか。そのようなものは、神様が望みさえすれば、いつでも作って手に入れることができ、また神様自身が自由に調節することができます。しかし、真の愛だけは神様も思いのままにすることはできないのです。
真の愛は、ただ相対圏を通してのみ見いだすことができるのであって、一人だけでは愛の刺激を感じることができません。これが、神様が相対的な被造世界を必要とした理由です。神様は真の愛の理想ゆえに世界を創造されたのです。
鉱物界、植物界、動物界を観察すると、たとえそのレベルは違うにせよ、愛の理想を中心として相応、和合、授受できるよう、ペア、すなわち主体と対象に創造されていることが分かります。そして、人間は被造世界の代表者であり、中心であり、神様に最も近い愛の相対として造られました。人間は神様の真の愛の対象なので、人がいなければ神様の真の愛の目的は成就されないのです。
このような点で、神様の真の愛の相対である人間の価値がどれほど貴いものかを知ることができます。神様はその創造理想である真の愛を、最高の絶対価値をもつものとしてお立てになりました。絶対的な神様でも、真の愛の前では絶対的に服従したいと思うのです。
そのような原理のもとに造られた人間と万物も、神様のようにその真の愛に絶対服従するようになるのです。より高次元の真の愛に向かって、すべての生命力が一目散に走っていくのです。宇宙万象の存在秩序と価値も、すべてこの原則のもとに決定されます。真の愛を中心とした神様と人間の関係は縦的な親子の関係です。
神様の息子、娘として造られたアダムとエバは、まず神様から父母の愛を受けながら子女の心情を感じて成長していきます。そして、互いに兄弟姉妹の心情を感じながら成長します。その次に、神様の祝福のもとに真の夫婦となり、互いに愛し合いながら夫婦の心情を感じるようになっているのです。それとともに、子女をもち、真の父母となるとき、子女を愛しながら父母の心情を感じ、さらには神様が自分たちを子女として愛される、その父母の心情を経験するようになっています。
このような子女の心情、兄弟姉妹の心情、夫婦の心情、父母の心情を四大心情といいます。人間が完成するためには、神様の真の愛のもとで四大心情を完全に体恤しなければならないのです。この基台が理想的な家庭です。人間に対する神様の創造理想が成就される最小単位が、四大心情圏を完成した家庭です。
真の愛の主人であり、起源であられる神様は、父の立場でこのように人間に絶対不変の真の愛を相続しようとされたのです。真の愛の中では完全な調和と統一が形成されるので、神様の真の愛は、子女である人間に完全に相続されるのです。
それだけではなく、真の愛の属性として、同居権と同参権も自然と生ずるので、人間は神様の子女として同行し、共にいることができるようになっていました。そうして、人間は神様の真の愛に酔って各自が理想と幸福を所有すると同時に、自然にこれを相対と共に子孫たちに伝承するようになるのが創造本然の世界でした。
真の愛は直短距離を通る
しかし不幸にも、人間始祖は天使長の偽りの愛によって堕落することにより、結果的に彼らは真の愛による真の夫婦になることができませんでした。彼らは、神様の許諾なしに子女を生んだ偽りの父母、偽りの先祖になったのです。このように人類は、真の先祖、真の父母から生まれることができず、神様が願われない血統をもって生まれるようになったのです。
自然界を見ると、レベルは低くても、すべて愛の秩序のもとに調和していますが、ただ堕落した人間世界だけが愛の秩序を守れずにいます。数限りない罪悪の闘争と苦痛はここに由来しているのです。神様が意図されたこととは反対になった人間世界を、神様は放っておくことはできません。
神様は、堕落した罪悪世界を創造理想の世界、すなわち原状に回復させようという救援摂理をされます。ですから、神様の救援摂理は創造目的を復帰する摂理であり、それはすなわち再創造摂理となるのです。天意に従って復帰摂理の主役を担ってきたのが宗教です。宗教は、神様の真の愛と真の父母思想を中心とした本然の理想的な家庭、さらには理想的な世界を復帰する目的のもとに立てられたのです。
メシヤは真の父母として来られ、偽りの父母から生まれて植えられた偽りの根を引き抜いてしまい、本然の創造理想を復帰する重大な責任をもって来られる方です。この世界が真の愛と真の家庭へと復帰されるためには、まず真の父母の位置が確立されなければなりません。正にこの使命のために神様は私を召命したのです。堕落によって本来のみ旨が成就されなかったので、神様は失ったものを回復するための摂理において宗教を立てられ、メシヤを送られたのです。
神様の不変の目的は、真の愛の理想世界の実現です。宗教の目的は、真の愛と真の家庭が実現化されることです。反対に、このような目的に寄与せずにそれ自体のためだけに存在するならば、その宗教は、神様の名を語ったとしても、神様とは関係がありません。宗教のために神様や世界があるのではありません。
本然の真の愛、真の家庭の世界へと回復しようとされる神様のみ旨のために、宗教は立てられました。そして私が過去四十年間、世界的に展開してきた超宗派的な活動をはじめとする学術、教育、思想、文化、芸術、言論、科学、技術、産業などの事業は、すべてこの目的のために推進しているのです。
私の生涯は、このことのためにすべてを投入して捧げてきました。私は監獄の道と凄絶な迫害の峠を越え、死地を乗り越えながらも、世界の五色人種(すべての人種)に対して、私を生んでくれた親よりも、私の兄弟よりも愛そうという天的な父母の心をもって生きてきました。
真の愛の行く道は、直短距離で通じる道です。真の愛の実践には前提条件や弁明があり得ず、いかなるものも決定的な障害にはなり得ません。ただ自己犠牲によってために生き、与えることで直行する道です。
私の世界的な業績に対し、たくさんの方から称賛を頂き、有り難く思います。実際、外的に現れた今日の結果も重要ですが、その動機と過程は、もっと重要なのです。どの分野の仕事も、整った良い環境と条件の中から簡単に始めたものではありませんでした。
神様のみ旨をこの地上に成し遂げてさしあげようという一念で情熱を燃やし、投入できるものはすべて投入しながら、礎石を据えて出発し、収めた業績です。どんなに悪の勢力が吹き荒れても、大胆に立ち向かい、既に始めた公義の仕事を育成し、守っていくために身もだえしながら、投入しては、また投入してきました。

Monday Jul 18, 2022
平和経 第279話
Monday Jul 18, 2022
Monday Jul 18, 2022
真の愛運動と女性の役割
不倫と退廃の一途をたどる性道徳の紊乱は、私たちの家庭を破壊しています。どの国家も道徳の破壊と犯罪で苦痛を受けており、党派と階層間の対立はもちろん、貧困と無知がいまだに存在しています。世界は国境紛争や宗教間の偏見、人種間や民族間の葛藤が解決される兆しが見えず、国家や民族の利己主義によって世界平和は脅威にさらされ続けています。
また、地球星全体が今、あらゆる環境破壊と汚染問題にさらされ、人類の未来に甚大な危機が到来しています。国境を超越し、超民族的な愛と人類愛を発揮できなければ、人類は共に破滅の道に転落しかねない危機の状況が、私たちのすぐ目の前に来ているのです。
私は、人類が直面しているこの危機を打開する道は、「統一原理」、すなわち「神主義」に立脚した真の愛運動だけだと考え、一つの統一された世界を建設する基盤を築かなければならないことを重ねて強調する次第です。今年の七月の初めに、韓国の五大都市で開催された「世界平和女性連合」指導者大会で、私と私の妻である韓鶴子総裁は、私が人類の真の父母、救世主、再臨主、メシヤであることを宣布しました。
私がなぜ韓国の女性指導者たちの前でこのような驚くべき、かつ恐ろしい発表をすることになったのでしょうか。それは、人類の歴史を罪悪で染めた悪魔サタンに、人類の母である女性エバが堕落させられたからです。そして、神様はサタンを屈服させる第二の完成したアダムとしてメシヤをお送りになり、女性を代表した、完成したエバを探し出す摂理があるからです。
また女性たちは、家庭を守る愛と平和と奉仕の中心です。世界平和も、その出発の起源は健全な家庭の母でなければなりません。メシヤの役目を宣布した私の最も中心となる教えは、神様を中心とする家庭倫理の確立と二世教育の問題です。家庭は、汚されたこの世界を浄化させなければならない聖所なのです。
ですから、私はメシヤとして、妻であり完成したエバの立場である韓鶴子総裁を中心とした女性指導者たちに、このような宣言をせざるを得なかったのです。
そしてこの宣言は、私の教えに従うすべての人々に対して、「共に真の父母の道理を果たしながら、神様を中心にお迎えし、この世界を救援する犠牲と奉仕の道を、私たち夫婦と共に歩んでいこう」という勧告と通報のメッセージだったのです。
「世界平和統一堂」創設の提案
内外の貴賓の皆様、そして各国代表の皆様。これから私は、この演説の結論に代えて、私たちのこれらのすべての救世運動を効果的に推進するために、「世界平和統一連合」の機関として「世界平和統一堂」の創設を提唱する次第です。
誤解がないようにするために、「世界平和統一堂」の「堂」の字は、「家」を意味する「堂」であって、「群れ」を意味する「党」ではないことを明らかにしておきたいと思います。言い換えれば、私の言う「世界平和統一堂」は、通常の一国の政権を勝ち取るための政党の機能を意味するのではなく、世界平和のために世界が統一された基盤と努力を増進させる連帯活動を強化する殿堂、すなわち「家」の意味をもっているのです。
男性を「天」と表すなら、女性を「地」と表します。家は女性の生涯の舞台であり、母はすべての家族の愛のための家の中心であり、母を中心とした家庭は国家と世界を結ぶ単位です。「堂」という言葉は、母を中心として地を高める意味があり、「教育する」という意味があります。それでこの「堂」を使ったのです。すなわち、母を中心として「女性を教育する家」という意味になります。
ですから私たちは、世界の平和を具現するために、各国の政治指導者、学者、宗教人、言論人、教育者、芸術文化人、女性指導者、青年指導者たちが、全世界の女性を代表する母たちに、神様を中心とする愛によって心と体が一つになり、家庭を中心とした世界平和のビジョンを提示し、積極的な交流と教育の機会を提供できるように拍車を掛けてくださるよう願います。
二十一世紀の平和の扉を開く主役になろう
今夜、この場に参席してくださった国内外の各界指導者の皆様。私のこのような提議を快く受け入れてくださり、共に同参(一緒に参加すること)してくださるならば、必ずや二十世紀を締めくくるこの八年のうちに、神様が望まれる平和世界は正に私たちによって全人類のものとなるでしょう。今夜、この場に参加した私たちが主役となる二十一世紀の平和世界の扉が開かれるでしょう。
この祝典の期間中、皆様の無事と、今後皆様が行うすべてに神様の祝福と加護が共にあることを祈りながら、以上で私の晩餐の辞を終えさせていただきます。ありがとうございました。

Monday Jul 18, 2022
平和経 第278話
Monday Jul 18, 2022
Monday Jul 18, 2022
3.平和世界建設の主役になろう
日付:一九九二年八月二十四日
場所:韓国、ソウル、リトル•エンジヱルス芸術会館
行事:第一回「世界文化体育大典」合同祝賀晩餐会
第一回「世界文化体育大典」の議長団、内外の貴賓の皆様、ならびに国内外の参席者の皆様。今夜は、このように「世界文化体育大典」の成功を祈る心で満場の盛況を博すようにしてくださったことに対して、この大典の創設者として深甚なる感謝を申し上げます。私がこの場をお借りしてお伝えする題目は「平和世界建設の主役になろう」です。
アダムとエバの堕落による闘争歴史
皆様も既によく御存じのように、私は、日本が韓半島を占領していた一九三〇年代の半ば、十六歳(数え)の時に天からイエス•キリストを通して宗教的召命を受けて以来、今年七十三歳になるまで、一瞬たりとも天のみ旨、すなわち天命を忘れて暮らしたことはありません。
私は日帝植民地下で青少年期と青年期を送り、弱小民族の悲劇と苦痛、その悲しみがいかなるものであるかを骨身にしみて体験した人間です。その上、全人類の親であられる神様の心情とそのみ旨をくむ者として、強大国が弱小国を踏みにじる凄惨な状況と第二次世界大戦による殺戮の現場を目撃しながら感じた、その悲しみと苦痛は筆舌に尽くすことができないものでした。
不幸なことが重なり、韓半島は第二次世界大戦が終わった直後、南北に分断され、六・二五動乱が勃発し、同族が相争い、命を奪い合う戦争に、全世界が左右に分かれて参戦し、闘うという悲劇を経験しました。私は、このような悲劇的な歴史の現場を直接目撃しながら、平和世界を失った神様と人類の苦痛と悲しみを、骨の髄まで体恤せざるを得ませんでした。
創世以来、カインがアベルを殺害する兄弟間の闘争の現場を見守り続けなければならなかった、天のお父様の心情はいかばかりだったでしょうか。有史以来、この地球上で起こったすべての戦争は、本質的に兄弟間の闘争なのです。聖書はこれを、エデンの園から追放されたのちに起こったカインとアベルの殺害事件として教えています。
それでは、なぜこのような兄弟間の闘争が、家庭、氏族、民族、国家、世界の次元で絶え間なく繰り返されてきたのでしょうか。それは正に、カインとアベルの父母であるアダムとエバの犯罪に由来しているのです。
アダムとエバは、神様の創造理想を実現すべき人類の始祖として、すべての男性と女性を代表する立場に立てられた存在でした。彼らが神様の戒めを破ることによって、将来生まれる全人類の始祖である善の真の父母の位置を喪失し、堕落した偽りの父母となった罪悪こそが、人類社会のすべての犯罪と不幸の根本である原罪となったのです。
人間始祖の原罪とは、アダムとエバが神様の戒めを破り、不倫な淫乱の罪を犯すことによって、悪魔と血縁関係を結んで堕落した偽りの父母となり、人類に偽りの愛、偽りの生命、偽りの血統を引き継がせたことです。したがって人類は、再び真の父母に出会い、生まれ変わることによって、この原罪を脱ぐための真理と方法を探し出し、それを実践せずしては、罪悪と闘争にあふれるこの世界から抜け出すことができないのです。
世界文化体育大典は神様に捧げる神聖な式典
私が天の召命を受けた十六歳(数え)の時から十年間、正にこの問題の解決のために、頼る所のない孤独な身で真理を探究した結果が、今日、「統一原理」、「神主義」、または「頭翼思想」と呼ぶ新しい真理です。
私は、この真理を一九四五年八月十五日、韓国が日帝から解放されたときに、初めてこの地上に発表し始めました。私は、この真理を発表したために、これまで途方もない迫害と非難を甘受しなければならなかったのです。
私が生涯にわたり六度も投獄された事実を思い起こしてみてください。皆様は、その非難と迫害の度合いがどれほどのものだったかを推し量るすべもないでしょう。「統一原理」を発表してから四十七年目になる今年、開催される第一回「世界文化体育大典」は、これまで神様と人類の解放と平和世界の具現のために、独りで種を蒔き育ててきた私のすべての実績を満天下に現し、神様にお捧げする神聖な式典なのです。
私が生涯をかけて尽力してきたすべての内容は、父母なる神様のみ前に世界人類は一つの兄弟姉妹であり、一つの家族であることを確認するものです。人種や民族、国境を超越して、人類は父母であられる神様を中心とした家族なのです。
世界平和のための活動
「統一原理」が提示する私のこの教えを、最も主流となって実践する機関が「世界基督教統一神霊協会」、すなわち統一教会です。今や、地球上に統一教会のない国はありません。
あす、ソウルのオリンピック•メーンスタジアムで挙行される三万組の国際合同祝福結婚式は、正に「人類は神様を中心とした大家族である」ことを証する現場となるでしょう。また、私は統一教会を根として、これまで各方面にわたり、神様を中心とした人類大家族が自由と理想と幸福を謳歌する平和世界の建設のために数多くの機構を創設し、広範囲に及ぶ活動を展開してきたのです。
今回の「世界文化体育大典」では、その代表的な機構の活動を一堂に集めて示しており、今後、相互間で一層緊密な関係と協力を固めるために、統一された組織と機構を創設するようになるでしょう。すなわち「科学の統一に関する国際会議」、「世界平和教授アカデミー」、「世界言論人会議」、「世界平和のための頂上会議」、「世界宗教議会」、「世界平和連合」、「世界平和宗教連合」、「世界平和女性連合」、「国際芸術公演団体」および「世界大学生原理研究会」などが国際合同祝福結婚式と前後して、平和世界建設のための私たちの心霊•知性啓発と献身を誓う場を設けるでしょう。
私が執り行う統一教会の国際合同祝福結婚式こそ、人類が原罪を清算し、神様の真の愛、真の生命、真の血統を取り戻す復活と重生の祝福なのです。そしてこの祝福結婚式は、人種と民族と国境を超越し、真の人類兄弟大家族の理想を実現する平和の産室になるのです。
今私は、このすべての団体と機構の創設者として、改めてこれらの団体が神様と人間の理想である世界平和を具現するためのものであるという事実を闡明する次第です。
そして、特定の団体や教団、特定の民族や国家の利益のために創設されたのではなく、万有の主人であられる神様と全世界の人類の幸福と平和と自由のために創設されたのです。
したがって、私たちの運動は地球星に住む全人類の家庭を救い、すべての民族と国家を救い、さらにはこの世界を救う、救家庭、救国、救世の運動にならなければなりません。

Saturday Jul 16, 2022
平和経 第272話
Saturday Jul 16, 2022
Saturday Jul 16, 2022
現在、本連合の創始者である文鮮明総裁は、飢餓と貧困で苦しんでいるアフリカを解放するため、そこの数多くの青年を教育し、統一運動に同参させています。そして、アフリカの次に発展が停滞している中南米の国家を生かすために、中南米統合機構を中心として、多様なプロジェクトを推進しています。そして、このような計画を成果のあるものとして実現するために、去る七月、私と共に中南米の数十ヵ国を歴訪し、各国の頂上の人々と会い、中南米の明るい未来のために共同で努力することを約束してきました。
今や、本連合を中心とした統一運動は、全世界百六十ヵ国以上で根を下ろしており、共産主義の崩壊によって理念的座標を喪失したロシアと東ヨーロッパ国家の青年と知識人の未来を照らしています。そして、去る四月三日の午前五時に、世界百六十ヵ国を代表した指導者の前で、夫と私は「ニュー•ホープ•ファーム宣言」と「サンパウロ宣言」を発表し、理想的な社会、理想的なモデル国家を建てるための歴史的な長征を出発しました。性道徳の紊乱と個人主義の氾濫、飢餓と貧困、そして、肥大した科学の発展による今日の人類の危機と地球環境汚染問題は、これ以上放置できない実情にまで陥っています。そのような危機を克服するための対策として、ブラジルとアルゼンチンなど、中南米において数十億坪に相当する巨大な地を開拓し、「ニュー•ホープ•ファーム」という名で理想的な社会、理想的な国家のモデルをつくっています。
そして、このような理想的なモデルを全世界に拡大していくでしょう。この運動こそ、私たち「青年連合」の会員が中心的立場に立って推進していくべき、最も重要な事業だと言えます。そして、これは神様の願いであり、創始者の願いであり、また本連合が目指す理想社会の姿でもあるのです。このような創始者の開拓の意志を手本とし、皆様もまた、皆様だけの改革の意志を見せなければなりません。
時代の激動期のたびに、人類の危機と終わりの日の混沌に対抗し、奮闘してきた数多くの良心的な先祖がいたように、会員の皆様は、各自の明確な信念と努力によって、皆様に与えられた使命を果たさなければなりません。迫りくる二十一世紀の平和な地球共同体を建設するために、このような使命は必ず目指されるべき課題であり、私たちは力の限り、全世界的な次元において統一された努力を鼓舞しなければなりません。
「世界平和青年連合」会員の皆様。皆様の心情に、中身のあるよく熟した神様の理想とみ旨の種を蒔かなければなりません。そうして、誰よりも神様に似て、新しい時代と到来する未来に深い根を下ろすことができる若者にならなければなりません。今は心情文化と心情の熱気で行動するときです。混沌とした世界を正しく立てられる文化プログラムを開発し、共に喜んで楽しめる芸術を創造しなければなりません。
創始者の理念のとおり、神様を中心として、新しい価値観を創建できる高い志の「青年連合」をつくりましょう。神様を否定する堕落したこの世界に神様の摂理を理解させ、神様と人間が一体になる人間革命においても先頭に立ちましょう。個人完成、すなわち神様を中心とした私を完成し、家庭と氏族を神様のみ前に復帰させ、民族と国家を神様に導いて進むとき、世界と天宙はおのずと天の理想に近づくのです。神様を私たちのすべての思いと行動の中心的位置にお迎えするときにのみ、その結果は善のものとなり、新しい歴史創建の主役になるのです。
愛する「青年連合」会員、そして、各国の代表と内外の貴賓の皆様。私たちは、燃え上がる心情で、新しい道義世界を導いていく創建者になりましょう。失われた人類の良心に、正しい価値観と倫理と道徳を探し立て、彼らの前で前進する若者になりましょう。
皆様には無限の神様のエネルギーと信念があり、いかなる困雛にも再び立ち上がる不屈の意志があります。「天は自ら助くる者を助く」と言います。皆様の気概は、あの朝日よりもっと赤く、力強いのです。私は、皆様の覇気ある希望に満ちた姿を見るたびに、本連合の創始者であり、私の夫である文鮮明総裁のことを思わずにはいられません。私の夫は、青年時代に人類を救うという使命を神様から受けたのち、今に至るまで、人生を捧げて神様の摂理歴史の恨を解くために力の限り努力しています。世の中が全く理解せず、あらゆる迫害を受けながらも、ただ神様の心情を握り締め、涙を流して祈りながら悪の勢力と闘争し、ついに真の父母と成約時代を宣布することによって歴史的な勝利を収めたのです。
生死を行き来する共産治下の監獄と李承晩独裁政権の監獄、そして、白人優越主義と宗教的弾圧のくびきをかけられたアメリカのダンべリーの苦難に至るまで、長い生涯路程を逆境の中で生きてきながら、神様のみ旨に背かず、不屈の闘志によって独り勝利し、今日、神様と全世界万民に誇れる世界的な基盤を築いたのです。
私は、夫がひとえに神様の救援摂理の恨を解くために、一生を生きてきながら、一時も平安に休むことのできない不憫な姿を間近で目にするたびに、夫がどれほど神様のみ旨に徹して生きているのか、感じざるを得ません。もうすぐ八十歳になろうという老躯(ろうく)にもかかわらず、いつも若者よりもっと熱い情熱と努力によって世界平和と人類の救援事業を絶え間なく推進している創始者の精神を青年の皆様は相続し、理想世界の創建に向かう神聖な大長征に同参していきましょう。
人類の未来を率いていく「青年連合」会員の皆様。二十一世紀、新しい世紀に向かう救いのみ手が、私たちを待っています。皆様の心情に、神様に対する不変の中心を立て、真の父母様の生涯路程の輝く伝統を相続し、神様の創造理想である民族と国境と人種を超越した、「世界は一つの家庭、人類は一つの兄弟姉妹」と言える統一された平和世界を創建する主役になりましょう。人類の繁栄と幸福のために両腕の袖をまくり上げ、先頭に立った皆様を歓迎いたします。私たちは、共に神主義と真の愛を中心として、祖国統一と世界平和のために真の愛の実践運動を展開しましょう。考えだけにとどまる人ではなく、実質的な行動の同参者として、心情文化の火をともすこの時代の若い主軸になりましょう。神様と真の父母様に侍って、個人、家庭、氏族、民族、国家、世界に広がっていき、理想世界を建設する誇らしい若者として、真の青年運動の中心になりましょう。
新しい世紀を開いていく青年会員の皆様。二十一世紀は正に、皆様のものです。愛と平和がいっぱいに満ちた二十一世紀、新しい文明時代を開け放つことに目覚めた青年として、人類の未来の火をともす新しい時代の開拓者になりましょう。もう一度、皆様の労苦と熱い声援に感謝いたします。そして、最後までこの場を輝かせてくださった内外の貴賓の皆様と各国の代表者の方々にも、深甚なる感謝を申し上げます。私は「世界平和青年連合」の総裁として、皆様全員を胸深く、心から愛しております。
最後に、「青年連合」会員の皆様と、内外の貴賓の皆様に、神様の祝福と恩恵が満ちあふれることをお祈りいたします。ありがとうございました。

Friday Jul 15, 2022
平和経 第271話
Friday Jul 15, 2022
Friday Jul 15, 2022
15.真の家庭を取り戻そう
日付:一九九五年一月八日
場所:韓国、ソウル、リトル•エンジェルス芸術会館
行事:「世界平和青年連合」全国代議員総会(真のお母様)
愛する「世界平和青年連合」会員の皆様、そして、世界の各国から来られた代表者と内外の貴賓の皆様。この場を通して、皆様の支持と声援に心から感謝の意を表します。
本連合は、一九九三年十月の文鮮明総裁の提案によって、一九九四年七月二十六日、ワシントン大会でその幕を開けました。そして、韓国では一九九四年十二月十五日、全羅南道支部の結成を筆頭にして、一九九五年二月までに全国三十七の市、道の支部結成を完了し、六月末までに全国二百七十三の市、郡、区の支部結成を終え、今は三千七百の邑(ウプ)、面(ミョン)、洞(トン)の支部結成が進行中であると思います。このような短い期間における飛躍的な発展は、「青年連合」に送られる皆様の熱い声援と関心から湧き起こった結果です。皆様の労苦と発展する「青年連合」に、重ねて喝采を送ります。
愛する「青年連合」会員の皆様。私たちはこのような外的な実績だけでなく、内的な向上と実践により関心を注がなければなりません。混乱によって起こった過去の世代の葛藤と不条理を、これ以上繰り返してはいけません。なぜなら、私たちは青年世代の良心であり、世の中の中心にならなければならないからです。
青年の正しい倫理と道徳的価値は、随分前に消えてしまいました。今日、若者たちはそのような価値や退廃的戯れの善し悪しを見分けることができません。古い感覚の文化による病弊と中心を失った人生観は、どのように生きるのが正しく、間違っているのかという判断まで麻痺させてしまいました。あえて探し出さない限り、真の愛や「頭翼思想」、そして、神様に対する概念は、彼らにとって目に見えない不透明な理念にすぎません。
愛する「青年連合」会員の皆様。皆様の価値を御存じでしょうか。皆様の理想と志がどれほど尊く、貴重な財産であるかを感じていらっしゃるでしょうか。それらが実践的な行動を伴うとき、大きな山までも動かす力の原動力になるという事実を、皆様は知らなければなりません。知らずに行動しないのは、当然のことかもしれません。しかし、この世界を導き、主役になる人は、世の中をまっすぐに直視し、実践できる人でなければなりません。皆様はどのような人になりますか。勇気ある中心になりますか、あるいは押し流されて引きずり回される周辺の人間になりますか。昔、私たちの知恵深い先祖は、花郞道(ファランド)(儒教・仏•仙・三教•三德の精神を尊び、五戒を信条として愛国を標榜した)や国仙道(ククソンド)(韓国の道教系の武術)や経堂(キョンダン)(正祖-チョンヂョ-の時代の武術)を通して、何年、いや何十年の間、青少年を修練の場に送り、体と心を鍛えるようにしたといいます。私たちがよく知っている李舜臣将軍や金庾信(キムユシン)将軍などが、その代表的な人物です。
私たち「世界平和青年連合」は、近年になってさらに忘れ去られた価値観と混乱した倫理と道徳のために、セミナー、修練会、青年教育などを通して、真の価値観確立のための運動を展開しています。この運動を通して、青年たちは真の愛と真の人生の価値を啓蒙し、人間の本然の姿により一層近づき、理想世界の実現のための様々なモデルを形成していけるようにするでしょう。そして、変わらない神様の絶対価値を青年の不変の価値観として立て、この時代の青年運動の中心となるようにしていくでしょう。神様は歴史を超越して、いつの時代、どの場所においても青年を貴重に思い、歴史の中心に立たせてきました。青年が正しい生き様で自らを磨き上げながら進むとき、神様の姿は日常生活の中で鮮やかに甦るでしょう。
体と心を鍛えるのは、一生にわたってすべきことですが、特に青年の時期において、その重要性は本当に大きいと言えます。なぜなら、青年期は人間堕落が起こった時期であり、人間の第二成長期ともいえる精神的誕生の始まりを意味するからです。
皆様はそのような重要な時期の青年として、新しい時代の口火を切っていく、輝かしい勇気と気迫をもった先駆者にならなければなりません。私たち「世界平和青年連合」はこのような重要な活動を実行に移すため、これから「世界平和連合」、「世界平和宗教連合」、「世界平和女性連合」、「世界平和統一家庭連合」など、本連合の理念に同意するすべての団体と互恵の原則のもと、相互に連帯していくでしょう。現在、中南米をはじめとした世界各国で、数多くの青年が私たちの運動に参加しており、特に新旧教の統一と南北米統合運動に、本連合の青年が積極的に参加しています。このような南北米統合運動と新旧教統一運動は、根本的な側面において、私たちの祖国韓半島の統一にも肯定的な役割を果たすものと信じています。
一方、私たち「青年連合」は世界平和と真の統一世界を実現するために、国際的な青年学生の兄弟的交流と協力、統一運動を通して、青年国連の使命を展開し、二十一世紀の新しい文明時代を準備するための諸般の機構を編成していくでしょう。本連合は、すべての人類が神様の真の愛を中心として自由と平等を謳歌し、人間的な生活を営んでいけるよう、社会と国家の民主化と経済的な均等分配を通して、共に豊かに暮らせる共生共栄共義の理想世界を建設する運動を展開していくでしょう。いまだに地球上の多くの発展途上国では、飢餓と疾病により数多くの人々が無残に生命を失っています。これは他人事ではない、私たち全員の問題です。死んでいく地球村の兄弟の悲劇を見て、ただかわいそうだと考えるよりは、実質的に彼らを助けてあげる全世界的な最後の救世運動を展開していかなければなりません。

Friday Jul 15, 2022
平和経 第276話
Friday Jul 15, 2022
Friday Jul 15, 2022
1.真のプリチャッキ(ルーツ探訪)運動の方向
日付:一九八九年六月二十三日
場所:韓国、ソウル、リトル•エンジェルス芸術会館
行事:韓国プリチャッキ連合会文鮮明総裁推戴式
尊敬する会長、内外の貴賓、そして韓国国民を代表する各氏族の宗長と指導者の皆様。きょう、私を「韓国プリチャッキ連合会」の総裁に推戴してくださるこの意義深い式典を、皆様の合心一体の精誠によって準備してくださいましたことを、心から感謝申し上げます。
プリチャッキ連合会の総裁職を受諾した理由
御存じのとおり、私は、統一教会の創始者として、また世界の碩学たちの集まりである「科学の統一に関する国際会議」、元・現職の国家元首の集まりである「世界平和のための頂上会議」、宗教界の指導者の協議体である「世界宗教議会」、言論界の指導者で構成された「世界言論人会議」など、多くの集まりと団体を設立し、世界的に統一運動を展開する中で、重要な組織から総裁、もしくは名誉会長などに推戴されてきました。しかし、摂理的に見て、きょうのこの式典もまた非常に貴いものであると言えます。この運動を通して、すべての人々が、万有の根であり生命の根源であられる神様を正しく見いだし、さらに神様に正しく侍る契機となることを強く希望しながら、ここに喜んで総裁職をお受けいたしました。
我が民族は、いにしえより氏族意識が強く、先祖と家門の根を尊重してきました。この伝統は、定着生活が求められ、同姓地域を基盤とする農耕社会が長く民族史を形成してきたところに由来するとも言われていますし、近親倫理を核とする儒教の教えが原因となって形成されたとも言われています。しかし、根本の理由は、さらに深いところにあるのです。我が民族は、古代より驚くべき敬天思想をもち、美徳の中でも孝行を根本と考え、重視してきました。それは、天がみ旨を中心として、特別にこの民族を育ててこられたからです。神様はこの民族を、人類の根源であり父母であられる神様に侍る人類の宗孫(宗家の長孫)とならしめるために、祖先をあがめ、父母に対する孝の道を歩む民族として育んでこられました。こうして我が民族は、世界に類例のない敬天•忠孝思想と礼節を尊重する精神的求心点をもって、氏族と家門を培ってきたのです。
この場にお集まりの氏族の代表の皆様は、我が国の貴い伝統を守り、後進たちにそれを教育するため、多くの御苦労をなさってきたことと思います。しかし韓国社会は、急速に進行する産業化と都市化の過程を経る中で、温かい共同体意識が薄れ、家庭も様々な面で試練を受け、その位置も変化しつつあります。最近に至っては、私たちの伝統文化と美風良俗が根本から揺らぐ危機に直面しており、こういった不幸は、世代間の葛藤と労使間の対立などによって、ますます加速化しています。
幸福な世界への出発点
このような現実の中でプリチャッキ連合会は、各々の祖先を訪ね、それに侍る運動であることはもちろん、誰もがみな一つの根をもつ一つの子孫であることを確認させる、挙国的で世界的な運動として発展しなければなりません。氏族単位の族譜を正しい民族譜へと、その次元を高めていかなければならないのです。
民族単位を支える狭い根源意識ではなく、民族全体、人類全体の求心力としての根源意識に昇華させなければなりません。私たちは本来、相手を葬り去って自分たちが生き残ろうという対立関係にあるのではなく、同じ根の養分を受けた運命共同体なのです。したがって私たちの運動は、民族内に限定されてはならず、五色人類の根も結局は一つであることを悟らせ、人類は一つの根を通して和合し、ただ一つの地球星という一隻の船に乗った運命共同体意識で生きていくことを教育しなければならないのです。
科学技術の発達とともに、人類は過去のいかなる時よりも、共に生きる国際協力を必要とするようになりました。全世界的な情報交換と資源の共同開発が切実に要請されているのです。子孫の生存のためには、地球環境と大気が共に大切に保存されなければなりません。現代人は、東西理念の対決、科学兵器の大量生産、国際的なテロや犯罪、退廃的風潮の流行と拡散などによって、世界の運命を予測できずに、不安を感じています。
すべての指導者が心の扉を開き、国際的協力をしながら全体目的のもとに和合し、世界の火急な諸問題を解決していかなければなりません。私たちは過去のいかなる時よりも、人類全体を一つの有機的共同体として理解し、人種間の壁を崩し、文化と文化を調和させ、統一していかなければなりません。それでは、何によって人種間の壁を崩して理想世界を成し遂げることができ、いかにすれば平和に対する様々な障害を根本的に除去できるのでしょうか。氏族会議を見ても、各個人の意見がいかにまちまちであり、一つの家庭内においても和合がいかに難しいでしょうか。どこからであろうと解決の糸口は必ず見つけなければなりません。また、世界の異なった文化と伝統を調和させ、戦争のない人類一家族の幸福な世界を成し遂げる出発点は、果たしてどこにあるのでしょうか。人類が、万有の根本であられる神様に対して、各自の始源であり、根であることを自覚し、天理に従うただ一つの道から根本的な解答を見いださなければなりません。
私が神様と交わりながら天理を探し求めてさまよい、七十年の生涯を通じて修道と実践の路程を歩んできたのも、正にこの根本問題の解決のためでした。人は心で生きるのであって、体で生きるものではないように、外的にこの世界がどんなに繁栄したとしても、神様との根本問題が解決されなければ、突如として人類最後の瞬間が訪れることもあり得るのです。
人類は一組の始祖から出発
尊敬する氏族の指導者の皆様。この宇宙は、単に物質を起源とするものではなく、自然発生的に生じたものでもありません。宇宙の第一原因者であられる創造主、神様がいらっしゃるのです。その方は絶対者であり、永遠不変であり、善なる方です。宇宙万象は、神様の基本設計である創造目的によってつくられた被造物なのです。心情の本体であられる神様の創造目的は、喜びを得ることです。喜びは一人では感じることができません。ある主体が喜びを感じるためには、必ずその対象としての実体が必要なのです。喜びの中でも最高の喜びは、主体と対象が愛を交わす時に感じるものです。
人間は、神様が無限に愛することによって永遠に喜びを得ようとして創造された、神様に最も近い対象である子女なのです。このように神様は、人類の祖先として一男一女を造られましたが、聖書では彼らのことをアダム、エバと呼んでいます。絶対的な神様は、その真の愛の対象である一男一女以外に、別の愛の支流をつくることはできません。名前が何であれ、神様の真の愛の対象である人類は、ただ一組の始祖から始まったのです。
私たちの始祖アダムとエバが、神様の愛を完成し、互いに真の愛を交わしながら善の子孫を繁殖していれば、どのような世界になっていたでしょうか。彼らは、創造主、神様を無形の縦的な父母として侍り、愛の夫婦となって、横的な真の父母となる理想家庭を築くようになります。その真の家庭を根源として繁栄した一族、すなわちアダム一族が民族として栄え、彼らが築く国家や世界は、神様の愛と善に満ちた幸福な文化世界にならざるを得ません。このような世界がすなわち天国であり、神様の創造目的であるこの天国は、間違いなく地上に築かれたでしょう。
人類始祖を根とした全人類は、本来、地上天国で生きて、その後、その霊人体が天上天国へ行くようになっていました。このように神様の創造目的は、人類が神様を中心とした大きな家庭を形成し、人類全体が一つの兄弟となり、一つの一族となることでした。神様を中心とした始祖アダムの家庭の善の家法がやがて伝統となり、代々に伝授されながら、一つの根から出た一つの言語、一つの文化、一つの天の主権のみが存在する統一世界となったことでしょう。そこに悪や不正、理念の葛藤、戦争などが想像できるでしょうか。
しかし、今日の現実はどうでしょうか。神様の理想とは正反対の世界になってしまいました。個体の中では、心と体が葛藤し、そのような個人個人が築いた家庭、氏族、民族、そして社会、国家の中でも、矛盾と分裂と闘争が続いています。あらゆる不倫と退廃、非道と暴力、戦争と虐殺、価値観の混乱、文化と伝統との衝突、理念の対決など、この世界は惨状の連続です。
時間の関係で詳細に説明することはできませんが、何かが大きく間違ったこの世界を元の状態に回復するために、天は聖人を立てて天道を明らかにし、宗教を通して人類を教育してこられました。悪の世界において善を立てて実践するということは、たやすいことではありません。義人や烈士たちの犠牲もそのためだったのであり、真の修養の道が、骨を削るような自己犠牲であり、無条件に施す道でなければならないことも、その一例です。
プリチャッキ運動の真の始源
私たちのプリチャッキ運動を通して真の始源を求めていくと、自分の先祖とその先祖の先祖となる人類始祖に行き着くことになります。さかのぼって善の根を探し求める道は、まずあらゆる邪悪と不条理の動機と曲折を解き明かさなければならず、ひいては、神様を知り、人間始祖に対する神様の心情を尋ね求めていってこそ、真の根を見いだしたと言えるでしょう。
木は、外的に見ると季節によって様々な姿をもっていますが、そのすべての変化する要素を順番に除去していくと、残るものは結局、根の根本となる種と生命に帰着するのです。そのように、人類を根源に返らせる真のプリチャッキ運動は、まず、さかのぼって復帰の方向に従い、悪のすべての要素を消化し、えぐり出さなければなりません。そして神様の生命と真の愛に接ぎ木され、純化された神様の息子と娘にならなければなりません。
韓国が根の深い立派な族譜を世界に誇るようになり、また族譜学の根源になったのは、偶然ではありません。本来、韓国は、先進国となり経済的に富み、外的に豊かな国になることだけが、私たちの目標となってはならないのです。神様はこの民族、この地を通して、全人類の幸福の始源をつくり、真の愛の新天新地を築こうとしておられます。私が神様の啓示に基づいて、有史以来、初めて神様の心情と創造目的を明らかにしたことは、我が民族にとって奇跡のような祝福です。私が創造した宗教理念を中心として繰り広げている真の愛の統一運動は、既に東西や文化圏を超越して超国家、超民族的次元で、世界を生かす運動として拡大しました。百三十七ヵ国に燎原の火のように人格革命、道徳革命を起こしながら、拡大しています。
私はこの席で、真の愛の理論を説いているのではありません。世界的な無理解と激しい迫害、宗教的な偏見のもと、死線をさまようような苦難の道を通して、真の愛を世界的に実践した実績をもってお話ししているのです。これは私自らの力だけで成し遂げたことではありません。神様の導きと加護なくしてはできないことでした。神様の真の愛と生命力を動機として成し遂げた結果なのです。
真の愛の実践運動となるべきプリチャッキ運動
尊敬する氏族の代表の皆様。プリチャッキ運動は、神様を根源とした真の愛の実践運動にならなければなりません。私たちは、真の愛の化身体であるイエス様をはじめとする聖人たちの教えを、生活の中で受け継がなければなりません。私たちは、根源であられる神様を通して互いに接し、愛の関係を広げて、この時代の葛藤を克服し、歴史的な不和の壁を崩し、調和の世界を築く主役とならなければなりません。特に民族の宿願である南北統一も、真の愛によるプリチャッキ運動を活性化させることによって、民族的同質性を強固にしつつ、成就しなければならないと思います。
今の時は、すべての人が謙虚になって根に返り、愛で一つにならなければならない時です。個人の利益のために全体が滅亡することを傍観していてはいけません。世界の情勢は、これ以上ためらう時間を与えてはくれません。神様がこの民族に下さった祝福を、愛の実践によって花咲かせなければならないのです。私たちは、総決起して、万民を私たちの運動に連結し、真の根、真の愛の灯台を通した人類和合の理想を必ずや実現しましょう。
皆様と皆様の御家庭と御氏族に、神様の祝福があることを祈りながら、話を終えたいと思います。ありがとうございました。

Monday Jul 11, 2022
平和経 第275話
Monday Jul 11, 2022
Monday Jul 11, 2022
真の愛の初舞台は真の家庭
本来、神様の創造理想は、投入しては忘れ、また投入しては忘れるという犠牲的な真の愛から出発します。神様のすべての創造の労力は、御自身の力を投入する犠牲ですが、それは愛の力を動機としているので、数千万倍大きな喜びとして再び神様に返ってくるのです。父母が子女のために無限に投入して犠牲になれば、真の愛が背後にある限り、子女はその真の愛に無限に感謝するようになり、父母は大きな喜びでその犠牲を満たすのです。このように犠牲的な真の愛の力は、与え合う作用を発展させ、真の家庭で、そして真の世界で永遠の喜びと平和の関係を結ばせます。このようなところで、永生の理想世界が顕現するのです。
しかし、このような真の愛が欠如した家庭と国と世界は、抜け殻にすぎず、むしろあらゆる不信と反目と不倫の納骨堂になってしまうのです。人間の純粋な真の愛が成長して完成する場は、真の家庭です。真の父母の愛、真の夫婦の愛、真の子女の愛、そして真の兄弟の愛が共に完熟して実践される場は、真の家庭なのです。
真の父母の真の愛を通して神様の真の愛を学びながら、真の兄弟愛を通して、真の国と世界人類に対する普遍的な真の愛を訓練する場は真の家庭です。それだけでなく、父母と子女の間に受け継がれる真の愛を通して、過去と現在と未来の世代が一貫した真の愛の価値観によって連結していく、歴史的な鎖の基本単位も真の家庭です。
やせた土壌からは充実した実が期待できないように、破壊された家庭から、正しい社会人や世界人は形成されません。ですから、この時代に青年の皆様に与えられた召命の第一は、皆様が真の愛の主体となり、真の家庭文化と真の家庭伝統の基礎を築く主役になることです。
青年の理想と情熱が現実的に展開されるところは、真の家庭の上に立った国です。そのため、国家の評価は、政治、経済、軍事力、または文化力に基づいて行われるのではありません。正に家庭では孝子、国家では忠臣となるような青年の精神と愛国の衷情によって行われるのです。青年は芽であり、芽が枯れた木は未来がないのです。
しかし、すべての国々に見られる青年の実情はどのようなものでしょうか。すべての国々が抱えている最も究極的な問題は、青少年の問題となっているのです。政治、経済、社会、そして環境的な問題は、制度的な改善や財政的投資によって、その解決点を見いだすことができますが、青少年の問題は、法律や軍事力、または経済力によって正すことができるものではありません。また誰一人として強制的な力によって改善することはできないのです。それには、もっぱら青少年が自ら、自分に対して責任をもつことができるようにしなければなりません。そのためには、青少年たちをして、真の愛に同化させ、その主人として定着させなければなりません。
すべての理想の原点であり、未来に向かって永遠に作動する真の愛は、青年たちにとって生命以上の力になります。青年たちが真の愛を中心とした新しい国家観をもつとき、国家は新しい発展の可能性を見いだすのです。真の愛の姿勢を備えることによって、すべての諸団体は、衝突する利害関係の枠を跳び越え、協力と調和と発展の社会を成し遂げるのです。
真の愛を中心とした国家観をもたなければならない
国を動かし引っ張っていく原動力は、犠牲的な愛国の衷情の真の愛から生まれてくるのです。私たちが尊敬する多くの愛国的英雄、烈士たちのうちで、真の愛を中心として犠牲の生涯を通過しなかった人はいません。世界的次元でもまた、地域、人種、宗教、文化、慣習、言語、国籍など、一つの平和世界のために跳び越えなければならない挑戦の課題が山積しています。しかし、宇宙万象を創造なさった神様の真の愛の目を通して世界を見るとき、世界は、人種、言語、宗教、理念的な違いを越えて一つに見えるのです。青年たちが、神様の真の愛を中心に犠牲と奉仕の努力をするならば、世界の貧困と飢餓問題、貧富の格差と歴史上の葛藤と憎悪は、解決の糸口を見いだすことができるのです。
愛せないものまでも愛するという真の愛の定義から、私たちは、葛藤する関係が克服される明確な方向性を発見するようになります。自由と平等の理念的矛盾も、真の愛の場で初めて一つの出会いの場を見いだすのです。
歴史的に対立してきた神様と人間、そして人間と人間の和解も、真の愛の理念の中でこそ可能なのです。与えてはまた与え、そして与えたことを忘れて、もっと与えることを願う神様の真の愛を実践することによって、利己主義を克服し、和合と繁栄の世界に進んでいくことができるのです。特に、「家庭は国のために、国は世界のために、そして世界は神様のために犠牲になる位置に進まなければならない」という真の愛の倫理展開においてこそ、民族的利己主義や国家的利己主義を越え、永遠の平和世界を望むことができるのです。
真の青年文化を確立しなければならない
過去のどの時よりも今日の問題は、人類全体を総体的な運命圏として考えなければならない特徴をもっています。ですから、ある地域や国家で起きた問題は、世界の勢力の均衡と、経済に即座に影響を及ぼすばかりでなく、言論の発展によって、世界は既に、分、秒の生活圏へと差しかかっています。
今この瞬間にも、インターネットのシステムにコードさえ入力すれば、全世界とリアルタイムで意思疎通できる扉が開かれます。空中に浮かぶ二百個以上の通信衛星によって、地球は既に一つの囲いのようになり、人類はその中で一緒に生きていく地球家族となりました。すべての個人をはじめとして、世界の家庭、国家、そして人類の問題を一つの統一された課題として解決し、どこでも同時に一貫した次元の平和を実現できる万能の鍵は、正に真の愛の力、真の愛の理念です。そして、その真の愛の実践の主役は、正に真の愛の青年の皆様なのです。
純粋さ、新鮮さ、情熱、力、勇気、挑戦、前進、犠牲、忍耐、理想、希望などは、真の青年たちに特権として与えられる祝福の単語です。このすべての単語は、真の青年たちが、家庭と国家、そして世界において真の愛を実践するとき、初めてその真価を発揮するのであり、ひいては真の青年たちは、真の希望の実体として登場するのです。新しい方向とビジョンを提示し、実践に移すことのできる人だけが、新しい時代の主人公になるというのは、歴史的に実証された真理です。
祝福結婚運動は人類的文化革命
皆様は、いかなる環境においても歪曲されない絶対愛、絶対純潔の運動を通して、真の愛を中心とした真の青年文化を確立しなければなりません。真の愛を中心とした真の家庭を守護すべき真の青年たちにとって最大の敵は、退廃や享楽のような非道徳的風潮であることを肝に銘じなければなりません。真の愛の基盤となる真の家庭を築くことこそ、今世紀の生死を分かつ至上課題なのです。
このような観点から、今後繰り広げられる三億六千万家庭の祝福結婚運動は、全世界が歴史的に死活をかけて成就しなければならない人類的文化革命なのです。人類歴史において見ることのできなかった精神的で道徳的な新紀元を成し遂げるのです。
皆様のような真の青年たちが真の愛の主体となり、真の家庭、真の国家、真の世界の建設の主役となるとき、私たちに近づいてくる二十一世紀は、希望と展望ある未来へと広がっていくことを私は確信します。今後成就される三億六千万組の国際合同結婚式の完成に向かって、皆様がお帰りになりましたら、国家的次元で後援会を結成し、積極的な御支援をお願いする次第です。神様の祝福が共にあることをお祈りいたします。ありがとうございました。

Monday Jul 11, 2022
平和経 第274話
Monday Jul 11, 2022
Monday Jul 11, 2022
17.青年は真の愛実践の主役
日付:一九九七年十一月二十八日
場所:アメリカ、ワシントンDC、ハイアット•リージェンシー•ホテル
行事:第三回「世界平和青年連合」世界大会
親愛なる「世界平和青年連合」の会長、尊敬するリチャード•ルービンシュタイン共同議長、世界各地よりお集まりになった内外の貴賓、ならびに紳士淑女の皆様。きょう、世界百三十ヵ国を超える各国の代表の皆様と共に、「世界平和青年連合」の第三回世界大会を、ここアメリカのワシントンDCで開催できたことを心からうれしく思います。
特に、きょうのこの大会が、歴史的な三百六十万組の祝福結婚式の行事を中心とする第三回「世界文化体育大典」の一環として開かれたことは大変意義深いことと思います。なぜならば、地球星の各地から人種と宗教と国籍を超越して、世界的に開催されるこの祝福結婚式の行事の主軸が、正に善男善女として選ばれた青年の皆様であるということだけではなく、二十一世紀を眺望して開かれるこの期間のすべての会場で、青年の皆様がその実践の主体となるからです。
これまで世界各国、そして社会の各分野と階層において、世界平和の実現のためにあらゆる心血を注いで努力し、貢献してこられた青年連合会員の皆様に、深い称賛と感謝を捧げたいと思います。
特に、皆様の活動が「世界大学原理研究会」、「世界平和女性連合」、そして「世界平和統一家庭連合」とともに、真の家庭理想の世界的な実践として、今年の祝祭の祝福対象とする家庭数の目標を三百六十万組から、その十倍を超える三千六百万組に、その上にまた数百万組超過して達成した成果に対し、天と皆様に感謝を捧げます。今後、三億六千万組に拡大して展開されるこの祝福結婚式の行事に、青年連合の会員の皆様が、より一層積極的に先頭に立ってくださるようお願いいたします。
青年は歴史的転換期の主役
今日、私たちは二十一世紀の入り口に立っています。既に世界各地では、二十一世紀を迎える行事の準備のカウントダウンが始まっています。新世紀を迎える人類の心には、みな等しく、私たち人間が経験した過去のどの時よりも良い、神様の新しい絶対的真の愛で一つになった家庭の価値を探し立てる、そのような新しい世界になることを願う熱望に満ちています。
新しい真の愛の理想を指向する人間の情熱が、世界歴史の変化の原動力になったことを考えるとき、誰よりも高い真の家庭理想を追求し、強い実践の意志をもつ青年の皆様こそ、この歴史的大転換期の主体であり、主役とならざるを得ません。ですから、新世紀の扉を開き、新しい理想的家庭の変化を渇望する人類の前に、皆様は希望の象徴として現れるのです。
歴史上には、文学作品に、青年たちの役割と特性、またはそれに対する礼賛の言葉が数多くありました。しかし、今日ほど、家庭や国家、また世界において、青年の役割と責任だけではなく、真の家庭に対する革命が強調される時というのは、まれなことだと思います。ですから、今回の大会で「真の家庭と国家と世界のための青年」という大きな主題を中心に議論することは、非常に時宜にかなったことであると言わざるを得ません。
現在は、家庭や国家、世界のすべてが深いジレンマに陥っています。世界的に産業が発展し、機械文明が発達し、人間の生活が便利になるほど、かえって私たちの生活の基礎となる家庭は破錠に向かっているのです。アメリカ統計局の資料によると、急増する離婚率は、一九七〇年から一九九〇年までで三倍も跳ね上がり、六家庭に一家庭は離婚するという結論が出てきています。そして、全国的に三〇パーセントの子女が片親のもとで育っているという実情です。さらにその上、同性愛の夫婦という世紀末的な奇現象までますます広がっているのです。
実に四〇パーセントに達するアメリカの十四歳から十九歳までの少女たちが、妊娠を経験するという報告があります。三十年前に比べ、青少年の自殺率が三〇〇パーセントになるという爆発的数値を示しているのは、衝撃的なことであると言わざるを得ません。家庭の崩壊現象は、現代社会が抱える最も深刻な危機要素となっているのです。国家的な次元においても、慢性的経済不均衡と麻薬、暴力、エイズなど、街の隅々に硬直した社会問題の前に、政治の力はその限界をさらけ出しています。
さらには、今日の世界は依然として戦争とテロの脅威、人種間の葛藤、宗教間の反目、そして環境破壊のような全人類的な課題を抱き、苦悩しています。数多くの地域の人々が飢餓と疾病の苦痛の中でむごたらしく苦しんでいる様子は、いまだに私たちが無視できない現実として残っているのです。このような現実こそ、今まで人類が経験してきたすべての理念や活動に対する総体的な成績表となります。そしてその内容は、不幸にも落第点なのです。
ですから、すべての家庭と国家と世界は、新しい変化を切実に追求しています。新たな二十一世紀を迎えながら、私たちは自ら、すべての家庭と国家と世界を新しく変化させなければならないという、主体的自覚が先立っていかなければなりません。
私たちに与えられた課題は、変化の主体として新しい青年像を確立し、新しい真の家庭と真の国家、そして真の世界のための新時代を開かなければならないのです。すべてが新しくならなければならないときに、新しくなれなければ破壊されてしまいます。
一粒の種は、芽を出すことができなければ腐ってしまいます。新しい朝が来れば、新たに身支度をしなければなりませんし、新しい季節が来れば、新しい生活環境を整えなければならないのです。重要なことは、新しい変化の風によって真の世界をつくるために、私たち自身が、真の家庭と真の国家によって新しくならなければならないということです。
青年連合の会員の皆様。自分自身を新しくし、家庭と国家と世界、そして歴史を新しくする方案とは何でしょうか。二十一世紀の入り口に立った私たちにとって、本連合の創始者であられる文鮮明先生が教えてくださり、手本を示してくださった真の愛の家庭と国家と世界の理念は、平和世界の基本理念として、新しい歴史を開いてくれています。

Sunday Jul 10, 2022
平和経 第273話
Sunday Jul 10, 2022
Sunday Jul 10, 2022
16.道義世界の創建
日付:一九九五年八月二十日
場所:韓国、ソウル、奨忠(チャンチュン)体育館
行事:「世界平和青年連合」韓国大会
満場の内外貴賓の皆様、そして「世界平和青年連合」の会員の皆様と各国からお越しいただいた代表者の皆様。このような意義のある場で、私が本連合の創始者として祝辞を語ることになり、大変うれしく思う次第です。
昨年(一九九四年)七月二十六日、「世界平和青年連合」を創設して以来、本連合の発展のための会員の皆様の努力と御苦労に対し、この場をお借りして称賛の意を表します。皆様の労苦は決して無駄にはならないと私は確信いたします。今や青年連合は、世界平和と人類理想社会の建設のために先頭に立つ若者たちの、和合と統一の場となりつつあります。私は、人類の平和と統一の世界を開いていく良識のある青年たちが「世界平和青年連合」に集い、声援と支持を下さることを期待する次第です。
親愛なる「世界平和青年連合」の会員の皆様。私はきょう、「道義世界の創建」と言う主題のみ言を通して、「世界平和青年連合」の進むべき方向性について語りたいと思います。皆様も御存じのとおり、現代は重大な危機に直面しています。物質文明の高度化による人間性の喪失と道徳的堕落が極限の状況へと突き進んでいます。これは人類が本然の父母であられる神様に背いたところに起因しています。人間始祖の堕落によって、人類は神様を中心とした本心を失ってしまい、堕落した世界へと流されていっているのです。
善を指向する絶対価値と絶対中心の基準となる神様を知らずにいる人間は、闘争と憎悪と退廃と堕落の奈落にますます落ち込んでいかざるを得ませんでした。しかし、人類の父母であられる神様は、御自身に背いた人間たちを見捨てることなく、人類を救援するための摂理を続けてこられました。
数多くの預言者や聖人、そして宗教指導者たちをこの地上に送られ、人類救援の歴史を願ってこられたのです。二千年前に人類のメシヤとして来られたイエス様をはじめとして、仏教の釈迦、イスラームのムハンマド、儒教の孔子のような聖人たちは、人類を善の方向に導くために努力した人たちです。
歴史上存在してきた数多くの宗教が、根本的な面で善を指向しているのも、このような理由から理解できると言えるでしょう。しかし、数多くの宗教や思想が明滅を繰り返してきましたが、いまだに人類に真の平和や幸福を抱かせてくれる理想世界を建設できずにいます。これは、既存の宗教や思想が本質的な面で限界をもっていることを示唆するものだと言うことができます。
愛する「世界平和青年連合」の会員の皆様。このような限界状況をいかにして克服するのでしょうか。私たちは本然の理想を実現するために、神様の真の愛を中心とした心情文化運動を展開することによって、より良い世界を建設していかなければならないのです。青年時代に神様を知り、歴史の中で神様の目的を果たすために、疲れることなく、人類救援のための努力と情熱を投入してきた私は、若者である皆様がこのような神様のみ旨を相続し、真の父母に似ることを切にお願いする次第です。そして、このようなみ旨を成就するためには、まず「神主義」と「頭翼思想」で世界平和と祖国統一を指向しながら、人類の繁栄と幸福のために先頭に立たなければなりません。
私たちがあまりによく知っている統一に関する問題は、そのような面から一番先に解決すべき課題です。民族が解放されて以来五十年が過ぎましたが、韓半島は、依然として分断された姿で残っています。
最後のイデオロギーの象徴とも呼ばれているこの韓半島の分断は、今や私たち韓半島だけの問題ではなく、世界の問題に拡大しています。そうかと言って、統一を成就する力や方法を準備しないまま、スローガンだけを叫んでいてはいけません。
韓半島が南北に分かれたのは、我が民族が望んだからではなく、米ソ両国と中国と日本などの周辺強大国の影響によるものです。したがって南北統一は、アメリカ、ソ連、中国、日本などが、我が国を分断させたまま国際秩序を主導していく既存の状況を変えないことには、成し遂げられないのです。すなわち、韓半島の統一に対して周辺強大国が協力できるように韓国の主体的影響力を養わなければならないということです。これが正に一九九一年十一月末に、私が平壌を訪問した理由です。
今や南北統一は、この文総裁が築き上げた国際的な基盤と影響力を抜きにしては論議できない段階に入っています。なぜならば、北朝鮮も、このような私の活動の力量をよく知っているからです。最近では、北朝鮮当局が積極的に参与できるよう、統一に対する様々な方面にわたって信頼を築いてきています。民族に対する「神主義」と真の愛で北朝鮮の同胞を兄弟のように接し、父母の心情で彼らが必要とする経済援助のために多様なプロジェクトを推進しています。
金剛山開発計画、軽工業産業の育成支援計画、定州平和公園造成計画など、すべてが我が民族の統一のための基盤を築いていく事業です。特に定州平和公園造成計画は、私の生まれた生家を中心に造成されるのですが、北朝鮮当局は既にそこを聖地に指定し、途方もない広さの土地を貸すなど、聖域化事業に積極的に協助しています。
愛する青年連合の会員の皆様。統一とは何でしょうか。それは、真の愛を中心として、相手と条件なく一つになることです。相互間に信頼を与えることができる真の愛の実践運動を通じて、統一に向かう最も具体的な方法を提示しなければなりません。このような原則のように、我が民族の統一も、神様の絶対的真の愛を通して南と北が互いに和解し、協力して、一つになる道に進んでいかなければなりません。これは、私たちが北朝鮮に対して無条件の投入と支援を推進している理由でもあります。また、私は、中南米の数十ヵ国を訪問して各国のトップと会い、南アメリカの統合と支援を約束しました。これは、南北アメリカを統合し、旧教と新教を統一し、世界平和統一の基盤を造成するための一環として行われているのです。
今後「世界平和青年連合」は、祖国統一の成就のために先導的な位置に立って進んでいくと私は確信します。
皆様は、祖国と世界が一つになるよう、良心ある青年として先頭に立ってください。良心的で悟りのある青年だけが、歴史を変革し、人類をより善の道へと導く資格があるのです。私は、このような人間本性に一致する最も根本的な基準は良心であると思います。良心は、堕落した人類が本来の父母であられる神様を再び探し出し、より善の世界へと進んでいくための物差しです。人間は、良心の基準に従って善を指向することによって、人類理想社会を実現していくことができるのです。
歴史を振り返って見ると、数多くの預言者や聖賢たちが存在しました。しかし、彼らは外的な統一を成し遂げましたが、心と体の心身統一は成し遂げることができなかったので、根本的な限界に直面せざるを得ませんでした。しかし、今や神様の真の愛を中心として、真の父母がこの地に顕現し、真の家庭を築き、統一された理想社会を実現していきつつあり、これによって神様の救援摂理の主流圏を形成するようになりました。
真の父母様は、神様と人類を接ぎ木してくださる仲保者です。真の父母なくしては、人類が神様のもとに行くことはできません。真の父母は、人類を堕落から救援してくれる唯一の道を提示してくださる方なのです。皆様は、真の父母の意味を再度、胸に刻まなければならず、その方を迎え、その方に従って人類救援の摂理に同参する準備をしなければなりません。
愛する会員の皆様。私が「世界平和青年連合」を創設したのも、このような救世運動を繰り広げていくためです。そして、私の妻である韓鶴子総裁を立て、その陣頭に立つようにしました。韓鶴子総裁は、私の妻であり、十三人の子女をもった家庭の母としてだけではなく、「世界平和女性連合」の総裁として真の女性運動を主導しており、人類理想社会の実現のために全世界的な次元で熱心に努力しています。韓鶴子総裁は、去る一九九三年に全世界四十ヵ国巡回講演をはじめとして、国連本部、韓国、アメリカ、台湾各国での国会講演、韓国四十カ所大学講演など、数百回の講演を通して、人類の行くべき真の道を提示し、参席した人々から熱烈な支持と歓迎を受けました。
今後、「世界平和青年連合」は、創始者の意図により、韓鶴子総裁を中心として、南北統一はもちろん、暗闇の中にいる人類に真の救援の道を開くことができる真の光になると期待する次第です。そして全人類に、二十一世紀に対する新しい希望とビジョンを提示できる青年運動団体になることを希望します。人類を救援と解放に導く先駆者としての「世界平和青年連合」が発展していくためには、皆様の決意に満ちた努力が必要です。
「世界平和青年連合」の会員の皆様。真の愛とは、無限に与えてもさらに与えるものであり、与えたということさえも忘れてしまう自然な心情です。条件なく与えることが正に最も自然であり、貴いことにほかなりません。真の愛があるところに、人間の本心は反応し、真の愛があるところに、人間の良心はとどまることを望むのです。
私は、ここにいらっしゃるすべての方々が、このような真の愛の実践者となってくださることを願います。そうして全人類が「世界平和青年連合」と共に活動できるようになることもまた、心よりお祈りいたします。限りない真の愛の生命力が「世界平和青年連合」の名によって全世界に及ぶことができるよう、私もまた韓鶴子総裁と共に力強く前進していくでしょう。
既存のいかなる団体よりも、人間の本性により一層近く進んでいく真の愛と真の生命と真の血統により、道義世界の創建のために先頭に立つ若い青年たちとなってくださることを心から願ってやみません。
最後に私がお願いしたいことは、皆様が「世界平和青年連合」の真の主人であることと、青年連合を皆様自身そのもののような存在と思っていただきたいということです。このような召命と実践が一致するとき、皆様は間違いなく、「世界平和青年連合」の会員として生きてきたこの時期を大いに誇り得る日がやって来るでしょう。皆様のすべてに神様の祝福と恩寵が共にあることを願います。ありがとうございました。

Friday Jul 08, 2022
平和経 第270話
Friday Jul 08, 2022
Friday Jul 08, 2022
14.平和世界の主役になろう
日付:一九八四年十一月三日
場所:韓国、ソウル、リトル•エンジェルス芸術会館
行事:第一回原理研究会世界大学生総会(代読)
世界大学生総会のために、この場にお集まりになった内外の貴賓、そして各国の「大学原理研究会」の指導者、ならびに会員の皆様。きょうこの集会で皆様の活発で希望に満ちたお顔を直接拝見することが私の願いでしたが、やむを得ない事情によりそれがかなわず、実に残念に思います。たとえ私がこの制約された現実の中で、体は皆様とこの場を共にすることができないとしても、今回の期間は心情的に、また霊的に皆様と共にいますので、私たちは、あすの、より感動的な出会いを約束することにいたしましょう。
私の体はダンベリーの収容所にありますが、歴史と世界に向けた私の理想と実践は、いささかも揺らぐことなく進行しています。私を慰労しようと世界の至る所から多くの名士や碩学たちが来訪し、神様の経綸を聞いています。また最近、アメリカの既成キリスト教団の指導者たちの積極的な協助と反応は、私たち全員にとって大きな励みとなっています。
今回、第一回世界大学生総会を韓国で開催することになったことは、非常に貴重な意義をもっています。韓国は私の出生地であり、原理運動の発祥地であるばかりでなく、かつて私が深い祈祷生活によって霊界の秘境と深層をたどりつつ、血のにじむ闘争を通して神様の教えを「統一原理」として確立し、未来を設計しながら青春を捧げた所です。
世界各国の「原理研究会」の指導者、ならびに会員の皆様。これまでの皆様の労苦に称賛の意を表します。皆様は学問探究の道とともに、実践運動として神様のみ旨を立てる素晴らしい仕事をしています。皆様が大学のキャンパスや通りで、数多くの不義、不正、退廃に立ち向かい、闘って勝利してきた事実を私はよく知っております。ベルリンの壁を崩すための皆様の立派な行進、また日本とアメリカでは左翼勢力の威勢にも屈することなく、殉教者的な心情で闘って勝利したことなどは、「原理研究会」の歴史の金字塔であると言うことができるでしょう。
私が希望の中で見つめている「原理研究会」の運動が、既に世界七十ヵ国以上の国々に根を下ろして以来、いつしか三、四年の歳月が経過しました。このような基盤の上で、きょう開催する第一回原理研究会世界学生総会に、共産圏の国々で活動中の会員たちが参加できなかった点に、私たちは胸を痛めます。
私が「原理研究会」を創設した動機の一つは、大学生の若さと情熱にあります。皆様は、過去に依存して生きているのではなく、未来に対する果てしない希望の中で生きています。皆様は義を尊重し、真と美を憧憬しています。清純な若者の心は、天のみ旨が臨むのに最も適した土台をもっているのです。
私は、神様のみ旨に従い、善民完成の目標を立て、若い知性ある人たちを心情教育と天才教育による「愛天、愛人、愛国」の人格者として育成し、新しい歴史の主役にしようと思うのです。神様の究極的摂理が、特定の民族や文化や地域、そして教団的、または宗教的範囲に限られることがないようにするためには、進取的であり、開放的で未来指向的な若い世代がその牽引車とならなければなりません。これが、「大学原理研究会」に対して私が期待をかける、また一つの重要な側面です。
神様のみ旨が、神学的、または教理的な枠を越え、文化全般にわたって実現されるためには、まず新しい世代の文化伝承者としての大学生に伝えられなければならず、そこから学問的、理念的、実践的展開にまで至らなければならないのです。特に、大学街を重要な対象として、神様に敵対する赤化運動を進める、国際共産主義者たちの策略をよく知っている私は、世界の若者たちが偽りのものにこれ以上もてあそばれないことを切に願うようになり、ついに共産主義を克服する新しい理念と実践運動としての「大学原理研究会」を出発させることになったのです。これは日本の大学街では既に実験済みであり、世界各地の原理研究会が理論的対決によって大学生を先導し、また神様の愛を中心とした奉仕と実践の生活によって手本を示しているのです。
今日、世界の問題は共産主義問題だけではありません。産業革命と二回にわたる世界大戦を経ながら、人類は既存の宇宙観の没落を目の当たりにしてきましたが、現代の科学技術の躍進を消化する新しい宇宙観が提示されないまま、人類は、手のほどこしようのない価値観の混乱の中で漂流しているのです。ここで、このような渦に巻き込まれて傷つきやすい世界の若者たちに対して、神様は既に代案を立てられ、語りたい多くのみ言をもっていらっしゃいます。
神様と人間が願うものは、平和の世界、理想的な一つの世界です。平和な理想世界は、争いのない統一の世界です。ところが、全世界にわたって統一を模索する以前に、一国家の統一について先に模索されなければなりません。同様に、統一された国家がある前に、統一された氏族がなければならず、統一された氏族がある前に統一された理想的な家庭がなければならず、さらに統一された家庭がある前に、矛盾や葛藤のない理想的な個人がいなければなりません。
このように、個人から世界に至るまでの問題解決は、自体内の善悪二方向の相克的対立を克服することによってのみ可能なのです。この解決を成就するための歴史的な教えは、宗教を通して与えられてきたのであり、メシヤはこのような摂理の中心人物であり、標本なのです。真の平和世界が成し遂げられれば、その世界は永遠に存続するのであり、また超国家、超人種、超宗教的にならざるを得ないので、それは実に、全人類が一組の父母のもとにおける一つの兄弟姉妹の関係で結ばれた一つの大家族社会になるのです。
神様のみ旨と人類の念願がこのようなものであるにもかかわらず、今日の世界はどうでしょうか。人々は地球村や一つの世界について語りながらも、多元化と専門化の趨勢は、個人主義的で利己主義的な風潮をあおり立てており、個別化の現象はその極に達し、存在世界の連体的秩序まで大きく害しています。環境汚染と自然破壊は、地球全体を生態学的危機へと追い込んでいるかと思えば、その操作をコンピューターに任された戦争の武器により、今やその発明者である人間がその下で奴隷のようになって恐怖に震える、そのような状況を招いているのです。
宗教を中心とした既存の価値体系は、なぜ崩壊していったのでしょうか。それは、宗教自体が本来の任務を忘れたまま、分裂と紛争はやむ暇がなく、それゆえに現実に対する指導力を失ってしまったからです。既存の宗教が神様と人生と宇宙について明確に教えることができなかった結果、善と悪、義と不義の区別をはっきりさせることができず、特に、神様が存在するかどうかということに対する質問に、明快な答えを与えることができませんでした。宗教が無力化するやいなや、物質は、人間の前に手段ではなく目的と化し、享楽が当然なこととなり、人間性は肉欲と物欲によって麻痺し、動物化してしまいました。このような土壌の上には、真の愛や奉仕、そして義や神聖などの既存の価値観は引き続き存立することができないのです。
なおかつ、現代社会の組織化、大型化、機械化の傾向は、非人間化、または人間疎外の現象を加速化させ、個人の矮小(わいしょう)化、部品化の趨勢をあおり立てています。人間の創造本性が塞がれているこの状況と束縛の中で、人類を解放する新しい価値観の出現は、私たちすべての絶対的要求と言わざるを得ません。
新しい価値観は、現代の問題を消化し、現代人を説得できる新しい宗教に根源をおかなければなりません。神様が人類の父母であられることを教育し、宇宙の始原が物質ではないことを究明し、人間には霊性と人格があり、神様の相続者として宇宙を治める権限があることを明らかにしなければなりません。また、創造本然の愛の理想を確認させ、森羅万象が二重目的の連体になっており、宇宙の大秩序の中では調和のみが存在するようになっていた太初の理想を明らかにするなど、新しい価値観は、そのような役目を果たさなければなりません。
原理運動は天理の伝播運動であり、神様を証する大学生の実践運動です。理論の前提がないところに社会的意志が結集するはずはなく、これを具体化させる運動なくしては世界にその結実はあり得ません。私たちが推進している原理運動は、古く病んだ既存の文明を部分的に回復しようとするものではなく、その根源から新しい出発をしようという運動なのです。
皆様は神様が下さったところの個性真理体として、各自の品性を原理によって陶冶(とうや)し、烈火のような情熱と純潔な心で不義と悪を整理し、打破しなければなりません。皆様の体はたとえ堕落の世界に処しているとしても、原理とサタンの讒訴に皆さん自身をさらすことなく、天を突く意気で過去の悲哀を乗り越え、希望の実体となって、他の模範になりながら、あらゆる辛苦の中でも委縮することなく、希望に満ちた瞳で未来を見通さなければなりません。神様が皆様に対して求めるのは、皆様の特技や専門知識ではありません。神様は皆様御自身、すなわち皆様の心と志と精誠を求めていらっしゃるのです。
かつて私が死地においても希望を失わなかったのは、神様のみ旨と心情を常に実感していたからであり、世界と宇宙、人生と歴史が私の心中からひと時も離れたことがなかったからです。これは、肉身の疲労を感じる暇もありませんでした。歴史の大きな転換期が訪れるたびに、新しい文化を担当した勢力は若い層から現れたということは、わざわざ青年の釈迦や青年のイエス様の例を挙げなくても、私たちは、よく知っている事実です。私が統一運動のための公的生涯を出発したのも、二十代の中盤でした。
世界の若者たちを代表してここに集まった「大学原理研究会」の指導者、ならびに会員の皆様。私たちは、万人が共に願う新しい世界に向かう道の先鋒にならなければなりません。私たちは、神様の理想による平和世界を成し遂げる主役です。私の伝統を引き継いで、より一層前進しなければなりませんが、これは、世界的基盤を築いていく外的な面だけではなく、神様の心情世界と信仰の伝統を継承する内的なものまで含まれなければなりません。
皆様は、四十億の人類が乗った船の舵を取る航海士です。私たちの正しい姿勢と奉仕、犠牲の実践によって全人類に希望を与え、西暦二〇〇〇年代に向かう新時代の夜明けを開く新文化創建の旗手になりましょう。生きておられる神様の祝福と加護が、全世界の「原理研究会」の生命ある運動の上に共にあるでしょう。ありがとうございました。